森友疑惑 「架空のゴミ」資料示せず 辰巳氏追及に国交省
日本共産党の辰巳孝太郎議員は30日の参院予算委員会で、森友学園に国有地が異常な安値で売却された疑惑について、「架空のゴミ」のでっちあげにより、その処理費として過大な値引きが行われたことは明らかだと追及しました。
疑惑をめぐっては、国側が、国有地の“3メートルより深いところで新たなゴミが出た”という値引きの筋書きを示し、学園側と「口裏合わせ」をしていた会合の音声データが発覚。国側は新たに出たゴミの処理費の「資料提出」を求めたやりとりだったとしています。
辰巳氏は、3メートルより深いところでゴミが出たことを示す資料は森友学園側から出されたのかと質問。ところが財務省の太田充理財局長は、具体的な資料を何ら示せず、「トータルとして必要なものは、ある意味でいただいている」と強弁しました。
辰巳氏は、地中ゴミの深さをめぐり、会計検査院が国土交通省大阪航空局の査定に十分な根拠はないとし、「口裏合わせ」の会合でも工事業者が「3メートルより下から(ゴミが)出てきたかどうかは分からない」と述べたことを挙げ、「専門家として当然の知見を述べたものだ」と指摘。「あらゆる資料が『3メートルより深くにゴミはない』ことを示している中で、『出てきた』証拠を示す責任は国交省にある」と強調し、首相・政府が不適切な値引きの原因解明へ責任を果たし、関係者の証人喚問も行うよう求めました。
2017年12月1日付「しんぶん赤旗」より引用
▼詳報
辰巳氏「口裏合わせ明らか」
政府、まともに答えず
辰巳氏は森友疑惑で、会計検査院が不適切と指摘した国有地の大幅値引き・売却に関し、「各省庁が適切に判断した」と官僚に責任転嫁する安倍晋三首相に対し、「行政機関の最高責任者は総理だ」と批判。徹底的な原因究明を求めましたが、安倍首相は「会計検査院の指摘は真摯(しんし)に受け止める」「予算編成等にいかしていく」とするだけで、原因究明に背を向けました。
国有地の“3メートルより深いところから新たなゴミが出た”と値引きの「ストーリー」を、国側が学園側に提案した「口裏合わせ」の会合について、出席した財務省や国土交通省は、新たなゴミの処分費の「資料提出」を求めたものだったと弁明に終始。辰巳氏は、くい打ちの工法や過去のボーリング調査(掘削)データなどから、約3メートルより深い場所にゴミは存在しえないことを示し、「『ストーリー』に沿って、会計検査院も根拠がないと指摘した8億2000万円の値引きがされたのは、動かし難い事実だ」と述べました。
さらに辰巳氏が突き付けたのは、同会合直後に森友学園側が行ったとされる会議のメモ(2016年3月30日)です。
メモは、国側の「ストーリー」にふれ、国有地に「瑕疵(かし)を見つけていくことで価値を下げていきたい」と記しており、「口裏合わせ」と符合します。財務省の太田充理財局長は「学園側でつくったもの」と述べ、首相も麻生太郎財務相もまともに答えませんでした。
辰巳 総理が先頭に立ち、なぜ「口裏合わせ」が行われたのか調査すべきだ。
麻生財務相 理財局長から申し上げた通りだ。
安倍首相 いま所管大臣が答弁した通りだ。
辰巳氏は「まったく『丁寧に説明』する気がない」と批判し、売却交渉時に森友学園小学校の名誉校長だった首相夫人の昭恵氏の証人喚問などを求めました。
2017年12月1日付「しんぶん赤旗」より引用
○辰巳孝太郎君 日本共産党の辰巳孝太郎でございます。
森友疑惑について質問をいたします。
私は、この問題を一貫してこの委員会でも取り上げてまいりました。疑惑の焦点は、政府が架空のごみを補償し、森友学園にただ同然で国有地を売却したこと、そしてその背景に何があったのかということであります。
今般、会計検査院の調査によって政府の値引きは根拠がないと断罪されました。しかし、総理は、適正な処理は、これは自分が調べたわけじゃないんだと、官僚の説明を信頼し、紹介したまでだなどと責任転嫁の答弁を行いました。
総理、政府の値引きは適正ではなかった、そして、それは総理の責任でもある、これでよろしいですね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) さきの通常国会においては、国有地売却の問題について、処分を担当している財務省や国土交通省から適切に処理をしていたとの答弁があったところであり、私もそのように報告を受けていました。これまでの私の発言については、そのような理解の上で申し上げたものであります。
他方で、国有地の売却価格については会計検査院がきっちりと適正に調査をするものと思っているということを申し上げてきたところであります。政府から独立した機関である会計検査院が第三者的立場で検査を行い、今般国会に報告が提出された、その報告については真摯に受け止める必要があると思っております。
○辰巳孝太郎君 答えていないですね。
政府が適正だと言ってきたものが適正でなかった。それは総理の責任でもあるんじゃないですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほども申し上げましたように、担当している、それぞれ処分を担当している財務省、国土交通省から報告を受けていたわけでございまして、今般、会計検査院から、検査を行い、そして報告が提出をされましたので、それを真摯に受け止めているというのが私の立場であります。
○辰巳孝太郎君 全く同じ答弁なんですね。
総理は行政府の最高責任者であります。大体、一般の会社の不祥事で、社長が部下のやったことは間違いだが自分には責任ないと、こんなこと通用しますか。
総理は、二〇一五年の六月十八日の衆議院の予算委員会において、年金機構の個人情報流出に関してこう言っております。私は行政府の長でありますから、当然、行政上の様々な課題、問題については、最終的に責任を負うのは私であります。今までも、各部門、行政府においていろいろな出来事、事件もございました。もちろん、私が最終的に責任を負うわけでありますが、私の責務とは、そうした出来事を二度と起こさないようにしていくことでありますし、徹底的な原因究明をしていく、体制をしっかりと整えることであります。
答弁と違うじゃないですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 会計検査院からは、この森友の問題だけではなくて、様々な政府の支出に関わることについて指摘を受けているわけでございます。支出をする際には、まさに各省庁が適切と判断して支出をしているわけであります。そして、全てのこうした会計検査院の御指摘については、今申し上げましたように真摯に受け止めているところでございます。
○辰巳孝太郎君 総理、最低限、国民に謝罪すべきじゃないですか。いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今申し上げましたように、様々な事柄について会計検査院から指摘を受けているところでございますが、それに対して私は真摯に受け止めていると。そして、次の予算編成等にそれを生かしていくというのが私の責任であろうと、このように思っております。
○辰巳孝太郎君 総理、丁寧な説明をすると繰り返しておられます。だったら、会計検査院の報告書を受けて、こうした不適切な処理がなぜ起こったのか、これ徹底的な原因究明を総理先頭にやるべきじゃないですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 国有地は国民共有の財産であり、その売却に当たっては国民の疑念を招くようなことがあってはならないと。私としても、国有財産の売却について、業務の在り方を見直すことが必要と考えており、関係省庁において今後の対応についてしっかりと検討するということではないかと思っております。
○辰巳孝太郎君 本当に謝罪ないわけですね。こういった官僚に責任転嫁する姿勢に国民は絶対に納得はしないと思います。
この不適切な大幅値下げは、地下三メートルよりも深くに政府も森友側も知らなかった大量のごみがあったというところからスタートしております。私は、あの土地の深くにごみはないということを客観的な資料を基に何度もこの国会でも追及してきましたけれども、政府は、ごみはあったんだと、こう答弁をしてきたわけであります。
ところが、二〇一六年三月下旬、財務省、航空局そして森友学園がごみの撤去について協議し、ないごみをあったことにする模様を示す音源テープが報道され、財務省もその存在を認めております。このやり取りをパネルに示しました。(資料提示)
森友側の弁護士が、死ぬ気で値段下げるところに取り組んでほしい、下げる理屈を考えなければならない。国は、三メートルまで掘るとごみが出てきた、これは国が知らなかった事実なので、きっちりやる必要があるというストーリーはイメージしている。工事事業者は、九メートルというのは分からない、三メートルより下から出てきたかどうかは分からない、語弊がある、そういうふうに認識を統一した方がいいなら合わせるが、下から出てきたかどうかは私の方から、あるいは工事した側から確定した情報として伝えていない。それに対して国は、言い方としては、混在と、九メートルの範囲で。工事事業者は、とうとう、その辺をうまくコントロールしてくれたら我々は資料を提供する。国側は、そんなところでつくりたい。弁護士は、責任問題に発展しないように頑張ってくれと。
三メートルより下からごみは出ていないと工事事業者が語っているにもかかわらず……(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 御静粛にお願いします。
○辰巳孝太郎君 地下深くまでごみがあったというストーリー、これで補償しようという口裏合わせのテープであります。
ところが、一昨日、政府は、これは口裏合わせではないと言いました。総理、これのどこが口裏合わせではないというんですか。
○政府参考人(太田充君) お答えを申し上げます。
先般の衆議院の予算委員会で御質問があって、そのデータについて確認をさせていただきました。
かいつまんで御紹介を申し上げますと、これは会話の一部が切り取られた、一方的に録音されたものでありますが、会話の一部が切り取られたものだというふうに思います。
このデータは、平成二十八年の三月下旬から四月頃に取られたものだというふうに思いますが、その元々の前提として、三月十一日に新たな地下埋設物が出てきたという旨の連絡を森友学園側から受け、さらに二十四日には森友学園より、新たな地下埋設物の撤去費用を控除した価格で本件土地を購入したいと、そういう要望が出されて、それを踏まえて土地を売却する方向で打合せをしていた。三月下旬から四月ということは、今申し上げたのより以降の話であります。先方から、土地について地下の埋設物を除去した価格で購入したいという要望があって、それから先の話であります。
そこで、近畿財務局の方は、地下埋設物の撤去費用を見積もるためには資料が必要なので、三メートルより深いところから出てきたものについては新たな地下埋設物になるという認識の下で必要な資料を提出をするということをお願いをしているということでございまして、今委員の御指摘のあったような口裏合わせ云々ということでは全くございません。
○辰巳孝太郎君 工事事業者がごみはないと言っているじゃないですか。これ、どう考えるんですか。
○政府参考人(太田充君) 先ほど来申し上げておりますように、これは先方から地下埋設物が出てきたという連絡を受けて対応しておるということでございます。三メートルより下に、深いところから出てきたということを前提にしてお話がありましたので、そうであればその資料が必要だということを申し上げているということでございます。
○辰巳孝太郎君 音源データでは、工事事業者は三メートルから下からとは確定的に言っていないと言っているじゃないですか。これ、どうするんですか。
○政府参考人(太田充君) このお話は、先ほど来申し上げていますように、三月十一日に連絡があって、二十四日に買いたいという要望があって、その辺りから何度もいろんな形でのお話があったところでございます。そういう中で、三メートル下から廃棄物混合土が出てきているというお話を承っての話ですので、これは一部を切り取られております。そういう状況の下での話ですね。このことだけを捉えて云々と言われるのは、それはいかがかと思っております。
○辰巳孝太郎君 あなた方は全部を聞いたんですか。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 静粛に。
辰巳孝太郎君、もう一度お願いします。
○辰巳孝太郎君 これ、一部と言いますけれども、一部であっても口裏合わせの状況がここに記されているんですよ、ないごみをあるようにしようと。工事事業者は、初めは三メートルより下から出てきたか分からない、語弊がある、ここまで言っているんですよ。しかし、国の方から資料を調整する中でそういう方向でお話しさせてもらえたらと話し、同意を求めて、工事事業者も最後には押し込まれて、そういうふうに認識を統一した方がいいと言うなら合わせると。合わせると言っているんですよ。これ、どうなんですか。
○政府参考人(太田充君) 再三にわたって申し上げておりますように、三月十一日にごみが発見されて連絡を受け、現地にも視察に行き、二十四日には買いたいという要望があって、その間ずっと新たな地下埋設物が出てきているというお話を受け、あるいはそういう現場を拝見させていただいたという上のこのお話でございますので、それを前提にして近畿財務局としてはそういう対応をさせていただいているということでございます。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 速記を止めてください。
〔速記中止〕
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
○政府参考人(太田充君) 恐縮でございます。先般の衆議院の予算委員会でお答えしたことをきちんとお話しさせていただければと思います。
この音声データは、全体が公開されているわけでもなく、会話の一部が切り取られているものと承知をしております。
その上で、職員の発言に関して、近畿財務局の職員に事実関係の確認を行った結果、報道されている音声データは平成二十八年三月下旬頃から四月頃に森友学園側を往訪した際のやり取りではないかと思われる。平成二十八年三月十一日に新たな地下埋設物が出てきた旨の連絡が森友学園側からあり、三月二十四日には森友学園より新たな地下埋設物の撤去費用を控除した価格で本件土地を購入したいとの要望が出され、それを踏まえて本件土地を売却する方向で森友学園との打合せに臨んでいたところであります。地下埋設物の撤去費用を見積もるためには資料が必要であり、三メートルより深いところから出てきたものについては新たな地下埋設物になるとの認識の下で必要な資料の提出をお願いする旨の話をしております。ただ、このような認識を伝える表現としてストーリーという言葉を使っているが、これは適切ではなかったと本人も申しております。
いずれにしても、先方とは様々なやり取りが行われたが、口裏合わせをして地下埋設物の撤去費用を見積もろうとしたものではなく、新たな地下埋設物の撤去費用を見積もるためには資料が必要であることから、様々な資料の提出をお願いしていたものであるということでございます。
○辰巳孝太郎君 一体何の資料を求めたんですか。
○政府参考人(太田充君) 三メートルより深いところから出てきたものについては新たな地下埋設物になるとの認識の下、その必要な資料の提出をお願いをしたということでございます。
○辰巳孝太郎君 具体的に何を求めたのか聞いております。
○政府参考人(太田充君) 三メートルより深いところにある、廃棄物混合土があるということであれば、それが分かるような資料を提出していただきたいということでございます。
○辰巳孝太郎君 資料はあったんですか。
○委員長(金子原二郎君) ちょっともう一回質問してください。
○辰巳孝太郎君 三メートルより下にあったという資料はあったんですか。
○政府参考人(太田充君) 現地の視察をしたこと、それから過去のいろいろな調べた調査の結果、そういうことを全て含めて、最終的に三・八メートルあるいは九・九メートルという判断をしたということでございます。
○辰巳孝太郎君 答えていない。九・……(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 静粛に。
○辰巳孝太郎君 三メートルより下にあったという資料はあったんですかということを聞いています。
○政府参考人(太田充君) 先ほど来申し上げておりますことの結果として三メートル以下ということでございますが、基本的に、連絡を受けて以降、近畿財務局、大阪航空局の職員が実際に現地に足を運んで工事関係者から直接ヒアリングを行って、くいあるいは掘削工事の過程において廃材等が発見されたという報告を受け、廃材等が多量に含む土が広範なエリアに積み上がっているということを確認をさせていただき、それを踏まえてこういう判断をさせていただいたということでございます。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 速記を止めてください。
〔速記中止〕
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
○政府参考人(太田充君) 先ほど来お答えしていますように、この音声データの時期は三月下旬から四月頃ということだと思っております。
いずれにせよ、その見付かってから以降、この事項以降も含めて様々なお願いをし、それによって現地の確認等もさせていただいてということでございますので、トータルとして見ると必要なものはある意味でいただいているということでございます。
○辰巳孝太郎君 答弁の繰り返しなんですけれども、まさにその資料がなかった、証拠が不十分だということで会計検査院が断罪をしたんですよ。
くい打ちの過程でという話がありました。会計検査院に聞きますが、このくい打ちの工法からして、地表に出てきたというごみは一体どの層から出てきたごみだと推認されるんですか。
○会計検査院長(河戸光彦君) 委員お尋ねの点についてでございますが、本件くい工事の施工方法は深層混合処理工法の一種であり、掘削機の先端に付いた複数の翼状のスクリューにより地盤を攪拌して掘り進み、所定の深度において先端からセメント系固化材を注入し始めて、施工深度に達するまで地盤を攪拌して掘り進みながらスクリューで攪拌した土壌とセメント系固化材を混合し、くいを形成するものとなっております。この過程で掘削機の先端からセメント系固化材を注入することにより、施工深度の浅い部分に存在する廃棄物混合土から順に地表に押し出されるものと考えられます。
したがいまして、このような施工方法の場合、深い部分に廃材等があれば、それがくい掘削機の先端部に絡み付き、地表に排出する可能性があることを否定できませんが、地表に押し出された廃棄物混合土は施工深度の浅い部分に存在していたものであると考えられます。
○辰巳孝太郎君 つまり、音源テープで事業者が当初出てきていないと言っているのは、専門家として当然の知見を述べたものなんですよ。深いところからごみは出てこない。これは過去の調査の資料でも明らかです。
過去のボーリング調査の結果からどのようなことが言えますか。会計検査院。
○会計検査院長(河戸光彦君) 森友学園による小学校新築工事に係る地盤調査報告書等によれば、おおむね地下三メートル以深は沖積層等が分布しているとされていることなどから、くい工事において新たに確認されたとする廃棄物混合土は、既知の地下三メートル程度までに存在するものであることも考えられるところでございます。
これを踏まえますと、新たに確認されたとする廃棄物混合土がどの程度の深度に埋まっていたかについては、十分な確認を行う必要があったと認められるところでございます。
○辰巳孝太郎君 今、おおむね地下三メートル以下は沖積層という話がありましたけど、沖積層って一体何なんですか。テレビ御覧の皆さんに分かるように。
○会計検査院長(河戸光彦君) 沖積層とは、約一万八千年前より後の最終氷期以降に堆積した地層を指すとされていると承知しております。
○辰巳孝太郎君 数万年の経過でできた自然の堆積層に、なぜビニール片やマヨネーズの蓋が出てくるんですか。そんなものが発見されたら、それこそ歴史的発見じゃないですか。
この政府が認めた音源テープが取られた場所には、財務局の職員だけではなくて航空局の職員も同席をしておりました。まさにこの大幅値引きの筋書を実演するプレーヤーが勢ぞろいということになりました。
国交大臣、航空局の職員がいたということで確認します。
○国務大臣(石井啓一君) 大阪航空局の職員に確認をしたところ、平成二十八年三月下旬当時は、新たなごみへの対応をめぐり近畿財務局とともに森友学園側との様々な打合せを行っていたところでありますが、具体的にどの打合せに出席していたかについては詳細に記憶をしていないということでございました。
ちょっと付け加えて、先ほど九・九メーターのくいのお話がありましたけれども、このくい掘削工事の工法は、プロペラの羽根のようなものが付いた掘削機を地中に貫入させることによって土をかき混ぜ軟らかくしながら、同時にセメントミルクを流し込むことで地中の土とセメントミルクを一体化させてくいを形成していく特殊な工法であります。この工法を使用した場合、掘削機先端部に絡み付いた廃材等を大量に含む土砂には地下九・九メーターの位置に存在する廃材等が含まれている可能性はあるというふうに考えてございます。
それから、先ほど沖積層のお話がございました。沖積層ですが、自然に積み上がった地層でありますが、場所により、特に河川や池、沼の分布によってその厚さが変わるものと承知をしております。豊中市周辺で公表されている様々な公的なボーリングデータにおきましても、実際に、場所によりまして、地層の構成や厚さ、支持基盤の深さなどが大きく異なる状況が示されてございます。
本件土地はかつて池、沼であり、水分が高く、深い層までぬかるんだ泥や細かい砂のような軟らかい地層が形成されております。また、池、沼はかつて河川と隣接して形成されており、地層が深くえぐられた結果、その底部、底は複雑な地形になっていることも想定されております。また、緩い地層の底部が乱され、深いところまでごみが混入している可能性もあると考えてございます。
○辰巳孝太郎君 国交大臣、会計検査院の報告書をあなたは重く受け止めないんですか。今言ったような沖積層、一万年、豊中全体の話を言っているんじゃないですよ、ボーリング調査したのはあの豊中の小学校のその現地でやっているんですよ。きちんと報告書を受け止めていただきたいと思います。
ボーリング調査も出てこない、工法からも出てこない、あらゆる資料が三メートルより深くにはごみが出てきていないということを言っているんですよ。皆さんは可能性と言いますけれども、これだけ出てこないという資料がある中で、出てきたという証拠を示す責任は国交省にあるんじゃないですか。何言っているんですか。
国交大臣、このやり取りは口裏合わせの何物でもありません。その後のごみの撤去費用の見積りのプロセスを見ても、まさにストーリーに沿って、会計検査院に根拠がないと指摘されるような八億二千万円の値引きが行われている。これ、動かし難い事実じゃないですか。国交大臣、いかがですか。
○国務大臣(石井啓一君) 先ほど理財局長の方から、先生が御紹介されたテープ、起こしたものについては、口裏合わせではなく、業者の方から、深いところに新たなごみが出てきたと、それが分かる資料を提出してほしいという打合せであったというふうに答弁したと承知をしております。
○辰巳孝太郎君 ですから、そんな資料はなく、工事事業者は、なかったと言っていたんですよ。
大臣、これまで工事積算基準にのっとって適正に積算したと繰り返し答弁してきました。しかし、ごみがあるのかないのか、客観的な立場で調査すべき航空局の職員が口裏合わせの会合に加わっていたわけであります。
この口裏合わせの直後に森友学園側が行ったと思われる会議のメモが報道され、そのメモを私も入手をいたしました。まさにあのテープで交わされた会話の内容を裏付ける報告がされております。ここには、航空局、財務局の彼らのストーリーとして、調査では分からなかった内容で瑕疵を見付けていくことで価値を下げていきたいとある。まさに先ほどの口裏合わせとぴったり一致をいたします。このメモでは、航空局も同意とあります。これでどうして適正な積算ができるんでしょうか。航空局も含めてあなた方がこういうストーリーを書いたんじゃないですか。いかがですか。
○政府参考人(太田充君) 今委員が御提示をされておられますその資料は、森友学園側の、先方側の方々だけで作られて、それで記述をされているものでございますので、それについて、そこにそう書いてあるからということは私どもとしてはあずかり知らないところでございます。
○辰巳孝太郎君 そんなこと分かっているんですよ。
ところが、あなた方のテープで言っていたようなことが完全にここで裏付けをされているということじゃないですか。ここにある、調査では分からなかった内容で瑕疵を見付けていく、見付けていく、まさに大幅値引きを実現するために、見付かってもいない、存在してもいないごみをでっち上げようじゃないかということがここに書かれているんじゃないですか。いかがですか。
○政府参考人(太田充君) その資料は、先ほども申し上げましたように、先方の方々が自分たちの認識として、財務局あるいは航空局がこう考えているんであろうという認識として作られているものでございますので、それをもって財務局なりあるいは航空局がそういう認識であるということを裏付けていることにはならないものだと、そういうふうに思っております。
○辰巳孝太郎君 総理、総理、このような口裏合わせが行われていたということです。これ、会計検査院の報告書、調査だけではなくて、これ、総理自身が先頭に立って、このようなことがなぜ行われたのか、これ調査すべきじゃないですか。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 御静粛に。
○政府参考人(太田充君) 会計検査院の検査の結果も受け、また国会での御議論も踏まえて、このところ私どもとして事実関係で確認できるだけのことは確認をして御報告をさせていただいております。
その上で、基本的に、様々な状況の下、それはいろんな意味で損害賠償請求を受けるリスクがあると、そういう切迫した状況の下で、将来にわたっての国の負担、損害負担を一切免除できるという、瑕疵担保を免除するという特約を付けることも含めてぎりぎりの判断をして行ったということが今回の事案でございます。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 速記を止めてください。
〔速記中止〕
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
所管大臣の財務大臣より答弁をさせます。
○国務大臣(麻生太郎君) 先ほどからの御質問ですけれども、森友学園の国有地の売却に関しましては、これは御存じのように、参議院の要請に基づいて、独立した行政機関である会計検査院によっていわゆる第三者的な立場から検査が行われてきたということであります。したがいまして、検査報告では国有地の管理、処分の手続について様々な指摘がなされておるということでして、財務省としては重くそれを受け止めなければならぬと考えております、そう申し上げ続けております。
その上で、指摘された事項については、その内容をしっかりと検証をさせていただいて、今後、国有財産の管理、処分の手続等につきましては必要であれば見直しを行っていくということに尽きると、私どもはそう考えております。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 辰巳孝太郎君、ちょっと再質問してください、質問してください。
○辰巳孝太郎君 いいですか、会計検査院は手続について不適切だと、これは結論付けたわけですよ。ところが、このような口裏合わせ、これは会計検査院は調べません。しかし、ごみがないと言っているにもかかわらず、そういうストーリーを書いて口裏合わせをしたと。これ、テープもあるんですから、これ、総理、調査すべきじゃないですか。
○国務大臣(麻生太郎君) その点に対するお答えは、先ほど太田理財局長の方から申し上げたとおりなのであって、それ以上のものでもそれ以下のものでもないと存じます。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま所管の財務大臣が答弁させていただいたとおりであります。
○辰巳孝太郎君 全く丁寧に説明する気がないということがはっきりしたと思います。これだけの恣意的な試算で国有地をただ同然で売却した政府の責任は重大だと言わなければなりません。
この当委員会でも、佐川前理財局長が九・九メートルのごみを確認したと何度も言ってまいりました。私は、当委員会に佐川前理財局長を参考人として呼ぶ要求しましたけれども、これは与党の反対でできませんでした。
○委員長(金子原二郎君) 時間が来ておりますので。
○辰巳孝太郎君 なぜこのような売却が行われたのか。その背景には、名誉校長たる安倍昭恵氏の証人喚問、これしっかり本人から聞かなければなりません。
引き続きこの問題追及していく決意を述べて、私の質問を終わります。
”
以下に配布資料を掲載します