政府・与党一体で「森友」隠し 資料の“検閲”を当然視/辰巳孝太郎議員(4/20参国交)
2017年04月20日
以下に議事録を掲載します
193-参-国土交通委員会-010号 2017年04月20日
○辰巳孝太郎君 日本共産党の辰巳孝太郎です。
森友問題についてお聞きします。今日は、資料提出の在り方についても聞いてまいります。
財務省の説明では、今日資料一に付けました九・九メートルのくい打ちを行ったときにごみが出てきたと、その後七か所の試掘を行って、そのうちの一か所に三・八メートルまでごみがあったとして、くい打ち以外のところについてその三・八メートルまで補償したと、つまり値引きをしたということであります。
財務省に確認しますが、この三・八メートルの根拠となった試掘、これ、資料では七か所になっていますが、それで間違いないですか。
○政府参考人(佐川宣寿君) お答え申し上げます。
三月三十日に試掘の状況を確認した資料として今委員御提出のこの一枚目の紙がございますが、ここで試掘の箇所について七か所ということになってございますが、先日、今月のこの国土交通委員会におきまして、国土交通省の方から、そこはその七か所ではなくて八か所でございますという答弁があったのは承知してございます。
ただ、御指摘のこの二十八年三月の近畿財務局が撮りましたこの資料でございますけれども、これは担当者、業者が試掘をした後に現地に大量の廃棄物が存在していたことを記録に残すということを目的として作成しているところでございます。
したがいまして、現実にこれどうだったかというと、担当者が現地で写真の撮影をするわけでございます。その後、執務室に戻りまして、本人の記憶に基づいて図面上に記すという作業でございまして、担当者の目的、きちんとあくまでも業者の試掘の後に大量の廃棄物があるということを記録するためでございまして、今委員御指摘の試掘の箇所数とか位置とか、そういうものについて精緻に記せていない可能性があるということについては御理解を賜りたいというふうに思います。
○辰巳孝太郎君 国会に、予算委員会に、またこういう委員会に全く間違った資料を提出していたということであります。
試掘された場所はこれ正しくないと、そういうことなんですか。場所もそうなんですか。
○政府参考人(佐川宣寿君) 今も御答弁申し上げましたが、大事なことは、業者が試掘をした後に、そこに大量の廃棄物があるということを担当者は確認に行って撮影をしているわけでございます。それが大事なんでございまして、そういう意味で、今現在、試掘の場所とか箇所数とかというものについて確認するすべもございませんけれども、そういう意味では、精緻に記せていない可能性があるということにつきましては何とか御理解を賜りたいということを御答弁申し上げたわけでございます。
○辰巳孝太郎君 場所がそんなに問題ではないというのはとんでもない話ですよ。三・八メートルの根拠となっているんですよ。ごみの算定の根拠となっているんです。このグラウンドは、ごみがあるところとないところ、それぞれあるんです。皆さんそれも調査されているんですよ、以前に。ここからごみが出たのか、本当に出たのか出なかったのか。これ、場所がどうでもええんだということになれば、この資料、何でそもそも出したんですか、おかしいじゃないですか。
国交省、四月六日ですか、皆さん確認をされていますね。これ、場所が違うということを国交省は当初から分かっていたはずですよ。どうですか。
○政府参考人(佐藤善信君) まず事実関係を申し上げますと、平成二十八年四月五日に大阪航空局の職員が近畿財務局職員と一緒に実際にその現場を確認をいたしまして、その際に、同席をしておりました森友学園関係者、これは設計事業者でございますけれども、この事業者から説明を受けたということでございます。後日、その設計事業者から試掘場所を図示した図面の提供を受けたというのがまず事実関係でございます。(発言する者あり)
それから、その点でございますけど、間違っているかどうかということでございますけれども、国交省の担当者、これは私の部下でございますけれども、具体的にいつからこの試掘箇所の違いに気が付いていたのかということを確認をいたしましたところ、いつからかということは記憶をしていないということでございましたけれども、いずれにいたしましても、委員からの資料要求については真摯に対応しているところだということでございます。
○辰巳孝太郎君 国交省、正しい試掘の場所を地図に落として示していただけますか。
○政府参考人(佐藤善信君) 先ほども申し上げましたですが、平成二十八年四月五日以降、これは四月十四日までということなんですけれども、その間に工事関係者から試掘場所を図示した図面の提供を受けたということでございます。これは工事関係者の持ち物でございますので、提出をするためには工事関係者の了解が必要だということでございます。
現在、工事関係者に対しまして、提出について了解を得るべく連絡を取っているところでございますけれども、まだ了解が得られていないということでございます。
○辰巳孝太郎君 大体、試掘の場所を示すのになぜ工事関係者の了解が要るのかということなんですよ。個人情報でも何でもないですよ。皆さん、それに基づいて八・二億円の値引きしたんですよ、出すの当然なんですよ。
この問題だけじゃありません。森友側に地下埋設物の除去費用として、まず一億三千二百万円の有益費が支払われております。そのうち、四千五百万円が土壌汚染対策、八千六百万円が地下埋設物の除去費用で、これが総量七百二十トンだという説明を我々は受けてきたわけです。これ、資料二に付けております。これが政府の説明ですね。
この七百二十トン、これ間違いないんですか。
○政府参考人(佐藤善信君) お答え申し上げます。
この七百二十トンというのは、この有益費関係工事によりまして、排水管やマンホール、アスファルト、コンクリート殻、これら七百二十トンを処理したということでございますので、間違いございません。
○辰巳孝太郎君 七百二十トン以外に有益費として支払っているものはないんですか。
○政府参考人(佐藤善信君) お答え申し上げます。
有益費に係る工事の内容でございますけれども、今申し上げたように、かつて住居、道路等があったことに伴う地表工作物、地中埋設物というものを撤去処分したということでございます。これは、具体的に排水管やマンホール、アスファルト、コンクリート殻、これが全部で七百二十トンということでございますが、このほか、この工事におきましては、地下埋設物の撤去処分のために必要な準備行為の一環で、本件土地に存在する樹木の伐採も行っております。また、地下埋設物の撤去をする過程で生じました濁り水を処理することにより発生をいたしました汚泥の処分ということも行っているところでございます。
○辰巳孝太郎君 樹木の撤去費用が入っているんですよ。これ、大体何トンですか。
○政府参考人(佐藤善信君) お答え申し上げます。
工事で伐採した樹木は、これは木くずとして産業廃棄物になりますので、マニフェストが残ってございます。そのマニフェストによれば、三百九十立米となってございます。これをトン、重量に換算をいたしますと約二百十四トンになると承知をしてございます。
○辰巳孝太郎君 つまり、有益費の重さでいうと、ここに示されている七百二十トンではなくて、それよりも一・三倍も多い九百三十四トン、皆さんは有益費として支払っているということなんですよ。
この資料だっておかしいじゃないですか。こういうものを国会に皆さんは提出をされてきたことであります。審議に必要な資料が全く出てこない、これも問題です。刑事訴追とは無関係の一般的な資料提出もない。
例えば、国交省はこの間、有益費のその中身について、今も少し言っていただきましたけれども、補償した項目を全て資料として出すように私は求め続けてまいりました。ところが、これらの資料について国交省や財務省は、与党の許可が得られないと出せないと、こう言ってきたわけであります。
理財局長、行政機関が一政党の許可を得ないと国会議員の資料を出せないという、これ、法的根拠を示していただきたい。
○政府参考人(佐川宣寿君) お答え申し上げます。
本件森友学園に対する国有地の処分に関しましては、二月以降、報道を始めとして国会でも様々な御議論をいただいております。それ以降、議員の方々あるいは報道関係者の方々から説明あるいは資料の提出、多数依頼をいただいてございます。こうした中で、多忙な中、お求めに対しましては可能な限り御説明を申し上げ、内容の確認を行った上での資料の提出について対応させていただいているところでございます。したがいまして、資料につきましては、提出に当たりまして不開示事由の有無の確認など内容の確認等の事務が生じますが、こうした作業を丁寧に行うということでございますので、一定の時間が要るということについては御理解をいただきたいと思います。
それから、先ほどのお話でございますが、御要求いただいている資料というのは、予算委員会におきます理事会の協議事項となっている資料につきまして、それを我々、理事会の御指示に従いながら資料の提出に向けた作業を進めております。
いずれにしましても、引き続き提出に向けた作業を進めてまいりたいというふうに考えてございます。
○辰巳孝太郎君 答えていないですよ。私は、予算委員会で、委員会で求めた資料以外のものも、一般的な資料提出を求めているのです。それも与党の許可なくしては出せないと言っているんですよ。それの法的根拠を示してください。
○政府参考人(佐川宣寿君) お答え申し上げます。
与党の了解というそのお話、委員とその財務省の担当者との間でどういう具体的なやり取りを行ったのか、その詳細は承知してございませんが、いずれにしましても、理事会でお出しするというようなその協議をされている事項につきましては、委員の方々と我々、所要のやり取りをするということは当然でございますので、そういうやり取りは行っているものと承知してございます。
いずれにしましても、資料の提出に向けて作業を進めてまいりたいというふうに考えてございます。
○辰巳孝太郎君 副大臣、どう思いますか、これ。行政機関が一政党である与党の許可なくして資料を出さないと言っているんです。これ、三権分立の観点からもおかしいと思いませんか。
○副大臣(大塚拓君) 本件、相当政治的な問題になっていますから、一般的に、与党の理事に相談するのは、もうこれ普通のことじゃないかというふうに思いますけれども。これ……(発言する者あり)そうですかね。
まあいずれにしろ、国会審議、私も予算委員会、決算委員会などでいろいろお伺いしておりますけれども、可能な限り、契約書、鑑定評価書など関連資料もお示しをするとともに、国会審議の中でも丁寧に御説明をさせていただいていると思っておりまして、当然、いろいろ、不開示事由の有無、個人情報保護の観点なども含めてこれは間違いがあってはいけないところでございますので、これはきっちり間違いのないように丁寧に作業を進めているというふうに考えてございます。
○辰巳孝太郎君 今、問題発言ですよ。問題発言ですよ。
かつて、二〇〇八年、年金問題のときに、これ、野党からの資料提供の要求に行政機関からの事前報告を与党が求めたことが大問題になったことがありました。
しかし、今回行われているのはそれだけじゃないんですよ。今回は、森友の資料に関しては与党の許可が出ないと野党には提出できないと、こう言っているんですよ。これ、与党議員による事実上の検閲であり、国会審議の形骸化ですよ。国権の最高機関であり唯一の立法府である私は国会の自殺行為だと思います。これ、副大臣、もう一回答弁してください、副大臣。
○副大臣(大塚拓君) ちょっとその担当者がどのようなお話をさせていただいたかという、詳細には私は存じませんけれども、通常の資料要求に対する、通常にいろいろお応えをするということであれば、当然、不開示事由があってはいけませんけれども、そういうところをきっちり精査をした上で丁寧に対応させていただいているというふうに思っておりますけれども、事前検閲とかそういうことではないんじゃないかと思いますけれどもね。
○辰巳孝太郎君 検閲ですよ。
具体的には、理財局の国有財産企画課長に文書の提出を求めると、与党議員に聞かなきゃならない、それで、アポが取れずに許可が取れないので資料の提出は待ってほしいと私に再三述べてまいりました。また、例えばこれ、決裁文書の部分的な提出、黒塗りだけの部分でもいいから出してくれと私が求めたことに対して、与党の許可が出ないということでこれは拒否をし続けているわけであります。こういうことが起こっているんですよ。
国交大臣、これ国交省も同じような対応をしています。このような在り方は三権分立を形骸化させるものじゃないですか。大臣、どうですか。
○国務大臣(石井啓一君) 委員が今同じようなとおっしゃいましたが、同じではないんですね。
私どもの職員が委員とどのような対応をされたか、私は承知をしておりません。仮にその与党議員の了解云々ということを発言したとするならば、その発言の趣旨は、恐らく、要求された資料を公表するか否かが理事会協議事項となっている場合に、資料公表に当たり、関係する委員の先生方に事前に説明をする必要があることを申し上げたものではないかと考えております。
○辰巳孝太郎君 理事会協議以外の資料もそう言って出してこなかったんですよ。
例えば国交省、この間、私はレクの中で貸付料の滞納があるんじゃないかということを聞いてまいりました。これ、理事会の協議なんて予算委員会でもなっていないですよ。そのことについても、与党の許可がないから出せないんだということを言い続けてきたのは国交省なんですよ。大臣、それ知らないんですか。そういうことがあるんですよ。
局長、どうですか。
○政府参考人(佐藤善信君) お答え申し上げます。
貸付料の滞納の件につきましては、ちょっと日時は詳細には私記憶してございませんけれども、委員会で委員が御質問をされる前日のレクの際にそういう求めがあったので、直ちにその日の夜に提出をしたというふうに記憶してございます。
○辰巳孝太郎君 私が求めて二週間も三週間も出してこなかったのが国交省なんですよ。質問するときになって答えたんですよ。こういう在り方が森友問題をめぐって行われているということなんですよ。これ、行政機関と与党が一緒になって森友疑惑を隠蔽すると、こういうことですよ。
これ絶対許せない、事前検閲許せないということを申し上げて、私の質問を終わります。