派遣調査報告の質疑
20日にODA特別委員会があり、派遣調査の報告とそれに対する質疑が行われました。
以下に議事録を掲載します。
議事録を読む 辰巳質問部分
○辰已孝太郎君 日本共産党の辰已孝太郎でございます。
派遣団の皆さん、本当にお疲れさまでございました。また、関係者、JICAの皆さんもお疲れさまでございました。
まず初めに、私は第二班のフランスに行かれた派遣団若しくはJICAの方に質問したいんですが、この報告書で、フランスがいわゆる援助対象を最貧国十六か国とすると、これを優先とするという報告がされておりますけれども、これをどういうふうに、十六か国というと少ないように思うんですが、JICAや政府としてはどのように見ておられるのかということが一点。
それと、今いろいろ経済援助ということがありましたけれども、私は、ODAの基本といいますか、やはり慢性的な飢餓人口でいえば十億人、五歳未満で亡くなる子供の数というのは八百八十万人ということで、飢餓や貧困をなくしていくということが主眼に置かれるべきだというふうに思っておりまして、経済インフラ援助の偏重から食料や保健、教育などにやはり重点を置いていくべきだというふうに思っております。
とりわけ、やはり貧困の大本には教育の不足というのが一つとしてあると思います。これは第一班への質問なんですが、その教育に関して、第一班でウガンダとエチオピアに関する教育支援がちょっと報告では余りなかったので、もちろんやっているとは思うんですけれども、それがどのようなものになっているのかということを詳しく分かれば教えていただければと思います。
以上です。
○参考人(田中明彦君) フランスが最貧国十六か国を重視するということに関しては、その本当の理由が何かというのは私どもまだ把握しておりません。ただ、一般的に言いますと、フランスにとって非常に重要なフランス語圏の国々の中には相当貧しい国も多くありますから、こういうところを重視していくというのは、フランスという国から考えてそれなりの合理性があろうかと思っております。
先生おっしゃるように、貧困削減にとって教育、それから保健の面、そういうことを重視していくのは当然だと思っております。ただ、先ほど私申し上げましたように、MDGの絶対貧困層削減に最も著しい効果を出したのがアジア太平洋でございます。その際、やはり非常に今国際社会でも認識が進んできていると思うのですが、直接的な貧困削減のみならず、やはりインフラを整備するということ自体、それによって経済成長を達成し、それによって貧困を削減する効果というものが今大変評価されてきているところだと思っております。遠隔地における農村で非常に貧しいところの人たちにとって、もちろん食料がないというのは問題ですけれども、そこに行き着く道路がちゃんとしていないということが、そもそもその貧困状態、食料が届くことを妨げていたり、それから、病気になったときに病院までたどり着くための交通手段がないということがその状態を更に悪化させているということもございますので、私どもとしましては、インフラに対する支援というのも非常に重要だと思っておるところでございます。
それから、最貧国以外のいわゆる中所得国においても貧困層はまだまだ問題がございます。ですから、中所得国における格差の改善ということも、やはり日本のような世界的に国際協力を行っている国にとっては依然として非常に重要な課題だというふうに認識しております。
○委員長(岸宏一君) じゃ、派遣の方から、代表して水落敏栄君。
○水落敏栄君 ウガンダという話が出ましたので、第一班、エチオピア、ウガンダ、ケニアに参りましたけれども、そうした中で、青年海外協力隊の皆さん、教育の面とか保健衛生の面とかで非常に活躍をして現地の方々に感謝されておることはもう御承知のとおりであります。
そうした中で、ウガンダで一つだけ教育の面でちょっと実例がありますのでお話をしたいと思いますけれども、サブサハラ・アフリカ地域では約二千三百万人がHIV、エイズに感染をしておりまして、ウガンダでは総人口の一〇%に当たる百九十万人の子供が親を亡くしているんですね。したがいまして、親がいないものですから、学校にも行けない、中退して働く、こうした状況が生まれております。
そうした中で、日本のNGOであります、あしながウガンダというNGOがございまして、エイズで親を亡くした孤児のために心の支援とか教育を行うために、これは二〇〇三年に活動拠点をここに、ウガンダに設立をして、エイズ孤児の方々のための施設を造り、これは施設を造ったのは草の根・人間の安全保障無償資金協力事業としてJICAがやったものですけれども、その施設を造ってそこで親を亡くした子供たちの教育を行っている、子供たちのですね。
また、これは小学校低学年を対象にした孤児の教育なんですけれども、高等教育も重視しておりまして、日本の大学にもそのNGOのあしながウガンダの方々が、日本の早稲田等に留学をして、その費用も出しているという現状がございますので、御報告しておきたいと思います。
○中西祐介君 フランスの優先国、十六か国に絞り込んだ話についてですが、先ほどの報告の中で、これからオーランド政権の動向について注視をしなきゃならないというふうなことを申し上げました。先ほど申し上げたように、今ODAに対するどういう政策を持つかということを、四年ぶりに今年その方針を決定する会合が開かれたということでありまして、今、オーランド政権、社会民主主義になってから税収が物すごく落ち込んでおります。さらには、経済的な不安定要素がある中で外に対する、吐けるお金が十分じゃないという内国的な事情があるというのが一番のテーマでありまして、まずフランス語圏、宗主国にかかわる国々に支援はしたいんだが十分そこに割ける金がないというところが大きなテーマでありますので、国全体の方針としてこれから注視をする必要があると思っております。
派遣団の皆さん、本当にお疲れさまでございました。また、関係者、JICAの皆さんもお疲れさまでございました。
まず初めに、私は第二班のフランスに行かれた派遣団若しくはJICAの方に質問したいんですが、この報告書で、フランスがいわゆる援助対象を最貧国十六か国とすると、これを優先とするという報告がされておりますけれども、これをどういうふうに、十六か国というと少ないように思うんですが、JICAや政府としてはどのように見ておられるのかということが一点。
それと、今いろいろ経済援助ということがありましたけれども、私は、ODAの基本といいますか、やはり慢性的な飢餓人口でいえば十億人、五歳未満で亡くなる子供の数というのは八百八十万人ということで、飢餓や貧困をなくしていくということが主眼に置かれるべきだというふうに思っておりまして、経済インフラ援助の偏重から食料や保健、教育などにやはり重点を置いていくべきだというふうに思っております。
とりわけ、やはり貧困の大本には教育の不足というのが一つとしてあると思います。これは第一班への質問なんですが、その教育に関して、第一班でウガンダとエチオピアに関する教育支援がちょっと報告では余りなかったので、もちろんやっているとは思うんですけれども、それがどのようなものになっているのかということを詳しく分かれば教えていただければと思います。
以上です。
○参考人(田中明彦君) フランスが最貧国十六か国を重視するということに関しては、その本当の理由が何かというのは私どもまだ把握しておりません。ただ、一般的に言いますと、フランスにとって非常に重要なフランス語圏の国々の中には相当貧しい国も多くありますから、こういうところを重視していくというのは、フランスという国から考えてそれなりの合理性があろうかと思っております。
先生おっしゃるように、貧困削減にとって教育、それから保健の面、そういうことを重視していくのは当然だと思っております。ただ、先ほど私申し上げましたように、MDGの絶対貧困層削減に最も著しい効果を出したのがアジア太平洋でございます。その際、やはり非常に今国際社会でも認識が進んできていると思うのですが、直接的な貧困削減のみならず、やはりインフラを整備するということ自体、それによって経済成長を達成し、それによって貧困を削減する効果というものが今大変評価されてきているところだと思っております。遠隔地における農村で非常に貧しいところの人たちにとって、もちろん食料がないというのは問題ですけれども、そこに行き着く道路がちゃんとしていないということが、そもそもその貧困状態、食料が届くことを妨げていたり、それから、病気になったときに病院までたどり着くための交通手段がないということがその状態を更に悪化させているということもございますので、私どもとしましては、インフラに対する支援というのも非常に重要だと思っておるところでございます。
それから、最貧国以外のいわゆる中所得国においても貧困層はまだまだ問題がございます。ですから、中所得国における格差の改善ということも、やはり日本のような世界的に国際協力を行っている国にとっては依然として非常に重要な課題だというふうに認識しております。
○委員長(岸宏一君) じゃ、派遣の方から、代表して水落敏栄君。
○水落敏栄君 ウガンダという話が出ましたので、第一班、エチオピア、ウガンダ、ケニアに参りましたけれども、そうした中で、青年海外協力隊の皆さん、教育の面とか保健衛生の面とかで非常に活躍をして現地の方々に感謝されておることはもう御承知のとおりであります。
そうした中で、ウガンダで一つだけ教育の面でちょっと実例がありますのでお話をしたいと思いますけれども、サブサハラ・アフリカ地域では約二千三百万人がHIV、エイズに感染をしておりまして、ウガンダでは総人口の一〇%に当たる百九十万人の子供が親を亡くしているんですね。したがいまして、親がいないものですから、学校にも行けない、中退して働く、こうした状況が生まれております。
そうした中で、日本のNGOであります、あしながウガンダというNGOがございまして、エイズで親を亡くした孤児のために心の支援とか教育を行うために、これは二〇〇三年に活動拠点をここに、ウガンダに設立をして、エイズ孤児の方々のための施設を造り、これは施設を造ったのは草の根・人間の安全保障無償資金協力事業としてJICAがやったものですけれども、その施設を造ってそこで親を亡くした子供たちの教育を行っている、子供たちのですね。
また、これは小学校低学年を対象にした孤児の教育なんですけれども、高等教育も重視しておりまして、日本の大学にもそのNGOのあしながウガンダの方々が、日本の早稲田等に留学をして、その費用も出しているという現状がございますので、御報告しておきたいと思います。
○中西祐介君 フランスの優先国、十六か国に絞り込んだ話についてですが、先ほどの報告の中で、これからオーランド政権の動向について注視をしなきゃならないというふうなことを申し上げました。先ほど申し上げたように、今ODAに対するどういう政策を持つかということを、四年ぶりに今年その方針を決定する会合が開かれたということでありまして、今、オーランド政権、社会民主主義になってから税収が物すごく落ち込んでおります。さらには、経済的な不安定要素がある中で外に対する、吐けるお金が十分じゃないという内国的な事情があるというのが一番のテーマでありまして、まずフランス語圏、宗主国にかかわる国々に支援はしたいんだが十分そこに割ける金がないというところが大きなテーマでありますので、国全体の方針としてこれから注視をする必要があると思っております。