まず最初に、行政全体の信頼を揺るがす問題として、セクハラの問題を取り上げさせていただきます。
この間、財務省のセクハラ問題というのが報道されてきたわけでありますけれども、今日の未明ですか、テレビ朝日の記者会見で、セクハラの被害者は私であるということで報道がされたところでございます。
まず、矢野さんにお聞きしたいんですけれども、今回の一連の、本日の報道も含めてですが、これもう決定的ではないでしょうか。これはもうセクハラ、事実としてあったということでよろしいんですね。
○政府参考人(矢野康治君) お答えを申し上げます。
財務省の福田事務次官についての週刊誌報道が先日ございまして、それにつきまして、音声の情報も出て、そしてまた、今朝、テレビ局の記者会見もあったところでございます。
一方で、それらの情報を受けまして、私どもとしては、人事院の指摘に基づきまして調査を開始し、双方の事実認定をさせていただいた上でしかるべく処置をするという手続に入ったわけでございますが、福田事務次官は、先週の時点におきましても、また今朝の時点におきましても、事実としてセクシュアルハラスメント、性的な嫌がらせをしたというのは事実と違うという主張をしております。
したがいまして、それを今、第三者たる弁護士事務所にお願いをして双方の主張を調査するという、主張といいますか、事実認定をするために調査をするというプロセスに入っておるところでございます。
○辰巳孝太郎君 済みません、ということは、皆さんの委託した弁護士さんにこの方自身がお話しにならないと、皆さん自身は、この間、今日の発売の週刊誌でやられているやり取りですね、これそのものの認定もせずに事務次官のセクハラの認定はできないと、こういう話ですか。
○政府参考人(矢野康治君) 別の委員会でもるる御答弁を申し上げておりますけれども、福田事務次官は、そこに言われているようなこととは違って、前段があるということですとか、いろいろ事実と違うということを申し立てております。したがいまして、裁判もするという覚悟でございますので、事実の認定をきちんとしていただく必要があると思っております。
我々は、かばおうとか隠そうとか、そんな思いは全くございません。ありませんけれども、本人がそれは違うと言っている以上は、事実をきちんと究明する必要はあると思います。
○辰巳孝太郎君 ということは、本人が否定する限り、皆さんはこのセクハラについてセクハラの事実認定はしないということになるんじゃないですか。そうなっちゃうんじゃないですか。皆さん自身、何のためにそれを調査しているんですか。
昨日の委員会でも問題になっているのは、これらの会話がどのような場でどのような相手に対してどのような流れの中で行われたのかというのが問題だと、こう言っているわけですね。もちろん、私は、それら全てを考えないとしても、そういう言動が女性に対してされたのであれば、これはもう即刻セクハラ認定すべきだと思いますが、今日の週刊誌の報道では、どのような場でどのような相手に対してどのような流れの中でというのは、これはもう明らかになったじゃないですか。
だったら、皆さん自身がこれ調査、当然、福田さんには聞き取りはしたらいいと思いますが、皆さん自身がセクハラ認定して、これ処分すべきですよ。すべきですよ。どうなんですか。
○政府参考人(矢野康治君) 繰り返しになりますけれども、福田次官は、そこに書かれていること自体につきまして疑義があるということを強く申し上げております。その文字を、字面を事実であるという前提にすれば、これはセクハラでしょう。でも、本人は、その前段も状況も違うと言っておりますので、それを裁判でまでやると言っていますので、それを、要するに嫌がらせというハラスメントの状態であったかどうかという前提に立ち至っているんです。
よく言われますけれども、セクハラがこの程度だったらいいというようなことを言っているのではなくて、ハラスメントの実態があったかどうかということをまず究明する必要があるということでございます。
○辰巳孝太郎君 皆さんは、今日報道にあるようなやり取りがあったとしても、前段があればセクハラに当たらない可能性があるという認識に立っているということですね。
○政府参考人(矢野康治君) そうではございません。そのやり取りにつきましても疑義があると申し上げているんです。
○辰巳孝太郎君 まず、私の質問に答えてください。前段が何かあるんでしょう。
○政府参考人(矢野康治君) ですので、一方の当事者とされる福田事務次官は、そのやり取りについては前段もあるし状況も違うしということを申し上げておりますので、そこをきちんと究明しないといけません。それが事実でございます。
○辰巳孝太郎君 ということは、今日報道の週刊誌の、どこどこのバーで、そしてこのやり取り、これそのものを否定されているということなんですか。そういうことなんですか。
○政府参考人(矢野康治君) 幾つか抜けていることがあったり順番が違うことがあったりということが起こっているというふうに昨日会見で本人が言っていますよ。それを法廷にまで持ち込んででも自分の名誉を晴らしたいと言っていますので、そこの法廷に行く前に、まず人事院の規則にのっとった調査を、我々は相手の二次災害ということをミニマイズする人事院の規則以上のことをやって、今進めているつもりでございます。それがいかにできるか、これはきちんとやりたいと思っています。
○辰巳孝太郎君 つまり、前提が何かあれば、そして書かれているようなやり取りの順番が違っているのであれば、これは、こういうやり取りがされていたとしても財務省としてはセクハラと認定しないと、そういう可能性があるということを言っているんですね。これ、全く私、信じられないです。信じられないですよ。
これ、女性記者であるということは認めているんですか。このやり取りが女性記者であるということは認めておられるんですか、福田さんは。
○政府参考人(矢野康治君) 音声のところで話題になりましたけれども……(発言する者あり)済みません、今日の記事についての聴取ということはできておりません。
○辰巳孝太郎君 では、先週の音声で結構です。
○政府参考人(矢野康治君) 音声につきましては、複数の人との会話があるように言われておりますけれども、記者でないところもあるように記憶していると、そこの辺りはこれからきちんと準備をして調査をしたいということですので、全部が記者であるという前提自体が疑わしいと申しております。
○辰巳孝太郎君 記者以外の方へのセクハラ言動であれば問題ないということなんですか。
○政府参考人(矢野康治君) 記者以外の方というのはいろいろな方がおられますけれども、ビジネス上の方であったりするということです。
○辰巳孝太郎君 今日の週刊誌についての聞き取りはなぜしないんでしょうか。なぜまだしていないんですか。
○政府参考人(矢野康治君) それは、今日出版されたものですからです。
○辰巳孝太郎君 昨日取り上げられていますね。当然、矢野さんも御覧になっているでしょう。もしこのやり取りがされていたとすれば、女性記者に対して、そのことを今日未明の記者会見でテレビ朝日はおっしゃっているわけですよね。
これはどう考えてもセクハラ認定すべきだと思いますけれども、福田さんが何を言おうがすべきですよ、財務省は。あなた、今、事務方のトップですね、代行されているわけでしょう。これ、財務省として、福田さんが何言おうが、これ言動がこういうことがあれば、これは皆さんがきちっと調査をして、セクハラ認定して、そして辞任じゃなくて、辞任する前に皆さんが懲戒処分なりするべきですよ。辞めさせたら駄目ですよ、すぐに。処分ですよ、まず。いかがですか。
○政府参考人(矢野康治君) ですから、事実認定をするというプロセスに入っているわけです。昨日も他の委員会で大臣もるる答えられましたように、そのデュープロセスに今入っているわけです。人事院規則以上の、細心の注意を払って私どもは調査をやっているというつもりでございます。
そこで、今、書かれているものが事実であるという前提での御質問を繰り返しておられますけれども、本人が違うと言っているので、じゃ、違うならどこがどう違うかということをきちんと究明しないと、ハラスメントであったかどうかということが狂ってくるわけですよ。それを我々は、どこが事実でなくて事実であるかということをきちんと調査をさせていただく。そのために、福田の聴取と、それから、されたとされる方の御事情をお聞きすることと両方をきちんとやらなければいけないと思っております。
○辰巳孝太郎君 今日の報道では、福田さんは、全体を見てもらえればセクハラに該当しないというのは分かると、こう言っているんですよ。全体を見てもらえればセクハラに該当しないというのは分かると。
彼は、記憶にないとか、そんな言っていない、全面否定しているわけですけれども、この発言見れば、そういったことを言ったということを前提に、前提に全体を見てもらえばセクハラに該当しないという御自身の意見を述べられているんですけれども、彼はそういうやり取りがあったということを認めているということでよろしいですね。
○政府参考人(矢野康治君) 歩きながらの短い間のやり取りですので、それで全てを究明しろというのは御無理だと思いますよ。
調査を我々は別途きちんと責任を持って人事院規則にのっとってやっておりますので、その調査を待っていただきたいと思います。
○辰巳孝太郎君 いや、財務省というところが、本当にこの期に及んでという感がしますけれども、とんでもないところだなということが明らかになったかなというふうに思います。
世耕大臣、実は、経済産業省所管するクールジャパン機構、官民ファンドですけれども、昨日の報道でありますけれども、ここでもセクハラがあり、そして今訴訟をされているということが報道をされています。職員に対してくじ引をして、当たりとして監査役とのワインディナーとか、そういうことをしていたということが争われているわけでありますけれども、このことについての認識をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(世耕弘成君) 御指摘の訴訟については、クールジャパン機構等の当事者間の問題でありまして、経産省としてコメントは差し控えさせていただきたいと思います。
いずれにしても、解決へ向けて、クールジャパン機構等において誠実に、今これ訴訟になっているわけでありますので、訴訟対応していくものだというふうに考えております。
○辰巳孝太郎君 しかし、これも経産省も率先してセクハラの実態調査、これ事実関係調べるべきだと私は言わなければならないというふうに思います。
さて、全て都合の悪いことが記憶にないとか、ごまかしやすり替えで審議が進んでいくわけなんですけれども、財務省にお聞きしますが、森友のやり取りの中で、昨年の、二〇一七年の二月の二十二日に菅官房長官に対して、佐川前理財局長、太田現理財局長、そして中村稔現総務課長がこの契約についての説明に行ったということでありました。
中村総務課長は、その時点で安倍昭恵さんの名前が記載をされている決裁文書に判こをついた一人でありますから、当然そのときに菅官房長官に、安倍昭恵さんの名前がありますよと、こういう報告をされているはずだと私は思うんですが、この間のやり取りではそれを否定されて、そして、決裁をしたときにその決裁文書を見なかったのかという問いに対しては、実は見ずに判こを押していましたと、昭恵さんの名前は私知らなかったので報告していませんでしたと、こういう答弁でありました。
その二〇一五年の四月の三十日の決裁、これ、十四のいわゆる改ざんされた決裁文書の中の本省が持っている唯一の決裁文書、特例承認決裁文書と言われるものでありますが、そこに決裁をしているのは中村さんだけではなくて、当時の飯塚局次長であったりとか田村嘉啓さん、いわゆる谷査恵子さんとのやり取りをやったりとか籠池夫妻と直談判してごみの処理を相談したりとか、その人たちも実は決裁の判こを押していたと。この間の審議の中で、実はその人たちも中身を見ずに判こを押していたので、安倍昭恵さんの名前がそこにあることは知らなかったので上には報告してなかったと。菅さんは知らない、官邸は知らなかったと、こういう話になっているんですね。
決裁されている方はそのほかに、全部で十八人ですから、その残りの人は中身は見て決裁をされたんでしょうか。
○政府参考人(富山一成君) お答えをいたします。
今お取り上げになっている特例承認の決裁の決裁者の認識ということでございますが、これまでの国会におきまして、委員の方からは総務課長あるいは前審理室長についてのお尋ねがあって、それぞれ御答弁をさせていただいております。また、他の御質疑の中で飯塚前次長あるいは古谷審議官についても御答弁をさせていただいておりますが、引き続き、残り全員ではないが、確認作業を行ったところでございますけれども、当時、決裁文書を作成、起案した審理室の担当係長及び当該係長の上司でありました訟務専門官は、経緯の中に総理夫人に関する記載があることを認識していたということでございました。
○辰巳孝太郎君 それは当たり前なんですよ、起案しているんですから、文書を書いている人ですからね。それは安倍昭恵さんの名前を書いた張本人ですから、知っているのは当たり前なんですよ。
残りの、起案以外の人で、中身を見てちゃんと判こを押した人はいるのかというのを聞いています。
○政府参考人(富山一成君) お答えをいたします。
残りの人数ということで申しますと、残り十二名ということになろうかと思いますが、既に退職をしている者、あるいは東京に現時点でいないといったような者もおりますので、確認にはいましばらくお時間をいただきたいと思います。
○辰巳孝太郎君 つまり、今の段階でその決裁文書の中身を見ている人は誰もいないと、こういうことなんですよ。あり得ないんですよ、行政マンとして。あり得ない話ですよ。皆さん、ちゃんと見ていると私は思いますよ。
なぜ見ていないとしか言えないかといえば、見ていると言えば、二〇一七年、昨年の二月の二十二日の時点で、財務省として、理財局として、安倍昭恵さんの、つまり改ざん前の安倍昭恵さんの名前のある決裁文書があって、それに基づいて全部審議していた、だから改ざんしたんだ、隠すためにと。つながるから、都合が悪いからそれを言えないだけの話なんですよ。あり得ない話ですよ。これ、行政全体に関わる信頼性の問題だと言わなければならないと思います。
この問題、引き続きやりたいと思いますので、またよろしくお願いします。
富山局次長、矢野さん、退席していただいて結構です。ありがとうございました。
○委員長(斎藤嘉隆君) 矢野官房長、富山次長、御退席いただいて結構です。ありがとうございました。
○辰巳孝太郎君 法案に入りたいと思います。
生産性向上特別措置法案で導入される規制のサンドボックスについてお聞きをしたいと思います。
大臣は、これは分野の限定がないんだと、分野の限定がないのは日本以外にないということも認められております。そして、道路運送法で白タク行為として禁止されるライドシェアについても申請が可能であることを認めておられます。これ、重大だと思うんですね。
具体的に聞きたいと思うんですが、国交省、なぜライドシェアは日本で認められないのか、これをお答えください。
○政府参考人(早川治君) お答えいたします。
国土交通省といたしましては、自動車による旅客の運送において、安全、安心の確保が最重要の課題と認識をいたしております。
自家用車を用いたいわゆるライドシェアにつきましては、運行管理や車両整備等について責任を負う主体を置かないままに自家用車のドライバーのみが運送責任を負う形態を前提といたしております。国土交通省といたしましては、このような形態の旅客運送を有償で行うことは、安全の確保、利用者の保護等の観点から問題があり、極めて慎重な検討が必要と考えております。
○辰巳孝太郎君 法令に違反するということなんですね。
済みません、航空局の次長も退席していただいて結構です。ありがとうございました。
○委員長(斎藤嘉隆君) 航空局和田次長、御退席いただいて結構です。
○辰巳孝太郎君 そこで、この間議論されているウーバーなどのライドシェア事業者が日本で白タク営業を行うためにこの規制のサンドボックスを用いて計画を申請する場合、まず、法案にあります十一条に基づいて主務大臣に申請をするということになります。
主務大臣というのは、これ具体的にはどういう大臣になるんでしょうか。
○政府参考人(糟谷敏秀君) 規制のサンドボックスであります新技術等実証制度におきまして、事業者から実証計画の申請があった場合の主務大臣でございますが、計画に記載された革新的事業活動についての事業所管大臣と当該実証に関係する規制法令に係る規制所管大臣が主務大臣になるわけであります。
○辰巳孝太郎君 ということは、仮にですよ、仮にウーバーが今道路運送法上禁止をされているライドシェアということでサンドボックスの申請をした場合は、国土交通省が規制官庁ということに、規制所管大臣と国交大臣がなるということでよろしいでしょうか。
○政府参考人(糟谷敏秀君) 実証計画の中で当該実証に関係する規制法令として道路運送法が規定をされた場合には、道路運送法の規制所管大臣ということで国土交通大臣になるというふうに考えております。
○辰巳孝太郎君 そのようにならざるを得ないと思いますね。
そして、ちょっと九条についてお聞きしたいんですね。九条には、新たな規制の特例措置の適用を受けて新技術等実証を実施をしようとする者は、主務省令で定めるところにより、主務大臣に対し、当該新たな規制の特例措置の整備を求めることができると、こういうことですが、これは要するに、今は道路運送法などで規制がされている、できないライドシェアがサンドボックスに来た場合は、特例措置の整備をすればこれが違法ではなくなって合法化されてしまうということになるんでしょうか。
○政府参考人(糟谷敏秀君) 九条でございますけれども、新たな規制の特例措置の適用を受けて新技術等実証を実施しようとする者が新たな規制の特例措置の整備を求めることができるということであります。その求めを受けた主務大臣は、その特例措置を講ずることが必要かつ適当であると認めるときは、その内容を、特例措置の内容を求めをした者に通知をするとともに、講ずることとする新たな規制の特例措置の内容を公表するものとするというふうに規定をしております。
逆に、特例措置を講ずることが必要でないと認めるとき、又は適当でないと認めるときは、遅滞なく、その旨及びその理由を当該求めをした者に通知をすることとされております。
○辰巳孝太郎君 いや、ですから、違法なものを合法にできるというものなんですね、これ。違うんですか。
○政府参考人(糟谷敏秀君) まず、この特例措置の適用でありますけれども、法律に基づいて定められている、法律を変える必要がある場合には、当然、新たな法律を出して、国会で審議をいただいて可決をされることが必要になるというふうに考えております。
政令を変える必要がある場合は政令の改正、省令を変える必要がある場合は省令の改正等、それぞれのどの部分を変えなければいけないか、どの部分の特例を設けなければいけないか、変えるべき特例措置の対象となる規制等、法令等の内容に応じた対応になるというふうに考えております。
○辰巳孝太郎君 いや、ですから、法律であれ省令であれ政令であれ、それを変えれば、今まではできなかった違法なものが合法になっていくということだと思うんですね。これ、とんでもない話だと思うんですよ。
国交省、これで国民の命と安全、守れるんですか。どうですか、国交省。
○政府参考人(早川治君) お答えいたします。
先ほど申し上げましたけれども、自家用車を用いたいわゆるライドシェアにつきましては、運行管理や車両整備等について責任を負う主体を置かないままに、自家用車のドライバーのみが運送責任を負う形態を前提としているものでございます。
国土交通省といたしましては、仮にこのような形態の旅客運送を有償で行うことを前提とした新技術等実証計画の申請があった場合には、安全の確保、利用者の保護等の観点から問題があり、極めて慎重な検討が必要と考えております。
○辰巳孝太郎君 それ以上の答弁、多分来ないと思うんですけれども、皆さんが規制されている労働時間あるいは車両規制等々、これ全部安全のためでしょう。安全のために必要だからやっているわけでしょう。だけど、それなしに、ウーバーなどのマッチング業者というのは、これ雇用関係ないわけですよ。どうやって車両の整備やりますかと、どうやって労働時間把握しますかと、これ、なかなかできないわけでしょう。これじゃ安全絶対守れない、こう言わざるを得ないと思うんですね。
この白タク事業というのは、これ安全性が確保されずに、世界各国で事故、事件が起きております。市場のルールも、社会全体の混乱が必至という状況の中で、再規制にむしろ踏み出しているのが世界の流れであります。代表的な事業者であるウーバーも世界で行き詰まっております。それを規制のサンドボックスで、規制の及ばない環境でライドシェアという実証実験をさせるということになると、これは国民の身体、生命の重大な侵害、命に関わる事態をもたらしかねないと言わなければなりません。
国交省、ニューヨークで、世界であるんですが、とりわけニューヨークでこのライドシェアの参入によって車両台数が急増している実態について、どのように把握をされていますか。
○政府参考人(早川治君) お答えいたします。
国土交通省といたしましては、ニューヨークにおけるライドシェアの状況等について把握をしてございませんけれども、ウーバーに関する報道といたしまして、ニューヨークのマンハッタン地区における二〇一四年と二〇一五年の乗客数を比較いたしまして、この間、ウーバーが約四百四万人増加をしているのに対し、タクシーの乗客数は三百六十八万人減少しているといった調査結果を示したものがあると承知しております。
○辰巳孝太郎君 これ、まさに破壊していますね。すごいですよ。
ニューヨーク・タイムズが今年の二月六日の記事で、このライドシェアの普及でタクシーの台数、タクシーというかライドシェアの車両も含めて急増して、運転手が低賃金、長時間労働で自殺をしたということを取り上げております。日本にライドシェアが入ってくれば、ニューヨークのように車両台数が全体として急増して供給過剰になる過当競争というのが生じることは、もうこれは明らかなんですね。
二〇〇二年の小泉政権下でタクシー事業の需給調整というのが撤廃をされて、新規参入や増車が自由化されるなどの規制緩和が実施された結果、タクシーの台数が増えて、運転手の賃金、労働条件が低下をして、交通事故増加などの安全運行を脅かす事態も深刻化しました。それで、規制緩和政策を見直そうという動きがこれは与野党含めて出て、二〇〇九年にはタクシー適正化・活性化法が制定をされて、一三年には都市部などの過当競争地域を国交大臣が特定地域に指定をして、減車措置に強制力を持たせるなどの規制を強化する法改正も行われたわけなんですね。これ、入れちゃったら同じこと繰り返すことになりますよ、これ、絶対。
世耕大臣、幾ら経済産業省、規制緩和するところだとはいえ、こういう労働者の賃金とか労働条件とかをずたずたにしてしまうと、これやっぱり日本の産業のためにも経済のためにも私は良くないと思います。いかがですか。
○国務大臣(世耕弘成君) いずれにしても、この法律では、まず分野を限らないということが前提になっているわけですが、実際にライドシェアのようなサービスが申請をしてきた場合は、これは特に主務大臣がきっちり安全性その他規制法令に違反していないかどうかをチェックをして、認定するかどうかということになるわけです。
ちょっとこのサンドボックスと離れて、ライドシェアの今動向を申し上げれば、例えば先ほどから特定の会社の名前を言っておられますが、その会社は今、日本のタクシー会社と逆に連携するようなアプローチも進めていますよ、今。大分、今おっしゃっているようなニューヨークの状況とかを踏まえて、少し企業も行動を変えてきている面もあります。
あるいは、ライドシェアが今本当に期待をされているのは、現に今、日本でも実験が行われていますけれども、過疎の地域ですね、公共交通、タクシーもなかなかないというようなところで、高齢者の皆さんが自分で運転できないというようなところにライドシェアを入れることによって、その人たちに移動手段が提供されるというようなことも出てきているわけであります。
いずれにしても、今回、サンドボックス制度は、御指摘のようなタクシードライバーを請負とすることで質の高い雇用を失わせる、そんなことを目的として実証を行うものではないというふうに考えています。ライドシェア事業者とタクシー会社が連携するようなことも想定をされていまして、産業の新陳代謝に寄与する可能性、あるいはタクシー会社の効率を上げていく、生産性を上げていく可能性もあるのではないかというふうに思っています。
○辰巳孝太郎君 もちろん、先ほどの個社だけではなくて、ほかの会社も、大きい会社もたくさんありますからね。これは我々としては絶対認められないというふうに思っております。
ちょっとサンドボックスから離れて、ライドシェアですけれども、ライドシェアとはまだ言えないのかもしれませんが、利用者がドライバーに対して、ガソリン代などの実費に加えて謝礼として、謝礼を名目にお金を払う、こういう業態といいますかね、マッチングサービスで出てきております。その代表的な会社がクルーという会社なんですが、国交省は、今年の四月の五日に、この相乗りアプリ、クルーに対して改善の指示を出しておられますけれども、どういう指示なんでしょうか、なぜそういう指示を出されたんでしょうか。
○政府参考人(早川治君) お答えいたします。
委員御指摘のクルーにつきましては、自家用自動車による運送において、利用者が運転者に対し実際の運送に掛かるガソリン代や道路通行料のほか、謝礼を支払う形態のものであると承知をいたしております。
道路運送法上の許可又は登録を要しない自家用自動車による運送の態様につきましては、昨年六月の規制改革実施計画や高齢者の移動手段の確保に関する検討会の中間とりまとめにおきまして、ガソリン代などのほかに一定の金額を収受することが可能な範囲を明確化することなどが求められたことを受けまして、これらを明確にするための通達を本年三月三十日に発出をいたしております。具体的には、ガソリン代などのほかに一定の金額を収受することが可能な範囲として、自発的な謝礼や仲介手数料の収受について、それぞれ取扱いの明確化を行ったところでございます。
この通達を踏まえまして、クルーに対しましては、謝礼を誘引するような表現は修正すること、それから運転者が謝礼の有無、金額により利用者を評価することがないよう、また利用者が謝礼の決定を経由しなくても決済ができるようシステムを修正すること、さらに、運転者に仲介手数料が還流しないよう防止策を講じることを求めているところでございます。
○辰巳孝太郎君 つまり、名目は謝礼なんだけれども、謝礼を誘引するようなことはやってはならないと、こういうことですね。実質の利用料になってしまうと、こういう話だと思うんですね。
先ほどちらっとありましたけれども、これはネットで決済をするわけでありますけれども、ガソリン代などの実費が走行距離などに応じてぱっと出ます。当然、それは支払わなけりゃならない。次の画面で、謝礼は幾ら払いますかという画面が出る。もちろん幾らでもいいんですけれども、五百円とか千円とか二千円とか謝礼を入れる。その画面を経ないと最後の決済ボタンを押せないというようなアプリの形式は駄目だと、こうおっしゃっているわけですよね。これ、イエスかノーかだけ。
○政府参考人(早川治君) お答えいたします。
基本的には御指摘のとおりでございまして、少しちょっと先ほど通達の内容をはしょりましたけれども、謝礼に関しては、アプリ等で仲介するサービスについて、謝礼の有無、金額による利用者の評価等を通じて謝礼の支払を促す場合は自発的な謝礼の支払とは言えず、許可又は登録を要すること、それから、仲介者が利用者から仲介手数料を収受する場合は、一部を運転者に支払うことは道路運送法違反になることなどを明確化したことを踏まえて、今のような指示、指摘をしているということでございます。
○辰巳孝太郎君 分かりました。
私が申し上げたことに加えて、利用者とドライバーが相互に点数を付ける、評価をする、これがマッチングアプリの特徴なんですけれども、その際に、ドライバーが星を幾つ付けたか、それを利用者が分かった上で謝礼をするとか、またそれの逆の場合とか、要するに、評価の寡多で謝礼が違ってきたりとか、そういうことをしてはならないと、こういう話だと思うんですね。
私、実際にこのアプリに行ってみました。ホームページには、例えばお礼をしましょうと。つまり謝礼ですね、謝礼をしましょうという言葉や、ドライバーに対して任意に謝礼をお支払いいただくことができますという文言ですね。謝礼の有無や金額は自由に設定することができます、ドライバーに、乗車した方からいただいた謝礼は全額ドライバーの方に渡されますなどの文言が見られるんですけれども、先ほどの通達に沿って考えれば、これはまずいんじゃないですか。いかがですか。
○政府参考人(早川治君) お答えいたします。
今現在、御指摘のあったようなことになりますと、その謝礼をという問題がございますので、謝礼を誘引するような表現は修正することということで申し入れているところでございます。
○辰巳孝太郎君 ですから、今日の時点でも直っていないということなんです、つまり。皆さんが、これ駄目だよ、これやっちゃうと白タク行為に当たりますよということがアプリ上ではまだ載っているということなんですよ。これ、結構重大な話なんですよ。皆さんは四月五日にその旨を伝えたけれども、いまだに直っていないと。
これ、こういうことを許していたら駄目だと思いますよ。これ、きちっと指導していただきたい。指導していただきたい。いただけますね。
○政府参考人(早川治君) お答えいたします。
先ほど申し上げましたクルーに申し入れている改善措置につきましては、実施するのに一定の期間は要するものと考えておりますけれども、あのクルーにつきましては、今後も改善を求めた事項の措置状況等について確認をいたしまして、必要に応じ適切に対応してまいりたいと考えております。
○辰巳孝太郎君 一定期間とか云々じゃないですよ。白タク行為を今やっているということですからね。これすぐに直させないと、これ、事業をやめてくださいということをちゃんと言わないと駄目ですよ。直るまで事業進むなと、これ、当然の国交省の対応だと思うんですね。これ、きっちりやっていただきたいと思います。
先ほど大臣からありましたように、ライドシェアに限って見ますと、やっぱり質の良くない労働というのが私は増えて、日本の産業のためにも良くないんじゃないかということを思っております。
このシェアリングエコノミーに関わって、もう一つ、今注目されているのが民泊であります。
昨年、民泊新法が可決をされました。本年六月の十五日から施行をされます。これは、闇民泊という話がありますけれども、民泊の事業者が届出を行って新法によって違法民泊を排除していくんだと、仲介業者もちゃんと登録してもらうんだと、こういう話であります。三月からこの事業者の登録が始まって、六月の十五日から施行ということになります。
ちょっと今現在の違法民泊の数を確認したいんですけれども、今現在の違法民泊の数はどれぐらいですか。
○政府参考人(吉永和生君) 都道府県に対しまして、旅館業法の許可を受けていない無許可営業につきまして調査を行っているところでございます。これがいわゆる違法民泊の可能性が疑われる事案になるかと思っておりますが、これは、平成二十八年度におきまして新規に把握したものが一万八百四十九件となってございます。
○辰巳孝太郎君 これ、通報があったものだけですね、確認しますけど。通報されているものだけでしょう。だから、実際にはどれぐらいあるか分からへんでしょう。実際にはもっとあるはずなんです。これ、通報されて、指導するなりなんなりしたものの数だけですから。イエスかノーかだけで。
○政府参考人(吉永和生君) 都道府県として把握しているものの件数でございます。
○辰巳孝太郎君 つまり、そういうことなんですね、通報あったものだけなんですよ。分からないほんまの闇民泊というのは、もっとその恐らく何倍も存在するということになるんですね。これらをやっぱり全て取り締まっていく、なくしていく、これ新法の立法趣旨なわけですよ。だけど、これ本当になくすことできるのかということなんですね。これ、残念ながらそうにはなりません。
今現在でも違法民泊を排除する最も原始的であり効果的な方法は、民泊仲介業者のサイトに今認められている、今現在ですよ、認められている民泊というのは、簡易宿所を取るか、あとは特区民泊、この二つなんですね、多くは。この二つは都道府県がこれ許可出しているわけですから、この許可出しているところだけ仲介サイトに載せるという方法、そしてあとは全部載せないということをやれば、違法民泊なくなります。すぐになくすことができますね。
実際にはそうなっておりません。実際、最大手のエアビーアンドビーというところは、五万件を超える、いわゆる、日本だけですよ、これ登録の事業者やっております。ところが、そんなにないわけですからね、実際。ほとんどが違法民泊なんですね。
国は、この民泊仲介業者に対してこれ排除せいと、排除せいと、特区民泊、簡易宿所以外は。こういう指導は行ってきたんでしょうか。
○政府参考人(秡川直也君) お答えいたします。
平成二十八年の四月以降、外国のインターネット仲介事業者に対しまして、自社のサイトに物件を登録しているホスト、登録している事業者ですね、に向けて、旅館業法の許可取得等を呼びかけるように厚生労働省と観光庁の連名で文書で要請をしたところでございます。
また、住宅宿泊事業法においては、住宅宿泊仲介業を営む者につきまして、海外の事業者を含めて観光庁長官の登録ということを義務付けてございます。この登録に際しましては、違法物件を扱っていないことを確認するとともに、登録の後におきましても、届出の有無を確認することなく仲介行為を行うことを禁止しておりまして、これに違反した場合には業務改善命令、業務の停止請求等ができることとなっております。
これを踏まえて、仲介サイト運営事業者に対しまして、旅館業法上の許可あるいは住宅宿泊事業法上の届出を行うなどその適法性が確認できないような掲載物件につきましては、住宅宿泊事業法の施行日、六月十五日までにサイトから削除するように昨年の十二月二十六日に通知をしております。
○辰巳孝太郎君 いや、だから、それが駄目なんですよ。全然効果を生んでいないんですもん。そうでしょう。そのまま載っているんでしょう。皆さんのその指導というのは、六月十五日までに取り除けばええという話なんですよ。そうじゃないんですよ。今だって去年だっておととしだって、特区民泊あるいは簡易宿所を取っていないのはその時点で違法民泊だから、その時点で排除する措置をとれということをやらなあかんわけです。皆さんは言ってきたかもしれないけれども、本気で取り組んでいないからこそ今でもずっと違法民泊があるんですよ。
これ、実は大変な問題引き起こしますよ。大阪の民泊においても違法民泊で女性が殺害される事件も起こりましたけれども、大変な問題、これから出てきます。ちょっと後で言いますけれども、これ大体民泊新法の十八条には、これ条例で規制できるということも盛り込まれておりますね。レクで聞いたところ、四十四の自治体で既に規制の条例ができているということであります。
一つ取り上げたいのは、軽井沢町は通年でこの町内での全面禁止を求めております。なぜかといいますと、軽井沢ブランドを守るためやと、こう言うんですね。しかし、規制権限がある県の条例では制限は部分的だと。ですから、町から、軽井沢から悲鳴の声が出されているわけですね。大体、国が示した運用指針では、これ自治体全域や通年での民泊規制というのは適切ではないと、やっぱりここがあるから県でも全部できないわけですよ。だけど、地元の軽井沢の人たちはこれ全部やってくれと、こう言っているわけですね。
世耕大臣にお聞きしたいんですね。
大臣、これ軽井沢ブランドですよ、まさに。大臣行かれるかはよう分かりませんけれどもね。これ、やっぱり町の長年の努力で形成されてきたブランドというのは、環境資源であり、あるいはそこにある宿泊施設、これもまさにそこのブランドであり、町そのものの風情や雰囲気というのが守られてこそやっぱり軽井沢だという矜持が地元の人にはあるわけなんですね。この築き上げてきたものを破壊されるという懸念があるわけなんですよ。
規制緩和規制緩和と言うんですけれども、このまま全面解禁、まあ一部は制限されるということになるかもしれませんが、これ誰も得しないんじゃないかと思うんですよ。これ、大臣、どうですか。
○国務大臣(世耕弘成君) 軽井沢は、例えば建築規制とか、あるいは辰巳議員がお詳しいスナックもここは駄目なんですね。カラオケもありません。そういう意味で、独自のこの町の雰囲気をつくっているというのはあると思います。
だから、そういうことを民泊新法でも一定程度その自治体の独自の取組というのを認めているんではないかというふうに思います。
○辰巳孝太郎君 まあスナックの話が出ましたけれども、また行きたいと思いますけれどもね。
ここからが問題です、ここからが。これからが問題なんです。新法が六月十五日に施行されるんだと。ところが、ほとんどの違法民泊というのは仲介サイトから排除をされておりません。一方で、三月から既に新法に向けた届出というのがスタートをしております。これ、届出は何件ぐらいありますか、今の段階で。
○政府参考人(秡川直也君) お答え申し上げます。
先生御指摘のとおりで、三月の十五日から民泊新法に基づきます各事業の届出や登録の受付が始まってございます。
四月十三日の時点で観光庁で把握しておりますところは、住宅宿泊事業の届出の受付は二百三十二件ということで……(発言する者あり)はい、二百三十二件。
○辰巳孝太郎君 たった二百三十二ですよ。これに登録していないと、あるいは簡易宿所じゃないと、六月十五日からは人泊めちゃ駄目なんですよ。だけど、登録、今の段階で二百三十二しかないんですよ。これ、どうします。どうします、本当に。
今、違法な物件、事業者もあります。だけど、それはどんどん契約しているわけですよ。宿泊事業ですから、外国の方は三か月後とか四か月、半年後の予約、民泊をしているでしょう。だけど、六月十五日を境に、その民泊の事業者が登録をしていなければ、これ泊めさせることはできないんですよ、違法になりますから。当然、この仲介しているエアビーで、まあまあ、仲介業者もそれを契約させたらあかんわけですよ。だけど、外国の方来られるんですよ。違法民泊ですよ。これ、どないなりますの。どうしますの。
○政府参考人(秡川直也君) 今先生御指摘のようなケースが起こる可能性はあると思うんですけれども、そういう場合は宿泊予約の取消しということになると思います。一般的には、その仲介業者と宿泊者間の契約内容に基づいて仲介業者が必要な対応を取る、ほかの宿を確保する等のことをすると思います。
それで、いずれにしましても、国として、仲介業者が他の施設の紹介等による対応などの適切な対応を行うことができるように、法律の施行日は六月十五日となっておりますので、それまでに必要な経過期間の中でそういう御検討もしていただければというふうに思っております。
○辰巳孝太郎君 いいですか、今の段階で届出されているのが二百三十二件しかないんです。
例えば、エアビーというのは利用者数は年間四百万人と言われているんです。その大部分の人が違法民泊と契約しているんでしょう、あるいはするかもしれない。代替の施設、そんなものないですよ。ないですよ。恐らくそのまま泊めるんじゃないですか。外国の人は、だって、泊まるところなかったら困りますもん。こういう事態、可能性じゃなく大ですよ。必ず起こるんですよ。こういう事態招いたのも、皆さんがきっちりと仲介業者に元々去年あるいはその前から指導してこなかったからなんですよ。
聞きますけど、そういう事態になった場合、違法民泊、泊めると、これは当然指導の対象になりますね。なると思いますよ。だけど、やっていくわけですよ。これちょっと、例えばその仲介業者ですけど、これ違法な事業で収益を上げるということになると違法収益ということでいいですね、なりますね。
○政府参考人(秡川直也君) 違法物件を仲介した場合には法令違反ということになりますので、先ほどの業務改善命令等の対象になるということです。(発言する者あり)はい。
○辰巳孝太郎君 今、違法収益、はいという話がありましたけれども、これが必ず起こるんです。必ず起こるんです。
それと、私が最後に訴えたいのは、仮にそうではなかったとしても、このビジネスモデル、マッチングビジネスですけれども、海外の事業者なんですね、今最大手と言われているところは。これ手数料をそれぞれ取っていくわけなんですが、海外の事業者ですけれども、この民泊を仲介する海外の法人に課税できるんですか。国税庁から来てもらっていますけど、どうですか。
○政府参考人(金井哲男君) お答え申し上げます。
個別にわたる事柄についてお答えは差し控えさせていただきたいと存じますが、一般論として申し上げさせていただきますと、租税条約及び国内法令上、外国法人は、国内にサーバー等の恒久的施設を有するか否かによって課税関係が異なることとなります。
具体的に申し上げますと、外国法人が国内に恒久的施設を有しております場合には、その外国法人の事業所得に対しまして、その恒久的施設に帰属する所得について日本で法人税が課税されることとなります。他方、外国法人が国内に恒久的施設を有していない場合におきましては、その外国法人の事業所得に対して日本で法人税は課税されないこととなります。
○辰巳孝太郎君 今一般論でおっしゃっていただいたんですけれども、これ、恒久的施設というのはPE、パーマネントエスタブリッシュメントですね、こう言うんですけれども、これマッチング事業で恒久的施設ということになりますと、これは主にサーバーになりますよね。サーバーですよ、別に事務所も工場も要らないわけですから。エアビーという会社のサーバーというのはアイルランドにあります。アイルランドにありますので日本では課税はできないと、こういうことになります。
先ほどありましたけど、最後に、事業改善命令、営業停止命令を出せることにも民泊新法ではなっておりますけれども、この場合、海外の法人に対しては営業停止を課せるんですか、事業改善命令できるんですか、お答えください。
○委員長(斎藤嘉隆君) 時間が来ておりますので、簡潔にお答え願います。
○政府参考人(秡川直也君) 日本で営業する仲介事業者であれば、海外の事業者だろうと日本の事業者だろうと業務改善命令等の対象になります。
○委員長(斎藤嘉隆君) 辰巳君、時間です。
○辰巳孝太郎君 はい。
時間なので終わりますけれども、これ、サーバーがアイルランドになるということになれば、アイルランド政府にお願いをして営業停止命令を本社に出すということになるのではないかと私は思っております。
やっぱり規制緩和一つ取っても、これは全て我々否定するわけではありませんけれども、日本の産業のためにならない、雇用のためにならない、そういう規制緩和というのはこれはやっちゃ駄目だということで、引き続き審議をしてまいりたいというふうに思います。
ありがとうございました。