森友公文書 首相進退答弁 改ざんに影響/前川氏授業に文科省介入 辰巳氏批判
辰巳氏追及に 理財局長否定せず
参院予算委
日本共産党の辰巳孝太郎議員は16日の参院予算委員会で、学校法人「森友学園」との国有地取引をめぐる決裁文書について、安倍晋三首相の国会答弁との整合性を取るために改ざんされたのではないかと追及しました。財務省の太田充理財局長は「総理あるいは大臣答弁もあるので、政府全体の答弁は気にしていた」と述べ、首相答弁の影響を否定しませんでした。(論戦ハイライト)
辰巳氏は、公文書の改ざんについて「歴史の改ざんであり、民主主義の根幹を揺るがすものだ」と指摘。「公務員が誰の指示もなしに改ざんをやるはずがない」として、安倍首相が2017年2月17日に「私や妻が関係していれば、総理大臣も国会議員もやめる」と答弁したこととの整合性を取るためだったのではないかと追及しました。
太田理財局長は「書き直しの大宗(主要)の部分は、当時の理財局長が答弁しないといけなかった部分が中心」と述べたものの、安倍首相答弁との整合性をはかるための改ざんであったことを否定しませんでした。
辰巳氏は、国有地貸し付けの「特例承認」に関する決裁文書に、昭恵氏から「『いい土地ですから、前に進めてください』とのお言葉をいただいた」という籠池泰典被告(当時=同学園理事長)の発言をはじめ5カ所で昭恵氏に関する記述がみられることを指摘。「他に昭恵氏の名前が出てくる文書はあるか」とただすと、太田理財局長は「それですべてだ」と答弁しました。
辰巳氏は、他の決裁文書には昭恵氏に関する記述はないとして、「昭恵氏が『特例』の条件ということは明らかだ」「疑惑の核心はこの貸し付けの経緯にある」と指摘。17年5月に提出された売払決裁文書は、貸し付け経緯が削られており、「特例承認」に触れた貸付決裁文書は総選挙後の11月まで国会に提出されなかった事実を示し、「財務省は隠し続けた」と追及。「昭恵氏につながる文書の存在、痕跡を消すために改ざんが行われた」と強調し、改ざん当時の理財局長だった佐川宣寿前国税庁長官と昭恵氏の証人喚問を求めました。
2018年3月17日付新聞赤旗より転載
論戦ハイライト
「昭恵氏隠しの改ざん」
参院予算委 辰巳議員が「森友疑惑」追及
財務省と工事業者の口裏合わせ、安倍晋三首相の妻・昭恵氏の痕跡隠し…。森友学園への国有地売却をめぐる疑惑について日本共産党の辰巳孝太郎議員は16日の参院予算委員会で追及し、公文書改ざんにまで至った真相解明のため、佐川宣寿前理財局長と昭恵氏の証人喚問を求めました。
ゴミねつ造疑惑
同日の「毎日」の報道によると、約8億円の値引きにつながった地下のごみを試掘した業者が、実際より深くからごみが出たとする報告書を作成していました。辰巳氏は「新たなごみをねつ造した。この口裏合わせを業者が認めたというものだ」と指摘し「ごみは(地下)3・8メートルであったのか」と確認しました。石井啓一国土交通相は「直接測ったことはなかったが、現場で穴の中を見た」と答弁。会計検査院は「廃棄物を3・8メートルの深度で確認したことの裏付けは確認できなかった」と述べ、ごみがねつ造された疑惑を否定しませんでした。
辰巳氏が「業者と口裏合わせをしていたなら国交相の答弁が問われる。責任を取られるか」とただすと、石井国交相は「報道の中身は捜査にかかわるのでコメントは控える」と答弁をさけました。
財務省の決裁文書が改ざんされていた問題で辰巳氏は「いわば歴史の改ざんであり、民主主義の根幹を揺るがすという認識はあるか」と質問。麻生太郎財務相は「ゆゆしき事態」としながら「歴史の改ざんという認識はない」と否定しました。
辰巳 2009年6月25日の衆院本会議で麻生総理は「総理や大臣はいわば社長。社員をたたくだけでやる気をなくさせて、これでは社長は務まらない」と。この考えに変わりはないか。
財務相 日本の会社社会では、一方的な責任を(社員に)押し付けないようにするというのは当然のことだ。
辰巳 だったら責任を取って辞めていただきたい。責任を取る気のないトップが調査をすると言っても実効性はない。
理財局は12日になって14の決裁文書の改ざんを認めました。辰巳氏は、誰の指示で、なんのために行ったのか追及しました。
辰巳 総理が(昨年)2月17日(の国会答弁で)、「私や妻が関係していたら総理も議員も辞める」と豪語した。この答弁の整合性を取るために消されたのではないか。
太田充理財局長 総理あるいは大臣の答弁もあるので、政府全体の答弁は気にしていただろう。
辰巳 (首相答弁との関係を)否定できなかった。
首相の妻の昭恵氏が出てくる決裁文書は、森友学園に「特例」を認める貸し付けの2文書で、太田理財局長も「それで全て」と認めました。辰巳氏は「特例の条件が昭恵氏であることは明らかだ」と断じました。
「提出遅れ」なぜ
特例承認が記された貸し付けの決裁文書は理財局にあるにもかかわらず長く国会に提出されませんでした。売り払いの決裁文書を開示したのは昨年5月ですが、貸し付けの決裁文書が国会に提出されたのは同11月です。
辰巳氏が「貸し付けの文書を(昨年)5月に入手していたら、特例文書も議論できた。安倍昭恵さんの痕跡を消すために提出しなかったのでは」とただすと、太田理財局長はまともに説明できませんでした。
辰巳氏は「安倍昭恵氏につながる文書の存在、痕跡を消すために改ざんを行ったことがますますはっきりした」として、佐川、昭恵両氏の証人喚問を求めました。
2018年3月17日付新聞赤旗より転載
安倍政権 異常な体質
前川氏授業に文科省介入 辰巳氏批判
日本共産党の辰巳孝太郎議員は16日の参院予算委員会で、文部科学省が同省の前川喜平前事務次官を授業の講師に呼んだ名古屋市の公立中学校に対して異常な調査を行っていた問題について、「歯向かう者には民間人となっても容赦なく攻撃する。安倍政権の異常な体質のあらわれだ」と批判しました。
文科省が市教育委員会に送ったメールの質問は15項目に及んでいます。辰巳氏の追及に、林芳正文科相は「事実を確認するために行った」などと弁明。辰巳氏はメールでは、校長と前川氏の個人的な関係や前川氏を招いた是非を聞くなど、およそ「事実関係の把握」とは言えない内容が含まれていることを指摘し、「政治の教育への介入だ」と追及しました。
林文科相は「事実関係の確認を行う際には、表現ぶり等について十分に留意する必要があると注意した」と答えました。
2018年3月17日付新聞赤旗より転載