改ざん処分軽すぎる 「森友」文書 辰巳議員が追及
日本共産党の辰巳孝太郎議員は22日、参院財政金融委員会で、学校法人「森友学園」への国有地売却に関わる財務省の決裁文書改ざんをめぐり、佐川宣寿前国税庁長官ら関係者の処分が軽すぎると追及しました。
財務省は、佐川氏が改ざんや交渉記録廃棄の方向性を決定づけたとして停職3カ月、中核の役割を担った中村稔総務課長を停職1カ月の処分にとどめました。
辰巳氏は、麻生太郎財務相の留任をきっかけに実名で問題の徹底解明を求めた財務局OBの思いを紹介。麻生氏が、改ざんが発覚し処分した後も佐川氏を「きわめて有能な行政官」と述べていることについて、「改ざん・隠ぺいの過程で近畿財務局職員が命を絶った。亡くなった方や遺族の思いを考えればできない発言。撤回すべきだ」と迫りました。
「行政官としての能力は否定されない」と繰り返す麻生氏を辰巳氏は厳しく批判。「不起訴になり、過去の処分事例とのバランス、社会的影響等を考慮した」と述べた麻生氏に、辰巳氏は「改ざん・隠ぺいは前代未聞の事件だ。改ざんしてもこの程度の処分しかされないと基準をつくってしまう。過去の事例と比較しても、社会的影響からも低すぎる」と強調しました。
2018年11月26日(月)赤旗より転載
議事録を読む
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森友事件について質問をいたします。
この事件においては、前代未聞の公文書の改ざん、隠蔽、そして虚偽答弁が国会で繰り返されました。民主主義の根幹を覆すほどの大事件であり、国民と国会を一年以上もだまし続けてきたわけであります。
最近、近畿財務局など地方局のOBの方々が院内集会でも、実名で今メディアなどにも出られて、この事件に関して、五十年近く勤めてきた、本当に愛すべき、全ての人生過ごしてきた仲間たちとの仕事だと、誇りを持ってやってきたその職場がこんな疑惑を持たれて、そして全然説明できない、じくじたる思いを口々に語っておられました。
佐川氏は、公文書の改ざんを事実上指示して、応接録を隠蔽をさせて、その過程で近畿財務局の職員一人が命を絶ちました。親族の方がメディアの取材に応じておられます。言われたとおりに報告書を書いたということは遺書に書いてあったと、この遺書についても、七枚か八枚か、レポート用紙に書いておりましたと、こう話しておられます。
麻生大臣にお聞きしますが、大臣は、この改ざんが発覚をして佐川氏を処分をした後も、佐川は極めて有能な行政官だとおっしゃっておられます。人が亡くなったわけであります。その原因をつくった人物を持ち上げて評価すると。私は、亡くなった人や遺族の方々の思いを考えればそういう発言はできないと思いますが、撤回すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 従来から申し上げておりますけれども、私としては佐川前長官の行政官としての能力は全て否定されるというものではないと考えております。これは度々申し上げたところです。実際、国税庁長官として、国税分野における経験を生かして職務を適切に行っていたとも考えております。
他方、文書の改ざんの問題と、これは決して許されるものではありません。特に、当時の理財局長だった佐川前長官の責任は重いと考えておりますので、六月に公表した調査結果を踏まえて佐川前長官に対して厳正な処分を行ったということがその反応であります。
○辰巳孝太郎君 結果的にこの改ざんで部下をこれだけ追い詰めた上司を、いかなる理由であっても私は有能だと評価することはおかしいと思います。
これらOBの方々は、実名で告発をされたきっかけは、最大の責任は麻生大臣にあるんだと、麻生大臣の留任、これが実名で告発をするきっかけ、原動力になったということを口々におっしゃっておられました。
これだけの事件でありながら、今回、財務省の人事異動を知って私は驚きました。公文書の改ざんや隠蔽、虚偽答弁に関与して処分を受けたが、佐川氏ではこれ停職三か月ですね、この処分。中核的な役割を果たした中村稔氏、当時総務課長は停職一か月なんですが、大臣、これ軽過ぎるんじゃないですか。
○国務大臣(麻生太郎君) 今御指摘のありましたいわゆる当時の理財局におきまして、国有財産行政の責任者であった理財局長というものが方向を決定して、その下で総務課長が関係者に方針を伝達するというなど中核的な役割を担い、担当課長、担当室長が深く関与したと、このように私どもとしては認定をいたしております。
その上で、六月に行いました処分では、人事院の方針という指針がありますので、それを参考にさせていただいて、検察当局による捜査の結果として不起訴の判断となった、他省庁を含めて過去の文書管理関係の処分事例とバランスなども勘案しなければなりませんので、それをした上で、非違行為の態様、非違行為を行った職員の職責や関与の度合い、社会的影響等々を総合的に考慮の上、処分の内容について判断したものであります。
具体的にこうした考え方に基づき、当時の理財局長には、応接録の廃棄や決裁文書の改ざんの方向性を決定付けたことなどから停職三か月相当、当時の総務課長だった一連の問題行為について中核的な役割を担っていたことなどから停職一か月とするなど、いわゆるこの事件に関連して、関与した職員には厳正な処分を実施したところと理解しております。
○辰巳孝太郎君 全く理解ができないんですね。
先ほど、不起訴になったという話がありました。刑事事件になっていない事件で、以外で、財務省が免職又は停職の処分を行った事案というのをちょっと調べてみたんですが、居酒屋タクシーというのが平成二十年にありましたけれども、公費によるタクシー利用に際して、約五年間にわたり二千円から三千円程度の現金又はクオカードを年百五十回程度受領したと。この方が処分されているんですね。これ、刑事処分にはなっていないんですよ。これで停職が三か月なんです、この居酒屋タクシーで停職が三か月なんですね。
先ほど、文書の関連での処分で釣合い取ったと言いますけど、改ざん、隠蔽、こんなことは過去にないわけですよ。前代未聞の事件で、一年以上にわたって国会をだまし続けた。社会的影響とおっしゃいますけれども、これだけ大きな社会的影響を与えた事件が森友事件なんですね。
これ結局、今回、佐川氏で三か月ですから、中核的な役割を担って近畿財務局にも改ざんを指示した当時の総務課長は停職一か月なんですから、そこまでのことをやってもこの程度の処分しかされないということに、これ結局、基準作っちゃったことになるじゃないですか。私は、過去の例と比較しても、社会的影響を勘案しても、今回の処分というのは余りにも低過ぎると言わなければならないというふうに思います。
今日、会計検査院の検査報告が出されました。これについてお聞きをいたします。六月十九日に既に中間報告を本院に提出をしておりますけれども、今回、最終的な報告書が出されたわけであります。このことについて幾つかお聞きをしたいというふうに思います。
今回の報告書の五十八ページをちょっと確認していただきたいんですが、これ、理財局長に聞きますのでね。ここでは、応接録がなぜ出されなかったのか、佐川氏は一貫して、一年未満の保存でいいので廃棄をしたんだということを国会でずっと答弁してきたわけですね。この応接録がどういう扱いを受けてきたのかということがこの報告書の五十七から五十八ページについて書かれております。
確認しますけれども、統括国有財産管理官が実はこの交渉記録については保管をしていたということが記述をされておりますけれども、この交渉記録というのはいわゆる原本ですか、あるいは手控え、いわゆる手控えなんですか、どちらですか。
○政府参考人(可部哲生君) お答え申し上げます。
森友学園との交渉記録につきましては、手控えとして職員が紙媒体で保管していたり、個人のパソコン端末に残されていたりしたものなどがあることが分かり、押収されていた文書の写しを入手するなど捜査当局の協力も得て五月二十三日に国会に提出をさせていただきました。
○辰巳孝太郎君 質問に答えていないです。この統括国有財産管理官が保有していたのは全ていわゆる原本のコピーなんですか、手控えなんですか、それを答えていただきたいんです。
つまり、これ要するに、問題になった去年の直後の話でしょう。直後に佐川氏がああいう答弁をしたと、それに合わせて、本来持っていたものが出せなくなっちゃった、こういう話なんですね。これは、財務省のそれ、報告に出ているわけですよ。
つまり、元々あったわけです。この管理官はあるなと思って、これ、手控え、あるいは原本でもいいですよ、それをそっくりそのまま保管をしていたということなんじゃないんですか。それはいかがですか。
○政府参考人(可部哲生君) お答え申し上げます。
個々の一つ一つの文書そのものについてどうであったかということをここでつまびらかに申し上げる準備はございません。
先ほど申し上げましたとおり、手控えとして残されていたもの、あるいはパソコン端末に残されていたものなどと併せて、押収された文書の写しを入手するなどして提出をさせていただいております。
○辰巳孝太郎君 会計検査院に聞きます、会計検査院。
これはどういうつもりでお書きになりましたか。手控えあるいは原本、どちらですか。どういうふうに聞いて記述しているんですか。
○説明員(腰山謙介君) お答えいたします。
会計検査院としては、原本のコピーの手控えであったと承知をしているところでございます。
○辰巳孝太郎君 手控えということなんですね。
これ、考えてみますと、結局はあったんですよ、応接録は。ですよね。佐川元局長の答弁に合わせて出せないということになった、だから廃棄をするということにしたわけです。だけど、やっぱりこれ全部廃棄しちゃ駄目だということで、手控え、つまりコピーを取っていたわけですよ。九百五十七ページですか、我々に出したやつは。
だとすれば、だとすればおかしいことが一点出てくるんです。我々がいただいた九百五十七ページの中に抜けている日があるんです。これ、二〇一四年の四月二十八日なんです。これは、理財局長自身が作っただろうと、作っただろうというふうに答弁をしています。
二〇一四年の四月二十八日というのはどういう日だったかというと、近畿財務局の職員が、余りにも森友学園の書類提出が遅いので、もう交渉を打ち切りますといって三くだり半を突き付けたその日なんです。ところが、籠池理事長が安倍昭恵さんとのスリーショットの写真を見せて、近財の職員が本省に持ち帰って相談しますと言った。まさにこれ、ターニングポイントとなるその四月の二十八日の応接録は我々のところにはないんです。だけど、この統括管理官が手控えをそっくり持っていたというんだったら、そこだけ抜けるはずがないんですよ。そうでしょう。おかしいんですよ。
四月二十八日、何でないんですか。理財局長。
○政府参考人(可部哲生君) お答えいたします。
これは前国会でも答弁をさせていただいておりますけれども、四月二十八日の交渉記録、委員御指摘のとおり、改ざん前の決裁文書の経緯にも記載されておりましたので関心を持たれるだろうというふうに当方も考えまして、特に注意をして職員からの聞き取り、あるいは個人のパソコン端末を調べ、さらに捜査当局の御協力も得て調査を行わせていただきました。残念ながら、記録は発見できなかったという経緯でございます。
○辰巳孝太郎君 会計検査院ですけど、これ検査、今言っているのは財務省の報告書に沿った話なんですけど、これ検査院は独自の調査をすべきなんです。報告書に沿ったような報告じゃ駄目なんですよ。検査院がそういう独自の調査をしたのかということが私は問われると思っているんですね。
もう一つ、国交省に聞きたいと思うんですよ。
国交省なんですが、国交省も実は応接録を持っていました。これはずっと提出されませんでした。三十枚ということで、財務省と一緒の時期に出してきたわけなんですけれども、これは報告書の中でも記述をされております。
実は、これも去年の二月早々に、大阪航空局にある応接録、相談メモを全部本省航空局に持ってきたと書いてあるんですね。こんなこと私初めて聞いたわけなんですが、これ持ってきたのは二月の何日ですか。
○政府参考人(岩崎俊一君) お答え申し上げます。
委員の御指摘を踏まえまして、現在、日付の確認を行おうとしておりますが、まだ確認できておりません。確認でき次第、御報告させていただきます。
○辰巳孝太郎君 いずれにせよ、全部持ってきた、あるもの全部持ってきたんですよ。本省に置いてあったと。これ、不思議なんです。全部あるはずなんです、航空局に。
ところが、皆さんが提出していただいた、国会にやっと提出していただいた交渉記録三十枚の中に、これまた決定的な日の交渉記録が抜けているんです。二〇一六年の三月三十日の交渉記録ですね。
この日に何が行われたのか。新たに出てきたごみに関して、航空局、森友学園、近畿財務局がこれ相談しているんですよね。その中で、工事事業者が三メートルより下からはごみはそんなに出てきていないと言っているにもかかわらず、いやいや、地下深くから出てくるというストーリーにしましょうよと口裏合わせをしているのが三月三十日でしょう。
航空局、二月、つまり去年、初質問が二月十五日、いつかは分かりませんが、とにかくこの問題が出て、全部資料を持っていったわけですよ。どこかに行くはずないんです。皆さん、新幹線か飛行機か分かりませんが、持ってきた途中にその三月三十日だけの交渉記録がどこか飛んでいったんですか。あり得ないでしょう。何でないんですか。出してくださいよ。
○政府参考人(岩崎俊一君) お答え申し上げます。
大阪航空局の当時の協議記録につきましては、既に今保存期間が過ぎておりますことから、そもそも作成されていたかどうかも含めて全てを確認することは難しい状況にはございますけれども、確認できた森友学園側との協議メモにつきましては全て提出をさせていただいておるところでございます。
その中で、平成二十八年三月三十日の会合につきましては、有益費の金額を合意することを主とした会合であったため協議メモを作成をしていなかったとのことでございまして、そもそも協議メモがなかった、作成をしていなかったということでございます。
○辰巳孝太郎君 あなた方の言い分はそうなんですね。これ、立法府を冒涜する隠蔽なんですよ、全て。公文書の改ざんも、虚偽答弁も、書類を出さないこの隠蔽も。
今回の検査院の報告見ますと、結局彼らの、国交省、財務省の言い分を載せている、調査報告そのままなぞっている程度の話のことがほとんどです。私は、検査院は独自に、つまりなぜ隠蔽されたのか、なぜ改ざんが行われたのか、これ独自の調査をしなきゃならないんですね。
そこで大事になるのが、どういう指示系統で近畿財務局の職員などに指示がされたのかということなんです。理財局は既に、財務本省と近畿財務局とのやり取りメモがあるけれどもそれは出さないということを言っていますね。会計検査院、それも含めて調査をした結果がこれなんですか。
○説明員(腰山謙介君) お答えいたします。
決裁文書の改ざんに関して認定した内容につきましては、本日、参議院予算委員会理事懇談会に御提出した資料には、おおむね、理財局においては、総務課長、国有財産企画課長及び国有財産審理室長が理財局長の方針に従い、審理室長の部下職員に指示を行って実施させるなどし、近畿財務局においては、理財局の職員が、近畿財務局管財部長、近畿財務局管財部次長及び統括国有財産管理官に指示を行って実施させるなどしたとしているなどと記載したとおりでございまして、懲戒処分の要求の検討に当たりましては、上司からの指示の有無等の背景事情を含めた事実関係についても検査して確認をしているところでございます。
○辰巳孝太郎君 財務省、これ大臣、財務省と国交省とのまだ開示がされていないやり取りのメモを国会に提出していただきたい。これ、意思決定に関わると言って出さないんですけど、意思決定に関わるからこそ、この文書が大事なんです。これは国会に提出していただきたい。大臣、いかがですか。
○政府参考人(可部哲生君) お答えいたします。
行政の組織内部あるいは組織相互間で、意思決定の過程で日常的に様々なやり取りは行っております。ただ、こうしたもの一々を逐一お示しいたしますと、率直な意見交換、議論妨げられ、将来的な意思決定にも支障が生じるおそれがあると考えられますことから、こうした資料の公表、提出といったことは差し控えるべき性質のものと考えております。
○辰巳孝太郎君 これではまだまだ真相解明に遠いということを言って、私の質問を終わります。
森友事件について質問をいたします。
この事件においては、前代未聞の公文書の改ざん、隠蔽、そして虚偽答弁が国会で繰り返されました。民主主義の根幹を覆すほどの大事件であり、国民と国会を一年以上もだまし続けてきたわけであります。
最近、近畿財務局など地方局のOBの方々が院内集会でも、実名で今メディアなどにも出られて、この事件に関して、五十年近く勤めてきた、本当に愛すべき、全ての人生過ごしてきた仲間たちとの仕事だと、誇りを持ってやってきたその職場がこんな疑惑を持たれて、そして全然説明できない、じくじたる思いを口々に語っておられました。
佐川氏は、公文書の改ざんを事実上指示して、応接録を隠蔽をさせて、その過程で近畿財務局の職員一人が命を絶ちました。親族の方がメディアの取材に応じておられます。言われたとおりに報告書を書いたということは遺書に書いてあったと、この遺書についても、七枚か八枚か、レポート用紙に書いておりましたと、こう話しておられます。
麻生大臣にお聞きしますが、大臣は、この改ざんが発覚をして佐川氏を処分をした後も、佐川は極めて有能な行政官だとおっしゃっておられます。人が亡くなったわけであります。その原因をつくった人物を持ち上げて評価すると。私は、亡くなった人や遺族の方々の思いを考えればそういう発言はできないと思いますが、撤回すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 従来から申し上げておりますけれども、私としては佐川前長官の行政官としての能力は全て否定されるというものではないと考えております。これは度々申し上げたところです。実際、国税庁長官として、国税分野における経験を生かして職務を適切に行っていたとも考えております。
他方、文書の改ざんの問題と、これは決して許されるものではありません。特に、当時の理財局長だった佐川前長官の責任は重いと考えておりますので、六月に公表した調査結果を踏まえて佐川前長官に対して厳正な処分を行ったということがその反応であります。
○辰巳孝太郎君 結果的にこの改ざんで部下をこれだけ追い詰めた上司を、いかなる理由であっても私は有能だと評価することはおかしいと思います。
これらOBの方々は、実名で告発をされたきっかけは、最大の責任は麻生大臣にあるんだと、麻生大臣の留任、これが実名で告発をするきっかけ、原動力になったということを口々におっしゃっておられました。
これだけの事件でありながら、今回、財務省の人事異動を知って私は驚きました。公文書の改ざんや隠蔽、虚偽答弁に関与して処分を受けたが、佐川氏ではこれ停職三か月ですね、この処分。中核的な役割を果たした中村稔氏、当時総務課長は停職一か月なんですが、大臣、これ軽過ぎるんじゃないですか。
○国務大臣(麻生太郎君) 今御指摘のありましたいわゆる当時の理財局におきまして、国有財産行政の責任者であった理財局長というものが方向を決定して、その下で総務課長が関係者に方針を伝達するというなど中核的な役割を担い、担当課長、担当室長が深く関与したと、このように私どもとしては認定をいたしております。
その上で、六月に行いました処分では、人事院の方針という指針がありますので、それを参考にさせていただいて、検察当局による捜査の結果として不起訴の判断となった、他省庁を含めて過去の文書管理関係の処分事例とバランスなども勘案しなければなりませんので、それをした上で、非違行為の態様、非違行為を行った職員の職責や関与の度合い、社会的影響等々を総合的に考慮の上、処分の内容について判断したものであります。
具体的にこうした考え方に基づき、当時の理財局長には、応接録の廃棄や決裁文書の改ざんの方向性を決定付けたことなどから停職三か月相当、当時の総務課長だった一連の問題行為について中核的な役割を担っていたことなどから停職一か月とするなど、いわゆるこの事件に関連して、関与した職員には厳正な処分を実施したところと理解しております。
○辰巳孝太郎君 全く理解ができないんですね。
先ほど、不起訴になったという話がありました。刑事事件になっていない事件で、以外で、財務省が免職又は停職の処分を行った事案というのをちょっと調べてみたんですが、居酒屋タクシーというのが平成二十年にありましたけれども、公費によるタクシー利用に際して、約五年間にわたり二千円から三千円程度の現金又はクオカードを年百五十回程度受領したと。この方が処分されているんですね。これ、刑事処分にはなっていないんですよ。これで停職が三か月なんです、この居酒屋タクシーで停職が三か月なんですね。
先ほど、文書の関連での処分で釣合い取ったと言いますけど、改ざん、隠蔽、こんなことは過去にないわけですよ。前代未聞の事件で、一年以上にわたって国会をだまし続けた。社会的影響とおっしゃいますけれども、これだけ大きな社会的影響を与えた事件が森友事件なんですね。
これ結局、今回、佐川氏で三か月ですから、中核的な役割を担って近畿財務局にも改ざんを指示した当時の総務課長は停職一か月なんですから、そこまでのことをやってもこの程度の処分しかされないということに、これ結局、基準作っちゃったことになるじゃないですか。私は、過去の例と比較しても、社会的影響を勘案しても、今回の処分というのは余りにも低過ぎると言わなければならないというふうに思います。
今日、会計検査院の検査報告が出されました。これについてお聞きをいたします。六月十九日に既に中間報告を本院に提出をしておりますけれども、今回、最終的な報告書が出されたわけであります。このことについて幾つかお聞きをしたいというふうに思います。
今回の報告書の五十八ページをちょっと確認していただきたいんですが、これ、理財局長に聞きますのでね。ここでは、応接録がなぜ出されなかったのか、佐川氏は一貫して、一年未満の保存でいいので廃棄をしたんだということを国会でずっと答弁してきたわけですね。この応接録がどういう扱いを受けてきたのかということがこの報告書の五十七から五十八ページについて書かれております。
確認しますけれども、統括国有財産管理官が実はこの交渉記録については保管をしていたということが記述をされておりますけれども、この交渉記録というのはいわゆる原本ですか、あるいは手控え、いわゆる手控えなんですか、どちらですか。
○政府参考人(可部哲生君) お答え申し上げます。
森友学園との交渉記録につきましては、手控えとして職員が紙媒体で保管していたり、個人のパソコン端末に残されていたりしたものなどがあることが分かり、押収されていた文書の写しを入手するなど捜査当局の協力も得て五月二十三日に国会に提出をさせていただきました。
○辰巳孝太郎君 質問に答えていないです。この統括国有財産管理官が保有していたのは全ていわゆる原本のコピーなんですか、手控えなんですか、それを答えていただきたいんです。
つまり、これ要するに、問題になった去年の直後の話でしょう。直後に佐川氏がああいう答弁をしたと、それに合わせて、本来持っていたものが出せなくなっちゃった、こういう話なんですね。これは、財務省のそれ、報告に出ているわけですよ。
つまり、元々あったわけです。この管理官はあるなと思って、これ、手控え、あるいは原本でもいいですよ、それをそっくりそのまま保管をしていたということなんじゃないんですか。それはいかがですか。
○政府参考人(可部哲生君) お答え申し上げます。
個々の一つ一つの文書そのものについてどうであったかということをここでつまびらかに申し上げる準備はございません。
先ほど申し上げましたとおり、手控えとして残されていたもの、あるいはパソコン端末に残されていたものなどと併せて、押収された文書の写しを入手するなどして提出をさせていただいております。
○辰巳孝太郎君 会計検査院に聞きます、会計検査院。
これはどういうつもりでお書きになりましたか。手控えあるいは原本、どちらですか。どういうふうに聞いて記述しているんですか。
○説明員(腰山謙介君) お答えいたします。
会計検査院としては、原本のコピーの手控えであったと承知をしているところでございます。
○辰巳孝太郎君 手控えということなんですね。
これ、考えてみますと、結局はあったんですよ、応接録は。ですよね。佐川元局長の答弁に合わせて出せないということになった、だから廃棄をするということにしたわけです。だけど、やっぱりこれ全部廃棄しちゃ駄目だということで、手控え、つまりコピーを取っていたわけですよ。九百五十七ページですか、我々に出したやつは。
だとすれば、だとすればおかしいことが一点出てくるんです。我々がいただいた九百五十七ページの中に抜けている日があるんです。これ、二〇一四年の四月二十八日なんです。これは、理財局長自身が作っただろうと、作っただろうというふうに答弁をしています。
二〇一四年の四月二十八日というのはどういう日だったかというと、近畿財務局の職員が、余りにも森友学園の書類提出が遅いので、もう交渉を打ち切りますといって三くだり半を突き付けたその日なんです。ところが、籠池理事長が安倍昭恵さんとのスリーショットの写真を見せて、近財の職員が本省に持ち帰って相談しますと言った。まさにこれ、ターニングポイントとなるその四月の二十八日の応接録は我々のところにはないんです。だけど、この統括管理官が手控えをそっくり持っていたというんだったら、そこだけ抜けるはずがないんですよ。そうでしょう。おかしいんですよ。
四月二十八日、何でないんですか。理財局長。
○政府参考人(可部哲生君) お答えいたします。
これは前国会でも答弁をさせていただいておりますけれども、四月二十八日の交渉記録、委員御指摘のとおり、改ざん前の決裁文書の経緯にも記載されておりましたので関心を持たれるだろうというふうに当方も考えまして、特に注意をして職員からの聞き取り、あるいは個人のパソコン端末を調べ、さらに捜査当局の御協力も得て調査を行わせていただきました。残念ながら、記録は発見できなかったという経緯でございます。
○辰巳孝太郎君 会計検査院ですけど、これ検査、今言っているのは財務省の報告書に沿った話なんですけど、これ検査院は独自の調査をすべきなんです。報告書に沿ったような報告じゃ駄目なんですよ。検査院がそういう独自の調査をしたのかということが私は問われると思っているんですね。
もう一つ、国交省に聞きたいと思うんですよ。
国交省なんですが、国交省も実は応接録を持っていました。これはずっと提出されませんでした。三十枚ということで、財務省と一緒の時期に出してきたわけなんですけれども、これは報告書の中でも記述をされております。
実は、これも去年の二月早々に、大阪航空局にある応接録、相談メモを全部本省航空局に持ってきたと書いてあるんですね。こんなこと私初めて聞いたわけなんですが、これ持ってきたのは二月の何日ですか。
○政府参考人(岩崎俊一君) お答え申し上げます。
委員の御指摘を踏まえまして、現在、日付の確認を行おうとしておりますが、まだ確認できておりません。確認でき次第、御報告させていただきます。
○辰巳孝太郎君 いずれにせよ、全部持ってきた、あるもの全部持ってきたんですよ。本省に置いてあったと。これ、不思議なんです。全部あるはずなんです、航空局に。
ところが、皆さんが提出していただいた、国会にやっと提出していただいた交渉記録三十枚の中に、これまた決定的な日の交渉記録が抜けているんです。二〇一六年の三月三十日の交渉記録ですね。
この日に何が行われたのか。新たに出てきたごみに関して、航空局、森友学園、近畿財務局がこれ相談しているんですよね。その中で、工事事業者が三メートルより下からはごみはそんなに出てきていないと言っているにもかかわらず、いやいや、地下深くから出てくるというストーリーにしましょうよと口裏合わせをしているのが三月三十日でしょう。
航空局、二月、つまり去年、初質問が二月十五日、いつかは分かりませんが、とにかくこの問題が出て、全部資料を持っていったわけですよ。どこかに行くはずないんです。皆さん、新幹線か飛行機か分かりませんが、持ってきた途中にその三月三十日だけの交渉記録がどこか飛んでいったんですか。あり得ないでしょう。何でないんですか。出してくださいよ。
○政府参考人(岩崎俊一君) お答え申し上げます。
大阪航空局の当時の協議記録につきましては、既に今保存期間が過ぎておりますことから、そもそも作成されていたかどうかも含めて全てを確認することは難しい状況にはございますけれども、確認できた森友学園側との協議メモにつきましては全て提出をさせていただいておるところでございます。
その中で、平成二十八年三月三十日の会合につきましては、有益費の金額を合意することを主とした会合であったため協議メモを作成をしていなかったとのことでございまして、そもそも協議メモがなかった、作成をしていなかったということでございます。
○辰巳孝太郎君 あなた方の言い分はそうなんですね。これ、立法府を冒涜する隠蔽なんですよ、全て。公文書の改ざんも、虚偽答弁も、書類を出さないこの隠蔽も。
今回の検査院の報告見ますと、結局彼らの、国交省、財務省の言い分を載せている、調査報告そのままなぞっている程度の話のことがほとんどです。私は、検査院は独自に、つまりなぜ隠蔽されたのか、なぜ改ざんが行われたのか、これ独自の調査をしなきゃならないんですね。
そこで大事になるのが、どういう指示系統で近畿財務局の職員などに指示がされたのかということなんです。理財局は既に、財務本省と近畿財務局とのやり取りメモがあるけれどもそれは出さないということを言っていますね。会計検査院、それも含めて調査をした結果がこれなんですか。
○説明員(腰山謙介君) お答えいたします。
決裁文書の改ざんに関して認定した内容につきましては、本日、参議院予算委員会理事懇談会に御提出した資料には、おおむね、理財局においては、総務課長、国有財産企画課長及び国有財産審理室長が理財局長の方針に従い、審理室長の部下職員に指示を行って実施させるなどし、近畿財務局においては、理財局の職員が、近畿財務局管財部長、近畿財務局管財部次長及び統括国有財産管理官に指示を行って実施させるなどしたとしているなどと記載したとおりでございまして、懲戒処分の要求の検討に当たりましては、上司からの指示の有無等の背景事情を含めた事実関係についても検査して確認をしているところでございます。
○辰巳孝太郎君 財務省、これ大臣、財務省と国交省とのまだ開示がされていないやり取りのメモを国会に提出していただきたい。これ、意思決定に関わると言って出さないんですけど、意思決定に関わるからこそ、この文書が大事なんです。これは国会に提出していただきたい。大臣、いかがですか。
○政府参考人(可部哲生君) お答えいたします。
行政の組織内部あるいは組織相互間で、意思決定の過程で日常的に様々なやり取りは行っております。ただ、こうしたもの一々を逐一お示しいたしますと、率直な意見交換、議論妨げられ、将来的な意思決定にも支障が生じるおそれがあると考えられますことから、こうした資料の公表、提出といったことは差し控えるべき性質のものと考えております。
○辰巳孝太郎君 これではまだまだ真相解明に遠いということを言って、私の質問を終わります。