データ補正 報告書の説明不自然
参院予算委 締めくくり総括質疑
日本共産党の辰巳孝太郎議員は7日、参院予算委員会で締めくくり総括質疑に立ち、厚生労働省の毎月勤労統計不正で18年からデータ補正するようになった経緯をただしました。
勤労統計は2004年から、全数調査のはずの東京都分が勝手に抽出に変更されたうえに必要なデータ補正がなかったため、給与総額が実態より低く出されていました。18年1月から、ひそかにデータ補正を開始。18年の給与総額は前年同月比で大きく上ぶれしました。
特別監察委員会の報告書は18年に補正し始めた理由を、同年に中規模事業所を対象に導入した「部分入れ替え抽出」(ローテーションサンプリング)が「うまく機能しなくなる」ためとしています。
辰巳氏は「機能しなくなる」の意味を問うたのに対し、藤澤勝博政策統括官は「適切な集計ができなくなる」と答えました。これを受け辰巳氏は、「システムが動かないからでなく正確な数字が出ないから補正した。これまで不正確な数字を放置していたのに、突然、正確性を理由に補正を始めたのはおかしい」と指摘しました。
辰巳氏は「報告書の説明は不自然。意図を持って補正した疑惑がさらに深まった」として、第三者機関による調査と参考人招致を求めました。
2019年2月8日(金)赤旗より転載
議事録を読む
○辰巳孝太郎君 日本共産党の辰巳孝太郎でございます。
まず、統計不正についてお聞きします。
本来、五百人以上の事業者は全数調査であるにもかかわらず、東京では二〇〇四年からは三分の一しか行わず、補正もしていなかったと。ところが、二〇一八年の一月からは突然三倍の補正を行ったと。なぜこのタイミングで補正したのか、お答えください。
○政府参考人(藤澤勝博君) 特別監察委員会の報告書の該当項目でございますけれども、雇用・賃金福祉統計室長、当時、Fは、これまでの調査方法の問題を前任の室長から聞いて認識していた。その上で、ローテーションサンプリングの導入に伴い、一定の調査対象事業所を毎年入れ替える必要が生じるが、抽出率が年によって異なるため、東京都の分も適切に復元処理を行わなければローテーションサンプリングがうまく機能しなくなると考え、東京都についても復元処理がなされるよう、システム改修を行うとの指示を部下に行ったと述べている。この点、これまで東京都が抽出調査であったことを隠蔽しようとするまでの意図は認められなかった。
一方で、Fは、ローテーションサンプリングの導入により……(発言する者あり)
○辰巳孝太郎君 今、東京都の分も適切に復元処理を行わなければローテーションサンプルがうまく機能しなくなると考えという話がありました。
これ、東京の五百人以上の事業所を復元しないとローテーションサンプルの新しいシステムがエラーで動かないということなんですか。
○政府参考人(藤澤勝博君) お答え申し上げます。
毎月勤労統計調査の調査対象事業所につきましては、統計委員会等の意見を踏まえて、平成三十年の調査から、調査対象事業所の入替えによる調査結果の段差を小さくするために、部分的に入替えを行うローテーションサンプリングを導入することといたしました。
特別監察委員会の報告によれば、当時の担当室長が、一定の調査対象事業所を毎年入れ替える必要が生じるが、抽出率が年によって異なるため、東京都の分も適切に復元処理を行わなければローテーションサンプリングがうまく機能しなくなると考え、東京都についても復元処理がなされるよう、システム改修を行うよう指示をしたものと承知をしております。
○辰巳孝太郎君 私の質問に答えていないんです。システム上機能しないんですか。五百人以上をそのまま抽出でやったら駄目なんですか。
○政府参考人(藤澤勝博君) 失礼いたしました。
システムそのものが動かなくなるわけではありませんけれども、適切な集計ができなくなるものでございます。
○辰巳孝太郎君 つまり、これ、別にシステムはそのままでも動いていたんですよ。三倍補正しなくてもシステムそのものは動いていたのに、じゃ、なぜ二〇一八年の一月からこれいきなり復元をしたのかということなんですね。
二〇〇四年から一七年の終わりまで正確な数値は出ていなかったことをこれ担当者は知っていたのに、それまでは放置をしておいて、突然、二〇一八年の一月から真面目になって復元処理したということなんですか。
○政府参考人(藤澤勝博君) これも特別監察委員会の記載内容でございますけれども、「一方で、Fは、ローテーション・サンプリングの導入により、プログラム改修の前後で集計結果に段差が生じると予想し、要因分析を行っていたと述べているが、集計方法の変更に関する一連の対応の中で、東京都の一部の事業所に関する復元処理による影響について、「東京都分を的確に評価すると誤差は〇・二%程度であり、正直、誤差の範囲内であると思っていた」と述べており、復元処理による影響を過小評価し、これまでの調査方法の問題、さらには当該機能追加及びそれによる影響について上司への報告をせず、必要な対応を怠った。」と記載されております。
○辰巳孝太郎君 次の質問なんです。質問に答えてください。
○国務大臣(石田真敏君) 今、ローテーションサンプリングのお話が、五百人以上に、事務所についてというお話がございましたけれども、ローテーションサンプリングを行うのは三十人から四百九十九人の事業所でございまして、五百人以上はあくまでも全数調査ということになっております。
○辰巳孝太郎君 そんなことは分かっているんですよ。何で突然、二〇一八年一月から真面目になって復元しようとしたのかということなんです。システム上は、別に改修しなくても、復元しなくても動いていたということなんですよ。それ、何でですか。
○政府参考人(藤澤勝博君) 平成三十年の一月にローテーションサンプリングを行うことは既に決まっておりましたけれども、その際、ローテーションサンプリングの導入に当たって、上司への説明や必要な手続を行うことなく復元を行ったものでございます。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 速記を止めてください。
〔速記中止〕
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
○政府参考人(藤澤勝博君) お答え申し上げます。
当時の担当室長は、経過措置的に抽出率が年によって異なることとなるため、抽出調査を行っている東京都の五百人以上事業所について、適切に復元処理を行わなければローテーションサンプリングがうまく機能しなくなり、適切な集計結果とならなくなると考えたところでございます。
これで、ローテーションサンプリングの導入に合わせて復元を併せて行っているということでございます。
○辰巳孝太郎君 いいですか、ですから、それはシステム的な問題じゃないんです。要するに、正確な数字が出ないから復元をしたということでしょう。そういうことでしょう。
何で突然、二〇一八年の一月に真面目になったんかということなんですよ。つまり、ローテーションサンプリング導入に伴うシステム改修とは別の理由で復元したということなんじゃないんですか。そういうことでしょう。
では、もう聞きますよ。では、雇用・賃金福祉統計室長は、復元処理の影響についてどのように考えていたんでしょうか。
○政府参考人(藤澤勝博君) ただいまの御指摘の点は、現在、特別監察委員会で更に精査を続けているところでございます。(発言する者あり)
先ほど間違ったことを申し上げたかもしれません、大変失礼いたしました。
ただいまの点は、現在、特別監察委員会で更に精査を続けているところでございます。(発言する者あり)
特別監察委員会の報告によりますと、当時の担当室長が、一定の調査対象事業所を毎年入れ替える必要が生じるが、抽出率が年によって異なるため、東京都の分も適切に復元処理を行わなければローテーションサンプリングがうまく機能しなくなると考え、東京都についても復元処理がなされるよう、システム改修を行うよう指示をしたものと承知をしております。
現在、特別監察委員会では、先日の国会における御議論を踏まえ、事案に関連した職員等に特別監察委員会の委員のみが質問する形式での更なるヒアリングの実施など、更なる調査を行っていただいているところでございます。
○辰巳孝太郎君 影響について、二十四ページの「○ 一方で、」以降を読んでください。
○政府参考人(藤澤勝博君) 特別監察委員会の報告書を読ませていただきます。
「一方で、Fは、ローテーション・サンプリングの導入により、プログラム改修の前後で集計結果に段差が生じると予想し、要因分析を行っていたと述べているが、集計方法の変更に関する一連の対応の中で、東京都の一部の事業所に関する復元処理による影響について、「東京都分を的確に評価すると誤差は〇・二%程度であり、正直、誤差の範囲内であると思っていた」と述べており、復元処理による影響を過小評価し、これまでの調査方法の問題、さらには当該機能追加及びそれによる影響について上司への報告をせず、必要な対応を怠った。 また、Fは東京都を抽出調査としていることの影響について、後任であるIに対し、復元処理の影響は大したことはない旨の誤った認識に基づく引継ぎを行っており、結果的に、Iが平成三十(二〇一八)年一月調査以降の給与に係る数値の上振れの要因分析をする際に、東京都を抽出調査としていることの影響を考慮しなかった原因を作り出しており、不適切な対応であると認められる。」。
以上が特別監察委員会の記載でございます。
○辰巳孝太郎君 要因分析したと。毎月勤労統計にとって、〇・二%は誤差の範囲なんですか。
○政府参考人(藤澤勝博君) ただいまの〇・二%の誤差のところでございますけれども、そもそも統計上の誤差とは、標本抽出を行うことによって生じる標準誤差や、測定に伴って生ずる測定誤差などの真の値からのずれのことでございますけれども、これに対し、本来全数調査すべきところ抽出調査を行い、しかも復元を行わなかったことに伴って賃金額が低めに出たということは統計上の誤差とは性格の異なる話であり、その範囲内か否かといった御質問への回答は控えさせていただきたいと思います。
いずれにしましても、特別監察委員会の報告書にございますとおり、本事案は、統計法の趣旨に照らしても不適切な対応であり、特別監察委員会の記載にもございますように、言語道断であると考えているところでございます。
○辰巳孝太郎君 復元した結果、〇・二%の誤差が生じるだろうという要因分析をしていたんです。だけど、それはもう誤差の範囲だから大したことないといって放置したと書いてあるんです。
統計の専門家からして、〇・二%の誤差は、これは大したことない、もう見過ごしていいような誤差なんですかというのを聞いているんです。
○政府参考人(藤澤勝博君) ただいまの点は、繰り返しになりますけれども、本来全数調査すべきところ抽出調査を行い、しかも復元を行わなかったことに伴って賃金額が低めに出たということでございますけれども、それはその統計上の誤差とは性格の異なる話でございます。その範囲内か否かといった御質問への回答は差し控えさせていただきたいと思います。
○辰巳孝太郎君 専門家にとったら、これ結局、復元による影響は、サンプル入替えとベンチマークの更新で上振れしたと。これ、〇・八%のうち、復元による影響は〇・三%を占めて、これ金額でいうと八百円近くになったわけですね。
これ、統計の専門家であれば、〇・二%の上振れが勤労統計のデータにとって決して無視できないものであるということは室長は十分分かっていたはずですよ。そうじゃないですか。
○政府参考人(藤澤勝博君) 先ほど申し上げました以上のことは、現在、更に特別監察委員会で調査を行っているところでございます。
○辰巳孝太郎君 結局、復元のタイミングも復元処理の影響についても、報告書の説明は全く説得力がなく不自然であります。何らかの圧力で、あるいは意図を持って、大幅な上振れがあることを認識しながら復元をした疑惑が更に強まりました。
本当の第三者機関による解明が必要です。参考人招致も必要だということを言って私の質問を終わり、次回、森友をやります。
まず、統計不正についてお聞きします。
本来、五百人以上の事業者は全数調査であるにもかかわらず、東京では二〇〇四年からは三分の一しか行わず、補正もしていなかったと。ところが、二〇一八年の一月からは突然三倍の補正を行ったと。なぜこのタイミングで補正したのか、お答えください。
○政府参考人(藤澤勝博君) 特別監察委員会の報告書の該当項目でございますけれども、雇用・賃金福祉統計室長、当時、Fは、これまでの調査方法の問題を前任の室長から聞いて認識していた。その上で、ローテーションサンプリングの導入に伴い、一定の調査対象事業所を毎年入れ替える必要が生じるが、抽出率が年によって異なるため、東京都の分も適切に復元処理を行わなければローテーションサンプリングがうまく機能しなくなると考え、東京都についても復元処理がなされるよう、システム改修を行うとの指示を部下に行ったと述べている。この点、これまで東京都が抽出調査であったことを隠蔽しようとするまでの意図は認められなかった。
一方で、Fは、ローテーションサンプリングの導入により……(発言する者あり)
○辰巳孝太郎君 今、東京都の分も適切に復元処理を行わなければローテーションサンプルがうまく機能しなくなると考えという話がありました。
これ、東京の五百人以上の事業所を復元しないとローテーションサンプルの新しいシステムがエラーで動かないということなんですか。
○政府参考人(藤澤勝博君) お答え申し上げます。
毎月勤労統計調査の調査対象事業所につきましては、統計委員会等の意見を踏まえて、平成三十年の調査から、調査対象事業所の入替えによる調査結果の段差を小さくするために、部分的に入替えを行うローテーションサンプリングを導入することといたしました。
特別監察委員会の報告によれば、当時の担当室長が、一定の調査対象事業所を毎年入れ替える必要が生じるが、抽出率が年によって異なるため、東京都の分も適切に復元処理を行わなければローテーションサンプリングがうまく機能しなくなると考え、東京都についても復元処理がなされるよう、システム改修を行うよう指示をしたものと承知をしております。
○辰巳孝太郎君 私の質問に答えていないんです。システム上機能しないんですか。五百人以上をそのまま抽出でやったら駄目なんですか。
○政府参考人(藤澤勝博君) 失礼いたしました。
システムそのものが動かなくなるわけではありませんけれども、適切な集計ができなくなるものでございます。
○辰巳孝太郎君 つまり、これ、別にシステムはそのままでも動いていたんですよ。三倍補正しなくてもシステムそのものは動いていたのに、じゃ、なぜ二〇一八年の一月からこれいきなり復元をしたのかということなんですね。
二〇〇四年から一七年の終わりまで正確な数値は出ていなかったことをこれ担当者は知っていたのに、それまでは放置をしておいて、突然、二〇一八年の一月から真面目になって復元処理したということなんですか。
○政府参考人(藤澤勝博君) これも特別監察委員会の記載内容でございますけれども、「一方で、Fは、ローテーション・サンプリングの導入により、プログラム改修の前後で集計結果に段差が生じると予想し、要因分析を行っていたと述べているが、集計方法の変更に関する一連の対応の中で、東京都の一部の事業所に関する復元処理による影響について、「東京都分を的確に評価すると誤差は〇・二%程度であり、正直、誤差の範囲内であると思っていた」と述べており、復元処理による影響を過小評価し、これまでの調査方法の問題、さらには当該機能追加及びそれによる影響について上司への報告をせず、必要な対応を怠った。」と記載されております。
○辰巳孝太郎君 次の質問なんです。質問に答えてください。
○国務大臣(石田真敏君) 今、ローテーションサンプリングのお話が、五百人以上に、事務所についてというお話がございましたけれども、ローテーションサンプリングを行うのは三十人から四百九十九人の事業所でございまして、五百人以上はあくまでも全数調査ということになっております。
○辰巳孝太郎君 そんなことは分かっているんですよ。何で突然、二〇一八年一月から真面目になって復元しようとしたのかということなんです。システム上は、別に改修しなくても、復元しなくても動いていたということなんですよ。それ、何でですか。
○政府参考人(藤澤勝博君) 平成三十年の一月にローテーションサンプリングを行うことは既に決まっておりましたけれども、その際、ローテーションサンプリングの導入に当たって、上司への説明や必要な手続を行うことなく復元を行ったものでございます。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 速記を止めてください。
〔速記中止〕
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
○政府参考人(藤澤勝博君) お答え申し上げます。
当時の担当室長は、経過措置的に抽出率が年によって異なることとなるため、抽出調査を行っている東京都の五百人以上事業所について、適切に復元処理を行わなければローテーションサンプリングがうまく機能しなくなり、適切な集計結果とならなくなると考えたところでございます。
これで、ローテーションサンプリングの導入に合わせて復元を併せて行っているということでございます。
○辰巳孝太郎君 いいですか、ですから、それはシステム的な問題じゃないんです。要するに、正確な数字が出ないから復元をしたということでしょう。そういうことでしょう。
何で突然、二〇一八年の一月に真面目になったんかということなんですよ。つまり、ローテーションサンプリング導入に伴うシステム改修とは別の理由で復元したということなんじゃないんですか。そういうことでしょう。
では、もう聞きますよ。では、雇用・賃金福祉統計室長は、復元処理の影響についてどのように考えていたんでしょうか。
○政府参考人(藤澤勝博君) ただいまの御指摘の点は、現在、特別監察委員会で更に精査を続けているところでございます。(発言する者あり)
先ほど間違ったことを申し上げたかもしれません、大変失礼いたしました。
ただいまの点は、現在、特別監察委員会で更に精査を続けているところでございます。(発言する者あり)
特別監察委員会の報告によりますと、当時の担当室長が、一定の調査対象事業所を毎年入れ替える必要が生じるが、抽出率が年によって異なるため、東京都の分も適切に復元処理を行わなければローテーションサンプリングがうまく機能しなくなると考え、東京都についても復元処理がなされるよう、システム改修を行うよう指示をしたものと承知をしております。
現在、特別監察委員会では、先日の国会における御議論を踏まえ、事案に関連した職員等に特別監察委員会の委員のみが質問する形式での更なるヒアリングの実施など、更なる調査を行っていただいているところでございます。
○辰巳孝太郎君 影響について、二十四ページの「○ 一方で、」以降を読んでください。
○政府参考人(藤澤勝博君) 特別監察委員会の報告書を読ませていただきます。
「一方で、Fは、ローテーション・サンプリングの導入により、プログラム改修の前後で集計結果に段差が生じると予想し、要因分析を行っていたと述べているが、集計方法の変更に関する一連の対応の中で、東京都の一部の事業所に関する復元処理による影響について、「東京都分を的確に評価すると誤差は〇・二%程度であり、正直、誤差の範囲内であると思っていた」と述べており、復元処理による影響を過小評価し、これまでの調査方法の問題、さらには当該機能追加及びそれによる影響について上司への報告をせず、必要な対応を怠った。 また、Fは東京都を抽出調査としていることの影響について、後任であるIに対し、復元処理の影響は大したことはない旨の誤った認識に基づく引継ぎを行っており、結果的に、Iが平成三十(二〇一八)年一月調査以降の給与に係る数値の上振れの要因分析をする際に、東京都を抽出調査としていることの影響を考慮しなかった原因を作り出しており、不適切な対応であると認められる。」。
以上が特別監察委員会の記載でございます。
○辰巳孝太郎君 要因分析したと。毎月勤労統計にとって、〇・二%は誤差の範囲なんですか。
○政府参考人(藤澤勝博君) ただいまの〇・二%の誤差のところでございますけれども、そもそも統計上の誤差とは、標本抽出を行うことによって生じる標準誤差や、測定に伴って生ずる測定誤差などの真の値からのずれのことでございますけれども、これに対し、本来全数調査すべきところ抽出調査を行い、しかも復元を行わなかったことに伴って賃金額が低めに出たということは統計上の誤差とは性格の異なる話であり、その範囲内か否かといった御質問への回答は控えさせていただきたいと思います。
いずれにしましても、特別監察委員会の報告書にございますとおり、本事案は、統計法の趣旨に照らしても不適切な対応であり、特別監察委員会の記載にもございますように、言語道断であると考えているところでございます。
○辰巳孝太郎君 復元した結果、〇・二%の誤差が生じるだろうという要因分析をしていたんです。だけど、それはもう誤差の範囲だから大したことないといって放置したと書いてあるんです。
統計の専門家からして、〇・二%の誤差は、これは大したことない、もう見過ごしていいような誤差なんですかというのを聞いているんです。
○政府参考人(藤澤勝博君) ただいまの点は、繰り返しになりますけれども、本来全数調査すべきところ抽出調査を行い、しかも復元を行わなかったことに伴って賃金額が低めに出たということでございますけれども、それはその統計上の誤差とは性格の異なる話でございます。その範囲内か否かといった御質問への回答は差し控えさせていただきたいと思います。
○辰巳孝太郎君 専門家にとったら、これ結局、復元による影響は、サンプル入替えとベンチマークの更新で上振れしたと。これ、〇・八%のうち、復元による影響は〇・三%を占めて、これ金額でいうと八百円近くになったわけですね。
これ、統計の専門家であれば、〇・二%の上振れが勤労統計のデータにとって決して無視できないものであるということは室長は十分分かっていたはずですよ。そうじゃないですか。
○政府参考人(藤澤勝博君) 先ほど申し上げました以上のことは、現在、更に特別監察委員会で調査を行っているところでございます。
○辰巳孝太郎君 結局、復元のタイミングも復元処理の影響についても、報告書の説明は全く説得力がなく不自然であります。何らかの圧力で、あるいは意図を持って、大幅な上振れがあることを認識しながら復元をした疑惑が更に強まりました。
本当の第三者機関による解明が必要です。参考人招致も必要だということを言って私の質問を終わり、次回、森友をやります。