日本共産党 衆院比例 近畿ブロック たつみコータロー

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国会会議録

リニア中央新幹線、踏切の安全対策について質問

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以下、しんぶん「赤旗」より転載。

踏切事故の防止策を

辰巳氏 国交相「検討会設置」

 日本共産党の辰巳孝太郎議員は19日の参院国土交通委員会で、高齢者や障害者の犠牲が相次ぐ踏切事故の防止対策に本腰を入れて取り組むよう求めました。国交省によると、2013年の1年間に全国で295件の踏切事故が発生しています。

辰巳氏は、総務省の近畿管区行政評価局が同年に実施した調査で、人が時速5キロメートル(=秒速1・39メートル)で踏切道を通過することを目安にした遮断機の時間設定が「高齢者や障害者に配慮したものになっていない」とし、国交省に改善を指示したことに言及。「どのように改善措置をとったのか」とただしました。

国交省の瀧口敬二鉄道局長は、啓発活動の実施や踏切付近の高齢者施設にチラシを配布するなどの対応を行ったと答弁しました。

辰巳氏は「啓発活動や注意喚起だけでは、抜本的な対策には程遠い」と指摘し、警報が鳴ってからバー(遮断かん)が降りるまでの時間設定の目安を見直す必要があると主張。高齢化社会が到来するなかで「事故対策の検討会を立ち上げるなど、本腰を入れるべきだ」と強調しました。

太田昭宏国交相は「大事な課題である」との認識を示し、関係者を交えた検討会の設置を表明しました。

(2014年6月26日 しんぶん「赤旗」)


以下、会議録を掲載

議事録を読む

(2014年6月19日 参議院国土交通委員会)

○辰已孝太郎君 日本共産党の辰已孝太郎です。
まず、リニアについてお聞きします。
六月の五日、リニア中央新幹線に係る環境影響評価書に対する環境大臣の意見が国交省に提出をされました。幾つか抜粋をしますと、地下水位の低下、河川流量の減少及び枯渇を招き、ひいては河川の生態系に不可逆的な影響を与える可能性が高いと。また、工事の実施に伴う大気汚染、騒音・振動対策等、本事業の実施に伴う環境影響は枚挙にいとまがない。膨大な電力消費についてはどうか。こうあります。本事業の供用時には現時点で約二十七万キロワットと試算される大量のエネルギーを必要としているが、現在我が国があらゆる政策手段を講じて地球温暖化対策に取り組んでいる状況下、これほどのエネルギー需要が増加することは看過できない。これ、JR東海の評価書に対して厳しい意見が総じて述べられております。
大臣にお聞きしますけれども、大臣は本委員会で繰り返し、評価書を精査し、環境大臣の意見も勘案し、また、知事からの意見がどのように反映されているかについてもしっかり検証していくと答弁されております。この環境大臣の意見を勘案し評価書をしっかり検証するというならば、このままこの事業を認可することはできないと思いますけれども、どうでしょうか。
○国務大臣(太田昭宏君) JR東海から環境影響評価書が四月二十三日に送付されまして、そして、その日に環境省に送付をされ、そして環境影響評価法に基づいて六月五日に環境大臣の意見が国土交通省に提出されたという経過です。
リニア中央新幹線は、全長約二百八十六キロ、南アルプスの長大山岳トンネルや大深度地下トンネル等の大規模な工事が予定されている。そして、今話もありましたが、環境大臣から、大気環境、水環境、水質、地下水、水資源、土壌環境、動物、植物、生態系、人と自然との触れ合い、建設発生土、温室効果ガスなど多岐にわたる環境行政の観点からの詳細な意見をいただいたところです。
この送付を受けてから九十日以内に、環境大臣意見を勘案して国土交通大臣の意見を述べることができると、このようにされております。現在、環境大臣からの意見や、三月下旬に出されました、JR東海に対して出された知事からの意見等について精査をしているところです。
いずれにしましても、リニア中央新幹線が環境の保全について適正な配慮がなされたものとなるように対応したいというふうに思っております。
○辰已孝太郎君 環境大臣の意見では、本事業は関係する地方公共団体及び住民の理解なしに実施することは不可能であるということまで言っております。評価書が出された後も、首長から意見が全然反映されていないという声が相次いでいるなど、私は全然理解はされていないというふうに思っております。
もう一つ、これは国交省に確認をしますけれども、このリニアの工事に際して、大井川の流量減少ということが準備書でも指摘をされておりますけれども、この大井川の流量減少があった場合、この環境影響を回避できる工法の提案がJRからなければ施工を許可しないということが国交省から示されたという報道がされております。不測の事態が生じた場合でも施工の停止を命令できるということも報道されていますけれども、これについては間違いないかどうか、簡潔に。
○政府参考人(瀧口敬二君) まず、現在アセス法に基づく手続が行われておりますが、それが終了いたしますと、その後は全国新幹線鉄道整備法に基づく工事実施計画の認可という段階に入ります。この認可をする際につきましては、アセス法の三十三条の規定に従いまして、環境影響評価手続における意見などで示されました環境保全について適切な配慮がなされるものであるかどうかを審査をするということが書かれておりますので、したがいまして、この工事実施計画の認可につきましてはこの規定に従って判断をしていくということでございます。そういった制度になっているということでございます。
なお、一旦認可をした上で、実際の工事は一体どうなのかということにつきましては、これは、我々はあくまでも鉄道行政の立場からいたしますと、アセス法で示した意見、そして認可をしたときの考え方に従って、建設主体であるJR東海にそれを実行させるというのがまず第一義でございます。
したがって、それを大前提として、制度的にどうなっているのかというお尋ねについてお答えをするということで申し上げますと、鉄道事業法の今度は適用を受けることになりますので、鉄道事業法の規定といたしましては、必要により鉄道事業法に基づく事業改善命令により工事の実施方法に関する改善措置を命ずることができるといったような規定がございます。これはあくまで制度上の問題でございます。
○辰已孝太郎君 周辺住民の皆さんから大変な懸念の声が出されておりますし、大臣意見でも、最大限これ環境影響を回避、低減するとしても、なお相当な環境負荷が生じることは否めないと、こういうことが記されているわけですから、そもそもこういう事業を認可することをすべきじゃないと私は言っておきたいと思います。
最後に、大臣に確認をします。
今、二〇四五年開通予定の名古屋―大阪間をこれ前倒しをするために、建設費用を無利子でJR東海に貸し付けるべきだとか、また、国が先に建設して、後で元本分をJR東海に負担してもらったらどうかなどの声が関係団体や議員から出されておりますけれども、大臣、建設費用は全てJR東海が負担するというのが建設指示の大前提だったと思いますが、これが変わることはありませんね。
○国務大臣(太田昭宏君) リニア中央新幹線の東京―大阪間の同時開業ということに関しまして、大変強い要望が特に関西、大阪から出ていることは承知をしています。
一方、この事業におきましては、JR東海が民間企業として経営の自由や投資の自主性の確保を貫徹することが大原則との前提の下で、全額自己負担で整備するとの意向を示したことを受けまして建設の指示が行われたということです。したがって、本件に関しましては、現在の建設主体であるJR東海の考え方をよく踏まえていく必要があると思います。
なお、東京―大阪間の全線同時開業の要望に関しては、財源や地元の負担など更に検討すべき課題があると思われます。このため、要望している関係者やJR東海等における今後の対応を見守ってまいりたいと、このように考えているところです。
○辰已孝太郎君 私は何度も指摘をしてきましたが、やはり税金は投入されない、JR東海が負担するということであるから、国会での審議はほとんどされてこなかったわけです。そもそも過大な需要予測でありますし、JR東海の経営が立ち行かなくなれば国費の投入ということになります。
私は、この大前提が崩れることになれば、これは国会でもう一回審議をやり直さなければならないと思います。我々は建設に反対ですけれども、国会審議が尽くされるまで大臣には認可を出さないということを強く求めておきたいと思います。
続いて、踏切事故についてお聞きをいたします。
二〇一三年の踏切事故の件数は二百九十五件でありました。踏切事故による死者数は、この十年で平均で百二十名を超えております。
総務省近畿管区行政評価局は、二〇一三年四月から七月にかけて踏切道の安全確保を調査し、その結果に基づいて改善を国交省に指示をしております。その中にはこうあるんですね。高齢者や障害者のための安全対策、この項目の中で、人が時速五キロメートルで踏切道を通過するとしており、踏切遮断機の遮断装置の警報開始から遮断完了までの時間がこれで設定されていると、これは高齢者や障害者に配慮されたものになっていないと、こうあるわけです。
国交省はこの指摘を受けてどのように改善措置をとったのか、簡潔にお願いします。
○政府参考人(瀧口敬二君) 委員御指摘のように、総務省の近畿管区行政評価局から、昨年十月、近畿運輸局等に対しまして通知がなされております。今委員御指摘をされました調査結果を踏まえて指摘を受けておるわけでございますが、その指摘内容は、今後も春秋の全国交通安全運動や踏切事故防止キャンペーンの機会を利用するなどして、踏切通行者等に対する一層の注意喚起に努めるなど、踏切道の状況に応じた高齢者、障害者のための安全対策を関係機関と協力して推進するよう鉄道事業者を指導することというのが近畿運輸局等に対します指摘内容でございます。
これを受けまして、踏切事故防止キャンペーンというものを毎年度行っておるわけでございますが、二十五年度は管内百六十六か所の踏切道等で事故防止の啓発活動を実施いたしました。また、踏切道で立ち往生した場合等の対処方法を記載をいたしましたチラシを近畿運輸局におきましては二万枚作成をいたしまして、管内の鉄道事業者に配備をする、さらに、踏切道付近にございます高齢者の施設六か所を訪問いたしまして介護担当者に対してチラシを配付をするといったような、この指摘に対する対応を講じたところでございます。
○辰已孝太郎君 啓発活動、注意喚起をした、周知徹底したということなんですが、私はこれは抜本的な対策にはまだ程遠いと思うんですね。高齢者や障害者に配慮したものになっていないと、こういう調査結果ですから、やはり配慮したものに変えていくということが大事だと思います。
先ほど言いました警報が鳴ってバーが下りるまでの時間は、通行人が時速五キロメートルの速さで踏切を渡り切るということが目安になっているわけですね。これ本当に妥当だろうかと。これ時速ですけれども、秒速に直しますと一・三九メートルなんですよ。一秒間に、これちょっとパネル用意しましたけれども、(資料提示)一・三九メートルというのはこれぐらいの長さです、一秒間で。健常者であれば通ることはできると思います。しかし一方で、高齢者であれば、この距離を一秒間で通るのはなかなか私はできないケースもあるんじゃないかと思っておりますし、ちなみに不動産広告の駅まで徒歩何分というのは一・三三メートルなんですよ、秒速。それよりも、一・三九ですからね、やっぱりここは私は直していくべきではないかと思います。
国交省に聞きますけれども、やはり事故で犠牲になる方を一人でもなくすために、この基準自体を高齢者や車椅子利用者などの方々に合わせたものに見直す必要があるんじゃないかと思いますけど、どうでしょう。
○政府参考人(瀧口敬二君) その時速をどのように設定するのかということは、実は踏切の警報時間をどのように設定するのかということでございます。言うまでもなく、それぞれの踏切によりまして、踏切の渡る距離ですね、私どもは長さと言っておりますが、渡る距離や列車の運行形態などが異なりますので、これらに応じて、鉄道事業者がそれぞれの踏切に応じた適切な踏切の警報時間というものを設定をすることにいたしております。
警報時間を長くした場合、一体何が起こるかと申しますと、より遠くに列車があるときにも警報が鳴り始めるということになりますので、結果的に遮断時間が長くなるということを実は意味をいたします。これに伴いまして、付近の道路交通にどのような影響を与えるかということを考えなきゃならぬという問題。それから、警報が鳴り始めてもなかなか列車が来ないということを実は意味をいたしますので、逆に、こういった警報が鳴り始めても無謀にも横断を始めるというようなケースが実はございます。そういった危険性も実は指摘をされております。
したがって、警報時間だけを長くすれば全て安全になるんだというわけではないだろうということで、問題意識を持ちながら対応する必要があるだろうというように考えております。
○辰已孝太郎君 これで全て問題が解決するというふうには私も思っておりませんが、しかし、事業者に任すということでもあると思いますが、しかし、さきの総務省の調査でも、車椅子利用者の通行量を把握していたのは、これは関西の、近畿の鉄道会社五社のうち一社しかなかったと、こういう指摘もあるわけですから、やっぱりまず実情を把握していくということが何よりも大事だし、それで安全対策を講じるということが大事だと思います。
やはり問題は、鉄道事業者と国が、不幸にも事故が起こったときに行われる調査や再発防止にどれだけ真剣に取り組んでいくのかということだと思っております。これから高齢化社会が到来する中で、認知症の方がどれだけ事故に遭ったのかなどをこれ調査を広げて情報を収集するということも大事だと思います。JR東海は、列車にはねられて亡くなった認知症の男性の遺族の方に、見守りを怠ったとこれ遅延損害の賠償も行っていますけれども。
私、最後に大臣にお聞きしたいと思うんですけれども、やはり事業者に安全第一の対策を徹底させること、これも大事だと思いますが、同時に、国としてやはりこの踏切事故の調査の対象も広げていく、事故の対策の検討会なども立ち上げて対策に本腰を入れていくべきだと思いますけれども、どうでしょうか。
○国務大臣(太田昭宏君) 高齢化が進んでいく中で、この踏切事故については非常に大事な課題であるというふうに思っております。
国交省では、省内の関係部局、学識経験者、鉄道事業者、道路管理者等から成る検討の場を設置し、高齢者等の踏切事故の実態を把握するとともに、どのような対策が考えられるか検討すべく、現在準備を進めさせているところでございます。
○辰已孝太郎君 是非、一人でも多くの人がこの事故で亡くなることがないように、検討会で十分議論していただきたいと思います。
ありがとうございました。