性暴力被害支援強化を 辰巳議員「交付金少なすぎる」
![]() (写真)質問する辰巳孝太郎議員=18日、衆院総務委 |
日本共産党の辰巳孝太郎議員は18日、衆院総務委員会で質問し、性暴力被害者を支援する「ワンストップセンター」に、国が抜本的な支援を強化するよう求めました。
「ワンストップセンター」は全都道府県に52カ所あり、辰巳氏は「今、全国で窮地にたたされている」として、大阪SACHICOの事例をあげました。
SACHICOは、全国に先駆けて2010年に病院拠点型として設立。辰巳氏は「拠点を置いてきた民間病院からの協力が難しくなり、運営の縮小を迫られ相談者が激減。存続を求める署名5万人分が府に提出された」実態を紹介。友納理緒・内閣政務官は「拠点を失うことはあってはならない」と答えました。
辰巳氏はこの背景に、人件費の補助が支援員にあって医師にはない問題点を指摘。SACHICOの場合、医師と看護師の人件費は施設の持ち出しだとして「国が負担すべきだ」とただしました。
友納政務官は「今年度の交付金は昨年度2割増の6億円」と答弁。辰巳氏は、全体で6億円では「あまりにも少ない」と指摘し、国による手厚い財政支援を要求しました。
辰巳氏は、被害者がアクセスしやすく中長期的な支援につなげるため、公立・公的病院との連携や病院拠点型のワンストップ支援センターが求められていると指摘。友納政務官は「私も医療従事者。医療機関に置くことの重要性は認識している」と答弁しました。辰巳氏は、被害者救済のための根拠法策定も求めました。
2024年12月19日付「しんぶん赤旗」より引用
議事録を読む
○辰巳孝太郎君 日本共産党の辰巳孝太郎でございます。
今日は、性暴力被害者のためのワンストップセンターについて聞きます。
この間、刑法が百年ぶりに改正をされ、性犯罪の重罰化が実現をしてきましたが、そもそも被害に遭った当事者や家族が支援を求めることそのものが容易ではない現状において、全国に設置されている性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターに対する役割は増大をしております。
まず聞きますけれども、ワンストップセンターの利用者は全国で増加の一途をたどっておりますが、全国の設置数と相談件数、これをお答えください。
○政府参考人(小八木大成君) お答え申し上げます。
性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターは、被害者の意思を尊重しつつ、被害直後からの医療的支援、法的支援、心理的支援などを可能な限り一か所で提供する相談窓口でございまして、全国四十七都道府県の五十二か所に設置されてございます。
全国のワンストップ支援センターへの相談件数は、令和五年度で合計六万九千百件となっております。
○辰巳孝太郎君 今、ワンストップセンターが全国で窮地に立たされております。とりわけ、今大きな声として上がっているのが、ワンストップ支援センターの先駆として二〇一〇年以来運営してきた性暴力救援センター・大阪SACHICOの存続であります。
SACHICOというのは、名前ではなくて、セクシュアル・アソールト・クライシス・ヒーリング・インターベンション・センター・オオサカ、これの頭文字を取ったものなんですけれども、このSACHICOは全国に先駆けて、二〇一〇年、病院拠点型として稼働し、二十四時間体制のホットライン及び支援員の常駐による心のケア、産婦人科医や精神科医による診療、警察や児童相談所、弁護士、カウンセラーなどの必要な機関との連携を行って、被害直後の急性期から中長期までの総合的、包括的な被害者や家族への支援を行ってきた施設であります。
二〇一〇年度から二〇二三年度までの十四年間でSACHICOが受けた相談電話回数は五万二千百九十八件、来所延べ件数は一万四千六百十件、診療及び支援した人の実人数は三千七百二十二人にも上り、うち二十歳未満が二千百八十八人で全体の五八%を占めているということであります。
内閣府も二〇一二年に、SACHICOをモデルとして、ワンストップ支援センター設立の手引を出しております。まさに性被害救済のフロンティアとして活動してきた、稼働してきた施設がSACHICOであります。
ところが、拠点としている民間病院が、医師の働き方改革などの影響で、医師を派遣した民間病院からの協力が難しくなって運営の縮小を迫られた結果、二〇二二年度には四百六人であった相談者が二〇二三年には百二十一人と、三分の一に激減をしたわけなんです。十二月四日、五万もの存続を求める署名が大阪府に提出されるに至っております。今日はその署名を集めていただいた方も傍聴に来られているんです、存続を願う方々ですけれども。
担当大臣政務官に聞きたいんですけれども、こういう被害者救済の最も大きな力になってきたワンストップセンター、SACHICOが存続の危機にある、受け止めを聞かせていただけますか。
○大臣政務官(友納理緒君) 質問にお答えいたします。
大阪府で性暴力被害者支援の中核を担ってくださってきましたワンストップ支援センター、SACHICOにつきまして、現在、大阪府は移転先を確保すべく検討を進めているということは承知しております。
現在、全ての都道府県においてワンストップ支援センターで被害者支援ができている体制になっている中で、大阪府においてワンストップ支援センターの機能が損なわれるようなことがあってはならないと考えております。このような認識は大阪府とも共有しているところです。
内閣府としましては、大阪府に対し移転に伴う対応等に必要な情報を提供するなど、適切に対応してまいります。
○辰巳孝太郎君 政務官から今、あってはならないという答弁があったと思うんですね。そのとおりだと思うんです。それが今多くの方が望んでいることだと思うんですね。
では、必要なワンストップセンターがなぜこのような窮地に陥っているのか、何が障害となっているのかということなんですね。
一つは、今の補助金の在り方にあるということなんです。
このセンターの賃料とか、あるいは支援をしてくださっている方の人件費など、運営費というんですけれども、この運営費は国や自治体の補助があるわけなんですね。ところが、医師、看護師などの医療従事者には全く出ないんですよ、全く出ない。
例えば、施設の運営費については国が二分の一を見ます、つまり自治体が二分の一、残りを見ます。医療支援は国が三分の一、自治体が三分の二ということになっております。ここも、やはり補助を申請する自治体にも負担があるため、国への申請が十分でない実態があるということなんですね。
SACHICOの場合でいいますと、年間約二千万円の補助が入ってくるわけなんですが、全て支援員の人件費で消えるということなんです。つまり、医師や看護師の人件費は施設の持ち出しになるんですね。完全持ち出しになるわけです。ですから、今、支援者からのカンパなどでSACHICOなどは運営を支えられているということなんですね。
私が聞きたいのは、なぜこのような交付率になっているのかということなんです。SACHICOからは、せめて医師の人件費、診療費、あるいはピル代、これを国が見てもらいたいという要望がずっと出されているんですね。これは国が負担するべきじゃないでしょうか、政務官、どうですか。
○大臣政務官(友納理緒君) 御質問にお答えいたします。
性犯罪・性暴力被害者支援のための交付金についてのお尋ねかと存じます。
ワンストップ支援センターは、都道府県等が整備している相談窓口であり、内閣府は本交付金により都道府県等の取組を支援しております。
本交付金の予算につきましては、厳しい財政状況の中にありましても、各地域のニーズに合わせ、年々増加をしてまいりました。今年度は、前年度に比べ約二割の増額、総額約六億円の執行を可能とし、また、昨日成立いたしました補正予算においても二億円超を計上したところでございます。
引き続き、執行状況も見つつ、ワンストップ支援センターの運営に必要な予算額を確保できるように努めてまいります。
また、議員から御質問がありました交付金が医師の人件費に充てられないという点でございますけれども、交付金はこれまでも連携協力する医療関係者等に対する謝金、負担金に充てられるようにとしておりますので、内閣府としてはそれらの点をよりしっかりと都道府県等に周知してまいりたいと思います。なお、医療従事者につきましてですが、診療行為そのものには別の手当てがされるものであることも踏まえることも必要であると考えております。
いずれにしましても、都道府県におけるニーズをよく把握しつつ、本交付金の効果的な活用を図ってまいります。
○辰巳孝太郎君 今聞いていただいて分かるように六億円ですよ、全体で六億円しかないんですよ、この事業。余りにも少ない。二桁、三桁少ないんちゃうかと私は思うんですね。二割増と言うけれども六億円なんです。だから、医師の人件費すら見られないということなんですね。
今ありましたSACHICOでいうと、例えば、拠点としている民間病院の産婦人科外来の診療報酬というのは年間で大体一千万円ぐらいだと。三人の医師で回しているということなので、一人当たり三百三十万円の診療報酬なんですね。対してSACHICOは七十七万円の診療報酬しか入ってこない。ですから、民間病院の四分の一から五分の一なんですよ。だから、これでどうやって運営できるのか、専従の医師がつけられますかと。
ですから、今政府として、拠点病院、ここを増やそうという話をしているわけなんですけれども、どこが拠点病院に名のりを上げますか、こういう状況で。六億円ですよ、年間。余りにも少な過ぎると思うんですね。
苦境なのはSACHICOだけじゃないんです。
本年八月には、政府に対して、千葉、東京、名古屋、大阪、京都、兵庫、島根、広島などでワンストップセンターを運営する法人から施設の存続と強化のための要望書が出されております。支援のための公費負担なんですが、出どころは警察公費か政府、自治体となっておりまして、自治体独自の基準で補助基準を設定するということになっていますので、公費負担のばらつきがあるというんですね。つまり、自治体間で支援の量や質に差をつくってしまっているという実態がある。
本来なら、性被害の相談をした施設で支援を受けられる、受けられない、あるいは質や量の違いがあってはならないと思うんですが、大臣政務官、公費の負担の在り方について国がガイドラインを作るべきだと思うんですけれども、いかがですか。
○大臣政務官(友納理緒君) 御質問にお答えいたします。
ワンストップ支援センターは都道府県等が整備している相談窓口であり、それぞれの地域のリソースを生かして、それぞれの形態で設置、運営されております。このため、各センターに全国一律の対応を求めることは難しい面があることには御理解をいただきたいと思います。ただ、御質問の御趣旨はこれが問題だということだと思います。
全国のどこであっても、性犯罪、性暴力の被害に遭った方々がワンストップ支援センターから必要な支援を受けることができるように、センターの支援の質の向上を図っていくことは重要な課題であると認識しております。
このため、内閣府としましては、都道府県等への必要な情報の提供等を通じて、交付金を更に御活用いただけるように促してまいりたいと考えております。
また、二十四時間運営が難しいセンターのための夜間休日コールセンターの運営、電話相談の通話料の無料化、相談員等の研修機会の提供などの取組も併せて行い、支援内容の充実に向けて取り組んでまいります。
○辰巳孝太郎君 今、二十四時間のコールセンターというのもあるんですけれども、二十四時間のコールセンターはいいんですよ、必要なんですよ。ただ、二十四時間のコールセンターからその先につながる施設、ここが存続の危機になっているわけです。あるいは、二十四時間の医師が必要ですよね、専従の医師が必要なんですよ。そやけど、その医師が賄えないんですよ、民間病院、一般の病院では。あるいは、施設ではカンパで賄っているわけですから。そこをどうするかという議論をもっとしていかなければならないと思うんですね。
ワンストップセンターの運営については、政府自身が課題を認識しているわけなんです。二〇二二年、政府は状況調査の委託を行って、支援の在り方や運営、連携体制についての課題、これが浮き彫りになっております。どういう課題が示されているのか、示していただけますか。
○政府参考人(小八木大成君) お答え申し上げます。
お尋ねの調査では、有識者から構成される検討会で、性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターにおける支援状況等を御議論いただきました。今後の支援体制の強化に向けまして、運営の安定化、二十四時間三百六十五日体制の確保、支援員の専門性の確保、子供や多様な被害者への対応、医療機関との連携強化といった課題が指摘されたところでございます。
こうした御指摘を踏まえまして、内閣府といたしましては、引き続き、充実した支援が提供できるよう、ワンストップ支援センターの体制整備に取り組んでまいりたいと考えております。
○辰巳孝太郎君 二〇二四年の女性版骨太の方針におきまして、この支援の強化あるいは充実ということがうたわれているんですね。性犯罪、性暴力被害者に対する医療的支援の更なる充実のため、特に中長期的な関係の構築を見据えて公立病院や公的病院へのワンストップ支援センターの設置や提携を含め関係強化を図るとしています。
大臣政務官、なぜ公立病院や公的病院への設置や提携が必要だと考えているんですか。
○大臣政務官(友納理緒君) 御質問にお答えいたします。
性犯罪、性暴力の被害に遭った方々への支援において、被害直後の診察や緊急避妊薬の処方等、的確な医療的支援の提供が重要です。
医療的支援を提供するに当たりましては、性暴力被害の特性や被害者の心情を踏まえた十分な配慮が必要となることから、ワンストップ支援センターと医療機関との間に中長期的な協力関係の構築が望ましいと考えております。私自身も医療従事者ですので、医療機関との連携若しくは医療機関にワンストップ支援センターを置くことの重要性というのは認識はしております。
御指摘の女性活躍・男女共同参画の重点方針二〇二四の公立病院及び公的病院に係る記載につきましては、これらの病院の公的な性質を踏まえ、地域において中長期的な協力関係を築くことが想定され得る医療機関の例として示したものでございます。なお、協力連携いただく医療機関はこれらに限定されるものではございません。
○辰巳孝太郎君 大臣、病院での、要するに拠点型病院、ここにワンストップセンターを置くことの重要性ということを少し触れていただいたと思うんですけれども、そのとおりだと思うんですね。公的病院のその性質に鑑みて、そことの連携の強化を図ることが大事だということも分かりました。
もう一問聞きたいんですけれども、公的・公立病院の役割というのは重要だ、これはもう誰もが認識することだと思うんですけれども、ただ、ただなんですよ、総務大臣、村上大臣。公立病院に仮にワンストップセンターというのを置いたとしても、公立病院というのは、御承知のとおり、今も七割の公立病院が赤字経営、運営というふうになっているわけですね。そういう中で、公立病院でその役割が果たせるのかと。民間病院ではなかなか難しいという話がありましたけれども、公立病院で果たせるのかという声もあると思うんですよ。同時に果たさなければならないという側面があると思うんですね。ここについて、大臣、公立病院に性被害に遭われた方々の支援の拠点をつくるということに関しての大臣の所感を教えていただけますか。
○国務大臣(村上誠一郎君) 辰巳委員の問題意識についてはよく分かります。
ただ、公立病院において性犯罪・性暴力の被害者のためのワンストップ支援センターと連携する事例があることは十分承知しておりますけれども、それぞれの自治体の判断により自主的な事業等を実施されるものと認識しております。
性犯罪、性暴力の被害者に対する医療的支援の拡充に向けて、地域においてワンストップ支援センターを設置するに当たり、公立、民間を問わず、提携する医療機関に求められる役割や機能、課題とその対処法等については、先ほど来お話があった内閣府や厚生労働省においてよく検討いただきまして、総務省としても必要に応じてお話を伺って一生懸命対応していきたいと考えております。
○辰巳孝太郎君 政府の考えは、公立病院の拠点センターというのもありますけれども、なかなか民間では苦しい側面がある、ですから公的病院、公立病院の役割を発揮してほしい、中長期的な連携をしてほしいということだと思うんですけれども、さりとてなんです。
今申し上げたように、公立病院だって七割が赤字なんですよね。つまり、結局それは自治体の負担になっていくわけなんですよね。この自治体の負担や民間病院の負担をなくすためには何が必要かというと、あとはもう国の交付率を上げるしかないんですよ。先ほどあったように六億円ぐらいの、それぐらいのお金しか出していないんだから、結局自治体の負担になったり民間病院の負担になっちゃうわけなんですよ。ここの交付率を上げるために政治が汗をかかなあかんと思うんです。
大臣は財務畑ですよね、大蔵畑ですよね、おっしゃっていますよね。実は、この救援センターは根拠法がないんですよ。根拠法がないことによって、交付率、やはりなかなか制限がかかる、こういう側面があるんですね。AV被害の救済のための法律というのができましたけれども、この法律に基づいて、AVの出演被害に関しては全額を国が国庫で見るということになっているんです。私はやはり根拠法は必要じゃないかと思うんですよ、根拠法が。総務大臣、いかがですか。財務の面から、支援の強化の面から。
○国務大臣(村上誠一郎君) 根拠法とおっしゃいますけれども、先ほど来内閣府や厚生省が答えているように、そちらでまず判断していただければと思います。
それで、今委員はいろいろおっしゃるんですけれども、この問題に限らず、公立病院の赤字については我が総務省はかなり負担をしておりまして、その問題について、関連しながら、今後一生懸命検討していきたい、そういうふうに考えております。
○委員長(竹内譲君) 辰巳委員に申し上げますが、時間が参りましたので、よろしくお願いします。
○辰巳孝太郎君 はい。
まとめになりますけれども、やはり現場から出ているのは、とにかく少な過ぎ、援助が少な過ぎるということなんです。これでは性被害に遭われた方がなかなか救済されない。この施設の運営のために、総務省であれ、内閣府であれ、政府一体として取り組んでいくことを求めて、質問を終わります。
今日は、性暴力被害者のためのワンストップセンターについて聞きます。
この間、刑法が百年ぶりに改正をされ、性犯罪の重罰化が実現をしてきましたが、そもそも被害に遭った当事者や家族が支援を求めることそのものが容易ではない現状において、全国に設置されている性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターに対する役割は増大をしております。
まず聞きますけれども、ワンストップセンターの利用者は全国で増加の一途をたどっておりますが、全国の設置数と相談件数、これをお答えください。
○政府参考人(小八木大成君) お答え申し上げます。
性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターは、被害者の意思を尊重しつつ、被害直後からの医療的支援、法的支援、心理的支援などを可能な限り一か所で提供する相談窓口でございまして、全国四十七都道府県の五十二か所に設置されてございます。
全国のワンストップ支援センターへの相談件数は、令和五年度で合計六万九千百件となっております。
○辰巳孝太郎君 今、ワンストップセンターが全国で窮地に立たされております。とりわけ、今大きな声として上がっているのが、ワンストップ支援センターの先駆として二〇一〇年以来運営してきた性暴力救援センター・大阪SACHICOの存続であります。
SACHICOというのは、名前ではなくて、セクシュアル・アソールト・クライシス・ヒーリング・インターベンション・センター・オオサカ、これの頭文字を取ったものなんですけれども、このSACHICOは全国に先駆けて、二〇一〇年、病院拠点型として稼働し、二十四時間体制のホットライン及び支援員の常駐による心のケア、産婦人科医や精神科医による診療、警察や児童相談所、弁護士、カウンセラーなどの必要な機関との連携を行って、被害直後の急性期から中長期までの総合的、包括的な被害者や家族への支援を行ってきた施設であります。
二〇一〇年度から二〇二三年度までの十四年間でSACHICOが受けた相談電話回数は五万二千百九十八件、来所延べ件数は一万四千六百十件、診療及び支援した人の実人数は三千七百二十二人にも上り、うち二十歳未満が二千百八十八人で全体の五八%を占めているということであります。
内閣府も二〇一二年に、SACHICOをモデルとして、ワンストップ支援センター設立の手引を出しております。まさに性被害救済のフロンティアとして活動してきた、稼働してきた施設がSACHICOであります。
ところが、拠点としている民間病院が、医師の働き方改革などの影響で、医師を派遣した民間病院からの協力が難しくなって運営の縮小を迫られた結果、二〇二二年度には四百六人であった相談者が二〇二三年には百二十一人と、三分の一に激減をしたわけなんです。十二月四日、五万もの存続を求める署名が大阪府に提出されるに至っております。今日はその署名を集めていただいた方も傍聴に来られているんです、存続を願う方々ですけれども。
担当大臣政務官に聞きたいんですけれども、こういう被害者救済の最も大きな力になってきたワンストップセンター、SACHICOが存続の危機にある、受け止めを聞かせていただけますか。
○大臣政務官(友納理緒君) 質問にお答えいたします。
大阪府で性暴力被害者支援の中核を担ってくださってきましたワンストップ支援センター、SACHICOにつきまして、現在、大阪府は移転先を確保すべく検討を進めているということは承知しております。
現在、全ての都道府県においてワンストップ支援センターで被害者支援ができている体制になっている中で、大阪府においてワンストップ支援センターの機能が損なわれるようなことがあってはならないと考えております。このような認識は大阪府とも共有しているところです。
内閣府としましては、大阪府に対し移転に伴う対応等に必要な情報を提供するなど、適切に対応してまいります。
○辰巳孝太郎君 政務官から今、あってはならないという答弁があったと思うんですね。そのとおりだと思うんです。それが今多くの方が望んでいることだと思うんですね。
では、必要なワンストップセンターがなぜこのような窮地に陥っているのか、何が障害となっているのかということなんですね。
一つは、今の補助金の在り方にあるということなんです。
このセンターの賃料とか、あるいは支援をしてくださっている方の人件費など、運営費というんですけれども、この運営費は国や自治体の補助があるわけなんですね。ところが、医師、看護師などの医療従事者には全く出ないんですよ、全く出ない。
例えば、施設の運営費については国が二分の一を見ます、つまり自治体が二分の一、残りを見ます。医療支援は国が三分の一、自治体が三分の二ということになっております。ここも、やはり補助を申請する自治体にも負担があるため、国への申請が十分でない実態があるということなんですね。
SACHICOの場合でいいますと、年間約二千万円の補助が入ってくるわけなんですが、全て支援員の人件費で消えるということなんです。つまり、医師や看護師の人件費は施設の持ち出しになるんですね。完全持ち出しになるわけです。ですから、今、支援者からのカンパなどでSACHICOなどは運営を支えられているということなんですね。
私が聞きたいのは、なぜこのような交付率になっているのかということなんです。SACHICOからは、せめて医師の人件費、診療費、あるいはピル代、これを国が見てもらいたいという要望がずっと出されているんですね。これは国が負担するべきじゃないでしょうか、政務官、どうですか。
○大臣政務官(友納理緒君) 御質問にお答えいたします。
性犯罪・性暴力被害者支援のための交付金についてのお尋ねかと存じます。
ワンストップ支援センターは、都道府県等が整備している相談窓口であり、内閣府は本交付金により都道府県等の取組を支援しております。
本交付金の予算につきましては、厳しい財政状況の中にありましても、各地域のニーズに合わせ、年々増加をしてまいりました。今年度は、前年度に比べ約二割の増額、総額約六億円の執行を可能とし、また、昨日成立いたしました補正予算においても二億円超を計上したところでございます。
引き続き、執行状況も見つつ、ワンストップ支援センターの運営に必要な予算額を確保できるように努めてまいります。
また、議員から御質問がありました交付金が医師の人件費に充てられないという点でございますけれども、交付金はこれまでも連携協力する医療関係者等に対する謝金、負担金に充てられるようにとしておりますので、内閣府としてはそれらの点をよりしっかりと都道府県等に周知してまいりたいと思います。なお、医療従事者につきましてですが、診療行為そのものには別の手当てがされるものであることも踏まえることも必要であると考えております。
いずれにしましても、都道府県におけるニーズをよく把握しつつ、本交付金の効果的な活用を図ってまいります。
○辰巳孝太郎君 今聞いていただいて分かるように六億円ですよ、全体で六億円しかないんですよ、この事業。余りにも少ない。二桁、三桁少ないんちゃうかと私は思うんですね。二割増と言うけれども六億円なんです。だから、医師の人件費すら見られないということなんですね。
今ありましたSACHICOでいうと、例えば、拠点としている民間病院の産婦人科外来の診療報酬というのは年間で大体一千万円ぐらいだと。三人の医師で回しているということなので、一人当たり三百三十万円の診療報酬なんですね。対してSACHICOは七十七万円の診療報酬しか入ってこない。ですから、民間病院の四分の一から五分の一なんですよ。だから、これでどうやって運営できるのか、専従の医師がつけられますかと。
ですから、今政府として、拠点病院、ここを増やそうという話をしているわけなんですけれども、どこが拠点病院に名のりを上げますか、こういう状況で。六億円ですよ、年間。余りにも少な過ぎると思うんですね。
苦境なのはSACHICOだけじゃないんです。
本年八月には、政府に対して、千葉、東京、名古屋、大阪、京都、兵庫、島根、広島などでワンストップセンターを運営する法人から施設の存続と強化のための要望書が出されております。支援のための公費負担なんですが、出どころは警察公費か政府、自治体となっておりまして、自治体独自の基準で補助基準を設定するということになっていますので、公費負担のばらつきがあるというんですね。つまり、自治体間で支援の量や質に差をつくってしまっているという実態がある。
本来なら、性被害の相談をした施設で支援を受けられる、受けられない、あるいは質や量の違いがあってはならないと思うんですが、大臣政務官、公費の負担の在り方について国がガイドラインを作るべきだと思うんですけれども、いかがですか。
○大臣政務官(友納理緒君) 御質問にお答えいたします。
ワンストップ支援センターは都道府県等が整備している相談窓口であり、それぞれの地域のリソースを生かして、それぞれの形態で設置、運営されております。このため、各センターに全国一律の対応を求めることは難しい面があることには御理解をいただきたいと思います。ただ、御質問の御趣旨はこれが問題だということだと思います。
全国のどこであっても、性犯罪、性暴力の被害に遭った方々がワンストップ支援センターから必要な支援を受けることができるように、センターの支援の質の向上を図っていくことは重要な課題であると認識しております。
このため、内閣府としましては、都道府県等への必要な情報の提供等を通じて、交付金を更に御活用いただけるように促してまいりたいと考えております。
また、二十四時間運営が難しいセンターのための夜間休日コールセンターの運営、電話相談の通話料の無料化、相談員等の研修機会の提供などの取組も併せて行い、支援内容の充実に向けて取り組んでまいります。
○辰巳孝太郎君 今、二十四時間のコールセンターというのもあるんですけれども、二十四時間のコールセンターはいいんですよ、必要なんですよ。ただ、二十四時間のコールセンターからその先につながる施設、ここが存続の危機になっているわけです。あるいは、二十四時間の医師が必要ですよね、専従の医師が必要なんですよ。そやけど、その医師が賄えないんですよ、民間病院、一般の病院では。あるいは、施設ではカンパで賄っているわけですから。そこをどうするかという議論をもっとしていかなければならないと思うんですね。
ワンストップセンターの運営については、政府自身が課題を認識しているわけなんです。二〇二二年、政府は状況調査の委託を行って、支援の在り方や運営、連携体制についての課題、これが浮き彫りになっております。どういう課題が示されているのか、示していただけますか。
○政府参考人(小八木大成君) お答え申し上げます。
お尋ねの調査では、有識者から構成される検討会で、性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターにおける支援状況等を御議論いただきました。今後の支援体制の強化に向けまして、運営の安定化、二十四時間三百六十五日体制の確保、支援員の専門性の確保、子供や多様な被害者への対応、医療機関との連携強化といった課題が指摘されたところでございます。
こうした御指摘を踏まえまして、内閣府といたしましては、引き続き、充実した支援が提供できるよう、ワンストップ支援センターの体制整備に取り組んでまいりたいと考えております。
○辰巳孝太郎君 二〇二四年の女性版骨太の方針におきまして、この支援の強化あるいは充実ということがうたわれているんですね。性犯罪、性暴力被害者に対する医療的支援の更なる充実のため、特に中長期的な関係の構築を見据えて公立病院や公的病院へのワンストップ支援センターの設置や提携を含め関係強化を図るとしています。
大臣政務官、なぜ公立病院や公的病院への設置や提携が必要だと考えているんですか。
○大臣政務官(友納理緒君) 御質問にお答えいたします。
性犯罪、性暴力の被害に遭った方々への支援において、被害直後の診察や緊急避妊薬の処方等、的確な医療的支援の提供が重要です。
医療的支援を提供するに当たりましては、性暴力被害の特性や被害者の心情を踏まえた十分な配慮が必要となることから、ワンストップ支援センターと医療機関との間に中長期的な協力関係の構築が望ましいと考えております。私自身も医療従事者ですので、医療機関との連携若しくは医療機関にワンストップ支援センターを置くことの重要性というのは認識はしております。
御指摘の女性活躍・男女共同参画の重点方針二〇二四の公立病院及び公的病院に係る記載につきましては、これらの病院の公的な性質を踏まえ、地域において中長期的な協力関係を築くことが想定され得る医療機関の例として示したものでございます。なお、協力連携いただく医療機関はこれらに限定されるものではございません。
○辰巳孝太郎君 大臣、病院での、要するに拠点型病院、ここにワンストップセンターを置くことの重要性ということを少し触れていただいたと思うんですけれども、そのとおりだと思うんですね。公的病院のその性質に鑑みて、そことの連携の強化を図ることが大事だということも分かりました。
もう一問聞きたいんですけれども、公的・公立病院の役割というのは重要だ、これはもう誰もが認識することだと思うんですけれども、ただ、ただなんですよ、総務大臣、村上大臣。公立病院に仮にワンストップセンターというのを置いたとしても、公立病院というのは、御承知のとおり、今も七割の公立病院が赤字経営、運営というふうになっているわけですね。そういう中で、公立病院でその役割が果たせるのかと。民間病院ではなかなか難しいという話がありましたけれども、公立病院で果たせるのかという声もあると思うんですよ。同時に果たさなければならないという側面があると思うんですね。ここについて、大臣、公立病院に性被害に遭われた方々の支援の拠点をつくるということに関しての大臣の所感を教えていただけますか。
○国務大臣(村上誠一郎君) 辰巳委員の問題意識についてはよく分かります。
ただ、公立病院において性犯罪・性暴力の被害者のためのワンストップ支援センターと連携する事例があることは十分承知しておりますけれども、それぞれの自治体の判断により自主的な事業等を実施されるものと認識しております。
性犯罪、性暴力の被害者に対する医療的支援の拡充に向けて、地域においてワンストップ支援センターを設置するに当たり、公立、民間を問わず、提携する医療機関に求められる役割や機能、課題とその対処法等については、先ほど来お話があった内閣府や厚生労働省においてよく検討いただきまして、総務省としても必要に応じてお話を伺って一生懸命対応していきたいと考えております。
○辰巳孝太郎君 政府の考えは、公立病院の拠点センターというのもありますけれども、なかなか民間では苦しい側面がある、ですから公的病院、公立病院の役割を発揮してほしい、中長期的な連携をしてほしいということだと思うんですけれども、さりとてなんです。
今申し上げたように、公立病院だって七割が赤字なんですよね。つまり、結局それは自治体の負担になっていくわけなんですよね。この自治体の負担や民間病院の負担をなくすためには何が必要かというと、あとはもう国の交付率を上げるしかないんですよ。先ほどあったように六億円ぐらいの、それぐらいのお金しか出していないんだから、結局自治体の負担になったり民間病院の負担になっちゃうわけなんですよ。ここの交付率を上げるために政治が汗をかかなあかんと思うんです。
大臣は財務畑ですよね、大蔵畑ですよね、おっしゃっていますよね。実は、この救援センターは根拠法がないんですよ。根拠法がないことによって、交付率、やはりなかなか制限がかかる、こういう側面があるんですね。AV被害の救済のための法律というのができましたけれども、この法律に基づいて、AVの出演被害に関しては全額を国が国庫で見るということになっているんです。私はやはり根拠法は必要じゃないかと思うんですよ、根拠法が。総務大臣、いかがですか。財務の面から、支援の強化の面から。
○国務大臣(村上誠一郎君) 根拠法とおっしゃいますけれども、先ほど来内閣府や厚生省が答えているように、そちらでまず判断していただければと思います。
それで、今委員はいろいろおっしゃるんですけれども、この問題に限らず、公立病院の赤字については我が総務省はかなり負担をしておりまして、その問題について、関連しながら、今後一生懸命検討していきたい、そういうふうに考えております。
○委員長(竹内譲君) 辰巳委員に申し上げますが、時間が参りましたので、よろしくお願いします。
○辰巳孝太郎君 はい。
まとめになりますけれども、やはり現場から出ているのは、とにかく少な過ぎ、援助が少な過ぎるということなんです。これでは性被害に遭われた方がなかなか救済されない。この施設の運営のために、総務省であれ、内閣府であれ、政府一体として取り組んでいくことを求めて、質問を終わります。