タクシー適正化成立 労働実態告発し賛成
タクシー適正化・活性化法改正案が20日の参院本会議で、日本共産党など賛成多数で可決、成立しました。
日本共産党の辰巳孝太郎参院議員は19日の国土交通委員会で、タクシー事業の規制緩和で供給過剰となり、運転手の長時間・低賃金労働がまん延する実態を告発。供給削減の命令措置の対象となる「特定地域」の指定など実効ある改正法の運用を求めました。
辰巳氏は、大阪で、初乗りが特に安い「下限割れ運賃」や、5000円以上の料金を半額にする極端な遠距離割引を認めた結果、運転手が長時間労働を強いられ、業界全体の労働条件と安全性を引き下げていると指摘。改善を要求しました。
法案提出者の三日月大造衆院議員(民主)は「法改正により下限割れ運賃を変更命令の対象とし是正する。長距離の過度な割引が運転者の無理を生じさせ安全性を損なうという悪循環は断ち切るべきだ。運賃ダンピングの厳格な審査を徹底する」と答えました。
2013年11月24日(日)赤旗より転載
議事録を読む
○辰已孝太郎君 日本共産党の辰已孝太郎でございます。
この間、ブラック企業という言葉が社会的にも認知をされました。一般的には、非正規雇用が今広がる中で、正社員ということを餌に大量の若者を雇用して、しかし長時間労働や過度なノルマで若者を使い捨ててしまう、これをブラック企業と言いますけれども、しかし、このタクシー業界においては、幾ら正社員ということを言ったとしてもなかなか若者が来ないという現状があります。それほどこの業界では長時間労働や、また低賃金、劣悪な労働が広がっているということでもあると思います。
二〇〇九年のタクシー適正化・活性化法、これの施行により、規制緩和から規制強化へとかじを切りました。そして、今回、それを更に踏み込んだ法案が出されております。これは非常に意義深いものであると私も思います。しかし、本当にこれが実効性のあるものになるのかどうか、これを現場の声を紹介しながら質問に移ります。
国交省の資料によりますと、大阪市域の供給量は、このタクシー適正化・活性化法施行日の二〇〇九年の十月の時点で一万五千六百九十七台でありまして、いわゆる適正車両数の上限である一万三千五百を大きく上回っておりました。今年の七月三十一日現在のデータで見ますと、この供給量の削減が進んだ結果として一万三千三百十二台となっております。
そこで、提案者に聞きますけれども、それでも大阪では実際にはまだまだ供給量が多過ぎるというのが現場の実感でありますし、労働者の収入というのも下げ止まったままになっております。本法案の趣旨に沿うためには、今回、大阪は特定地域に指定をされなければならないというふうに私は思いますけれども、この点どうでしょうか。
○衆議院議員(赤澤亮正君) 委員御案内のとおり、現時点で大阪が特定地域に指定されるかはちょっと申し上げることが残念ながらできません。したがって、本法案の特定地域の指定についての考え方を御紹介して答弁に代えさせていただきたいと思います。
本法案の特定地域においては、新規参入や増車が禁止されるとともに、強制力ある供給削減措置が導入されるなど、供給過剰を早期に解消するための効果的な措置が導入されることとなります。このような特定地域については、タクシー事業が供給過剰であると認められる場合であって、日車営収の状況あるいは法令違反などの不適正な運営の状況に照らして、供給輸送力を削減しなければ地域公共交通としての機能の十分な発揮が困難であるために、タクシー事業の適正化及び活性化を推進することが特に必要な地域と、こう規定しております。供給過剰が実際に発生していることが要件として明確に位置付けられているわけでございます。
したがって、改正後の特定地域は、現行の特定地域のうち、より厳しい客観的な基準で供給過剰が実際に発生していると認められる地域のみが指定されることを想定しておりまして、国土交通省においてそのような基準を新たに作成をし、適切に運用してもらうことが必要であると考えています。
なお、特定地域の指定に際しては、地方公共団体の長が国土交通大臣へ要請できることとされているほか、第三者による公平かつ合理的な判断を担保することを目的として、運輸審議会の諮問を経て国土交通大臣が指定する制度としております。
○辰已孝太郎君 法律の運用を本当に実効性のあるものにしていくということが大事だと思いますし、この適正車両数というものを適正に割り出していくということも大事だと思います。大阪市のようなところで特定地域に指定されないということがあっては絶対にならないと思っております。
それと、この間の議論の中で、いわゆる供給車両を規制緩和の前に戻すというようなこともよく言われておりますが、私は、このタクシーの供給過剰という問題というのは、いわゆる規制緩和以前から起こっていた現象だということも留意しておきたいと思うんですね。
九七年に規制緩和計画で適正車両数を弾力的に緩和するということになりまして、九八年にはこの基準車両数の一・二倍まで供給量が認められたと、こういう経緯があります。ですから、二〇〇〇年の大阪で見ますと、七千九百九十五台が基準車両数になっていますが、これ一・二倍まで認めるということになりますので、九千五百九十四台になるわけですね。ところが、実際はそれをも大きく上回って供給量は一万三千台ということになっていましたので、一・二倍どころか一・六倍まで、実際、規制緩和前にも認めていたということになっておりました。そんなときに規制緩和が飛び込んできたわけですから、業界の状態というのを更に急激に悪化をさせたということであります。
ですから、私は、よく規制緩和自体は間違っていなかったという話もありますけれども、特に行政の方から出されますけれども、しかし、実は規制緩和というのは規制緩和前からあったということを指摘をして、この点での行政の責任というのもあるということも言っておきたいと思います。
さて、次の質問に移りたいと思いますが、下限割れ運賃についてであります。大阪府下では、九五年当時の営業収入は一日四万三千円でありました。二〇一一年には二万七千円にまで落ち込んで、本当に苦しい状況になっております。そして、大阪特有の問題として、初乗り運賃に差があるということがあります。いわゆる下限割れの運賃でありますが、二〇一三年の十月一日現在でこの下限割れ運賃の認可を受けた事業者は、これ全国で三百七あります。そのうち近畿運輸局内のものが八十五ありまして、三割近くなっております。料金が安いということになりますと、お客さんは、利用者は集まりますけれども、しかし一方で、単価が安いために長時間労働になってしまうと。また、通常運賃で運行している業者の方は客が取られる、減ってしまうので、逆にまた長時間労働になってしまうと。下限割れ運賃が過当競争を生じさせている原因の一つであり、それが業界全体の労働条件も下げていると、これが実態だと思います。
そこで、提案者に質問をしますけれども、この下限割れ運賃がこれまで過当競争等労働条件の悪化をもたらしたことについてどのように認識をされているのかということと、そしてもう一つは、本改正でそれを改善させることができるのか、これについてお答えいただけますでしょうか。
○衆議院議員(三日月大造君) ありがとうございます。
改善するためにこの法案を提出しました。それで、より安くより良いサービスをという、そういうそれぞれの事業者の努力を否定するものではありませんけれども、タクシー事業においては、先ほど先生が御指摘していただきました供給過剰の状況と加えて、歩合制の給与というものも相まって、運賃値下げ競争と過当競争によって安全性の低下をもたらしてしまっているという状況、これを一日も早く改善すべきだということで、本法案におきましては、特定地域及び準特定地域において公定幅運賃制度というものを導入いたしまして、一定の幅の範囲内の運賃は自動的に届出が受理される一方、その幅を下回る運賃届出につきましては、下限割れ運賃として変更命令の対象として、是正をしっかりと措置してまいりたいというふうに考えております。
○辰已孝太郎君 今、公定幅運賃ということがありましたが、現在では、いわゆる上限と下限の運賃ですよね、特にこの下限の料金については適正な原価に適正な利潤を加えたものということになっております。いわゆる自動認可運賃の上限と下限の差というのは、五%から六%の間に収まっているということであります。
続けて提案者にお聞きしますが、これは確認なんですが、今回の法改正で特定又は準特定地域に指定された地域においては今度は公定幅運賃ということになりますが、その幅の決め方というのはこれまでと同様と考えていいのでしょうか。
○衆議院議員(三日月大造君) これまでと同様です。
十六条の二項に、第一号から第三号の三つの基準に適合しなければならないというふうに規定をしております。その規定、読み上げればちょっと時間になるので省略いたしますけれども、全てこれは自動認可運賃に係る審査基準を定めた道路運送法第九条の三第二項の第一号から第三号と基本的に同じ内容というふうになっております。
○辰已孝太郎君 同じ内容、同じような決め方ということでありました。
もう一つ関連して伺いますが、その大阪特有の運賃割引として、極端な遠距離割引というものがあります。これは、五千円以上の料金の部分については半額にするというものでありますが、これが大阪ではどんどん広がって、労働者にとっては長距離を走る割には運賃水揚げが少ない、また、事業者にとっては売上げが上がらないと、こういう現状になっておりまして、これが多くの業者で大阪では特に行われておりますので、各社共に消耗戦ということにもなっております。
これでは本当に十分な安全が確保できないというふうに私は思っておりますが、これも業界の抱える一つの、大阪特有の問題ではありますけれども、問題だと思いますけれども、このことについても、この遠距離割引、過度な遠距離割引について、提案者の方にひとつどのようにお考えかということもお聞きしたいと思います。
○衆議院議員(三日月大造君) 先生御指摘のとおり、タクシー業界にある慣行ですね、累進歩合制でありますとか、先ほど話題になりました運転者負担とか、加えて、先生のおっしゃった長距離の過度な割引が運転者の無理を生じさせ、かつ安全性を損なってしまっているという悪循環は断ち切るべきだというふうに考えております。
恐らく先生、運賃ダンピングについての御指摘だと思うんですけれども、これも先ほど来先生から御指摘いただいたように、適正な原価に適正な利潤を加えたもの、この割引制度というものが適正な原価に適正な利潤を加えたものということになっているかどうかをやはり一件ずつ厳格に審査をし、その適否を認めるという原則を、この法改正を機に更に徹底してまいりたいというふうに思っております。
○辰已孝太郎君 最後に、消費税の増税の影響について一言言っておきたいし、聞いておきたいと思うんですね。
これだけの規制強化というのを今回提案をされております。やはり安全運行のためには労働条件も上げなきゃいけない、適正な供給量にしなきゃいけないと、こういうことだと思うんですね。
九七年に消費税が三%から五%に上がりました。その年の大阪府下の総運送収入は、前年と比べてマイナス八・五%になりました。その翌年、九八年は前年からマイナス九・九%、翌九九年もマイナス四・四%になりまして、消費税が上がってから僅か三年の間に二割以上の収入が激減したことになりました。もちろん、その後も下がり続けているわけであります。タクシー業界というのは、景気後退の影響を一番早く受け、景気が良くなったときは一番最後に来ると、こうも言われております。
私はこれ局長にお聞きしますけれども、せっかく規制強化にかじを切っても、消費税が上がれば業界は更に苦境に立たされることになります。それでは、公共交通機関としての役割は本当に果たされなくなります。私は消費税の増税を中止するべきだと思っておりますけれども、この点いかがでしょうか。最後にお聞きして終わります。
この間、ブラック企業という言葉が社会的にも認知をされました。一般的には、非正規雇用が今広がる中で、正社員ということを餌に大量の若者を雇用して、しかし長時間労働や過度なノルマで若者を使い捨ててしまう、これをブラック企業と言いますけれども、しかし、このタクシー業界においては、幾ら正社員ということを言ったとしてもなかなか若者が来ないという現状があります。それほどこの業界では長時間労働や、また低賃金、劣悪な労働が広がっているということでもあると思います。
二〇〇九年のタクシー適正化・活性化法、これの施行により、規制緩和から規制強化へとかじを切りました。そして、今回、それを更に踏み込んだ法案が出されております。これは非常に意義深いものであると私も思います。しかし、本当にこれが実効性のあるものになるのかどうか、これを現場の声を紹介しながら質問に移ります。
国交省の資料によりますと、大阪市域の供給量は、このタクシー適正化・活性化法施行日の二〇〇九年の十月の時点で一万五千六百九十七台でありまして、いわゆる適正車両数の上限である一万三千五百を大きく上回っておりました。今年の七月三十一日現在のデータで見ますと、この供給量の削減が進んだ結果として一万三千三百十二台となっております。
そこで、提案者に聞きますけれども、それでも大阪では実際にはまだまだ供給量が多過ぎるというのが現場の実感でありますし、労働者の収入というのも下げ止まったままになっております。本法案の趣旨に沿うためには、今回、大阪は特定地域に指定をされなければならないというふうに私は思いますけれども、この点どうでしょうか。
○衆議院議員(赤澤亮正君) 委員御案内のとおり、現時点で大阪が特定地域に指定されるかはちょっと申し上げることが残念ながらできません。したがって、本法案の特定地域の指定についての考え方を御紹介して答弁に代えさせていただきたいと思います。
本法案の特定地域においては、新規参入や増車が禁止されるとともに、強制力ある供給削減措置が導入されるなど、供給過剰を早期に解消するための効果的な措置が導入されることとなります。このような特定地域については、タクシー事業が供給過剰であると認められる場合であって、日車営収の状況あるいは法令違反などの不適正な運営の状況に照らして、供給輸送力を削減しなければ地域公共交通としての機能の十分な発揮が困難であるために、タクシー事業の適正化及び活性化を推進することが特に必要な地域と、こう規定しております。供給過剰が実際に発生していることが要件として明確に位置付けられているわけでございます。
したがって、改正後の特定地域は、現行の特定地域のうち、より厳しい客観的な基準で供給過剰が実際に発生していると認められる地域のみが指定されることを想定しておりまして、国土交通省においてそのような基準を新たに作成をし、適切に運用してもらうことが必要であると考えています。
なお、特定地域の指定に際しては、地方公共団体の長が国土交通大臣へ要請できることとされているほか、第三者による公平かつ合理的な判断を担保することを目的として、運輸審議会の諮問を経て国土交通大臣が指定する制度としております。
○辰已孝太郎君 法律の運用を本当に実効性のあるものにしていくということが大事だと思いますし、この適正車両数というものを適正に割り出していくということも大事だと思います。大阪市のようなところで特定地域に指定されないということがあっては絶対にならないと思っております。
それと、この間の議論の中で、いわゆる供給車両を規制緩和の前に戻すというようなこともよく言われておりますが、私は、このタクシーの供給過剰という問題というのは、いわゆる規制緩和以前から起こっていた現象だということも留意しておきたいと思うんですね。
九七年に規制緩和計画で適正車両数を弾力的に緩和するということになりまして、九八年にはこの基準車両数の一・二倍まで供給量が認められたと、こういう経緯があります。ですから、二〇〇〇年の大阪で見ますと、七千九百九十五台が基準車両数になっていますが、これ一・二倍まで認めるということになりますので、九千五百九十四台になるわけですね。ところが、実際はそれをも大きく上回って供給量は一万三千台ということになっていましたので、一・二倍どころか一・六倍まで、実際、規制緩和前にも認めていたということになっておりました。そんなときに規制緩和が飛び込んできたわけですから、業界の状態というのを更に急激に悪化をさせたということであります。
ですから、私は、よく規制緩和自体は間違っていなかったという話もありますけれども、特に行政の方から出されますけれども、しかし、実は規制緩和というのは規制緩和前からあったということを指摘をして、この点での行政の責任というのもあるということも言っておきたいと思います。
さて、次の質問に移りたいと思いますが、下限割れ運賃についてであります。大阪府下では、九五年当時の営業収入は一日四万三千円でありました。二〇一一年には二万七千円にまで落ち込んで、本当に苦しい状況になっております。そして、大阪特有の問題として、初乗り運賃に差があるということがあります。いわゆる下限割れの運賃でありますが、二〇一三年の十月一日現在でこの下限割れ運賃の認可を受けた事業者は、これ全国で三百七あります。そのうち近畿運輸局内のものが八十五ありまして、三割近くなっております。料金が安いということになりますと、お客さんは、利用者は集まりますけれども、しかし一方で、単価が安いために長時間労働になってしまうと。また、通常運賃で運行している業者の方は客が取られる、減ってしまうので、逆にまた長時間労働になってしまうと。下限割れ運賃が過当競争を生じさせている原因の一つであり、それが業界全体の労働条件も下げていると、これが実態だと思います。
そこで、提案者に質問をしますけれども、この下限割れ運賃がこれまで過当競争等労働条件の悪化をもたらしたことについてどのように認識をされているのかということと、そしてもう一つは、本改正でそれを改善させることができるのか、これについてお答えいただけますでしょうか。
○衆議院議員(三日月大造君) ありがとうございます。
改善するためにこの法案を提出しました。それで、より安くより良いサービスをという、そういうそれぞれの事業者の努力を否定するものではありませんけれども、タクシー事業においては、先ほど先生が御指摘していただきました供給過剰の状況と加えて、歩合制の給与というものも相まって、運賃値下げ競争と過当競争によって安全性の低下をもたらしてしまっているという状況、これを一日も早く改善すべきだということで、本法案におきましては、特定地域及び準特定地域において公定幅運賃制度というものを導入いたしまして、一定の幅の範囲内の運賃は自動的に届出が受理される一方、その幅を下回る運賃届出につきましては、下限割れ運賃として変更命令の対象として、是正をしっかりと措置してまいりたいというふうに考えております。
○辰已孝太郎君 今、公定幅運賃ということがありましたが、現在では、いわゆる上限と下限の運賃ですよね、特にこの下限の料金については適正な原価に適正な利潤を加えたものということになっております。いわゆる自動認可運賃の上限と下限の差というのは、五%から六%の間に収まっているということであります。
続けて提案者にお聞きしますが、これは確認なんですが、今回の法改正で特定又は準特定地域に指定された地域においては今度は公定幅運賃ということになりますが、その幅の決め方というのはこれまでと同様と考えていいのでしょうか。
○衆議院議員(三日月大造君) これまでと同様です。
十六条の二項に、第一号から第三号の三つの基準に適合しなければならないというふうに規定をしております。その規定、読み上げればちょっと時間になるので省略いたしますけれども、全てこれは自動認可運賃に係る審査基準を定めた道路運送法第九条の三第二項の第一号から第三号と基本的に同じ内容というふうになっております。
○辰已孝太郎君 同じ内容、同じような決め方ということでありました。
もう一つ関連して伺いますが、その大阪特有の運賃割引として、極端な遠距離割引というものがあります。これは、五千円以上の料金の部分については半額にするというものでありますが、これが大阪ではどんどん広がって、労働者にとっては長距離を走る割には運賃水揚げが少ない、また、事業者にとっては売上げが上がらないと、こういう現状になっておりまして、これが多くの業者で大阪では特に行われておりますので、各社共に消耗戦ということにもなっております。
これでは本当に十分な安全が確保できないというふうに私は思っておりますが、これも業界の抱える一つの、大阪特有の問題ではありますけれども、問題だと思いますけれども、このことについても、この遠距離割引、過度な遠距離割引について、提案者の方にひとつどのようにお考えかということもお聞きしたいと思います。
○衆議院議員(三日月大造君) 先生御指摘のとおり、タクシー業界にある慣行ですね、累進歩合制でありますとか、先ほど話題になりました運転者負担とか、加えて、先生のおっしゃった長距離の過度な割引が運転者の無理を生じさせ、かつ安全性を損なってしまっているという悪循環は断ち切るべきだというふうに考えております。
恐らく先生、運賃ダンピングについての御指摘だと思うんですけれども、これも先ほど来先生から御指摘いただいたように、適正な原価に適正な利潤を加えたもの、この割引制度というものが適正な原価に適正な利潤を加えたものということになっているかどうかをやはり一件ずつ厳格に審査をし、その適否を認めるという原則を、この法改正を機に更に徹底してまいりたいというふうに思っております。
○辰已孝太郎君 最後に、消費税の増税の影響について一言言っておきたいし、聞いておきたいと思うんですね。
これだけの規制強化というのを今回提案をされております。やはり安全運行のためには労働条件も上げなきゃいけない、適正な供給量にしなきゃいけないと、こういうことだと思うんですね。
九七年に消費税が三%から五%に上がりました。その年の大阪府下の総運送収入は、前年と比べてマイナス八・五%になりました。その翌年、九八年は前年からマイナス九・九%、翌九九年もマイナス四・四%になりまして、消費税が上がってから僅か三年の間に二割以上の収入が激減したことになりました。もちろん、その後も下がり続けているわけであります。タクシー業界というのは、景気後退の影響を一番早く受け、景気が良くなったときは一番最後に来ると、こうも言われております。
私はこれ局長にお聞きしますけれども、せっかく規制強化にかじを切っても、消費税が上がれば業界は更に苦境に立たされることになります。それでは、公共交通機関としての役割は本当に果たされなくなります。私は消費税の増税を中止するべきだと思っておりますけれども、この点いかがでしょうか。最後にお聞きして終わります。