監察委員長 第三者性欠く 厚労省審議会など32の役職
厚生労働省の毎月勤労統計の不正調査について、「組織的隠ぺいは認められない」と結論付けた特別監察委員会の委員長を務める樋口美雄氏が2001年以降、同省の審議会・研究会をはじめ32の会議で、会長・座長や委員などを務めてきたことが6日、明らかになりました。監察委の中立性を追及した日本共産党の小池晃書記局長が開示を求めていたことを受け、厚労省が6日の参院予算委員会理事会で樋口氏の委員就任経歴を示しました。
同委で質問に立った日本共産党の辰巳孝太郎議員は、樋口氏が労働政策審議会会長など四つの現職を務めているとし、「樋口委員長と厚労省が一体であり、第三者性は確保されない」と指摘。安倍晋三首相は樋口氏に「さまざまな依頼を厚生労働省も今までしてきた」と蜜月ぶりを示しながら、「監察委は独立性を強めた」と強弁。辰巳氏は、第三者性を欠いた監察委だから「“ウソをついても隠ぺいではない”と、誰も納得できない報告書が出てきてしまう」と批判しました。
首相秘書官発言を次官に伝達
辰巳氏は、毎月勤労統計で2018年の賃金伸び率が大幅に上昇した要因には調査方法の変更などがあり、そこに首相官邸が関与したかどうかが焦点だと述べました。
15年3月31日当時、厚労省の姉崎猛統計情報部長が中江元哉首相秘書官に、同年1月の中規模事業所の調査対象を総入れ替えし過去の賃金伸び率が下振れしたと説明し、中江氏からは手法の改善を示唆されたと、村木厚子厚労事務次官に説明したかと質問。姉崎氏は「総理秘書官と次官はそれなりに会う機会が多いから、伝えておいた方がいいと思い、どこかの時点で伝えたのだろうと思う」と述べました。一方で姉崎氏は、中江氏の発言を「指示でなくコメント」とし、官邸関与を否定。しかし辰巳氏は「『コメント』を逐一、次官に説明するのか。秘書官の言葉を重大と受け止めていた証拠だ」と強調しました。
中規模事業所調査の「総入れ替え」から「部分入れ替え」への変更をめぐり、厚労省「毎月勤労統計の改善に関する検討会」座長を務めた阿部正浩中央大学教授が「しんぶん赤旗」日曜版(19年3月10日号)インタビューで、「厚労省の担当部長が首相秘書官から意見を聞いていたとするなら、大きな影響を受けた可能性があったと思います」と述べていると紹介。安倍首相は「秘書官が伝えた問題意識は当然のこと」と居直りました。
辰巳氏は、監察委の追加報告書でも官邸の影響を全く調査していないと批判し、「野党も含めた真の第三者による調査と、阿部座長の国会招致をすべきだ」と求めました。
樋口美雄氏(特別監察委員会委員長)がこれまで就任した厚生労働省の32の審議会、研究会等の役職
(厚生労働省提出資料より。調達に関する委員会は任期中は非開示)
労働政策審議会(委員、臨時委員、会長=現職)
労働政策審議会労働施策基本方針部会(部会長=現職)
毎月勤労統計調査等に関する特別監察委員会(委員長=現職)
雇用政策研究会(参集者、座長=現職)
ジョブ・カード制度推進会議(座長)
戦略産業雇用創造プロジェクト評価・選定委員会(会長)
地域活性化雇用創造プロジェクト評価・選定委員会(会長)
実践型地域雇用創造事業等選抜・評価委員会(会長)
労働政策審議会点検評価部会(部会長代理)
労働政策審議会職業安定分科会(委員、臨時委員)
労働政策審議会職業安定分科会雇用対策基本問題部会(臨時委員)
非正規雇用のビジョンに関する懇談会(座長)
地域雇用創造推進事業等選抜・評価委員会(会長)
労働政策審議会雇用均等分科会(委員、分科会長代理)
社会保障審議会年金部会(委員)
地域雇用創造推進事業選抜・評価委員会(会長)
社会保障審議会年金部会経済前提専門委員会(委員)
研修・技能実習制度研究会(委員)
社会保障審議会人口部会(委員)
社会保障審議会人口構造の変化に関する特別部会(委員)
生活扶助基準に関する検討会(座長)
中央最低賃金審議会(会長代理)
社会保障審議会年金部会パート労働者への厚生年金適用に関するワーキンググループ(委員)
パッケージ事業選抜・評価委員会(座長)
雇用創出企画会議(委員)
雇用保険基本問題研究会(参集者)
職業能力開発の今後の在り方に関する研究会(参集者)
最低賃金制度のあり方に関する研究会(座長)
労働政策審議会職業安定分科会民間労働力需給制度部会〔後に労働力需給制度部会に改組〕(部会長)
雇用と年金に関する研究会(参集者)
キャリア形成を支援する労働市場政策研究会(参集者)
労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会(部会長)
2019年3月7日赤旗より転載
まず、統計不正について聞きます。
昨日、小池晃参議院議員が、毎月勤労統計の不正を調査する特別監査委員会の樋口委員長の厚労省の審議会、研究会等の委員歴、就任の経歴が示された資料を求めましたが、今日昼前、昼の理事会でこれが提出をされました。パネルに示しております。(資料提示)
私、これ見て驚きました。樋口委員長、労働政策審議会会長などの現職の四つを含めて、二〇〇一年から現在に至るまで、一旦退任され再任をされたものを除くと三十二もの厚労省の検討会等の委員を務めてこられておられます。
総理、今回の調査というのは、やっぱり第三者性の確保というのが何より大事なんですね。これ、樋口委員長、厚労省、一体ではないですか。第三者性、確保されないんじゃないですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、昨日も小池先生にお答えをさせていただいたところでございますが、なかなか御期待には応えていなかったんですが、厚生労働省の特別監査委員会は、二月七日に元最高検の検事の方を事務局長に迎え、民間有識者で構成される事務局が新たに設置をされ、より独立性を強めた形で裏付けや検証作業を進めていただいたものと承知をしております。
そして、樋口委員長は、統計委員会の委員長を務められるなど統計の専門家であるとともに労働経済研究の専門家であること等から、まさに専門家として様々な御依頼を厚生労働省も今までしてきたんだろうと、こう思うところでございますが、今回もその個人の資質に着目をして委員長をお務めいただいたものと認識をしております。
○辰巳孝太郎君 ですから、私の問いに答えていただいていないんですけど、これでは国民からの疑念は晴れないですよ。これ、第三者性とはこれはやっぱり言えないですよ。こういうことだから、うそをついても隠蔽ではないというような、誰も納得できないような報告書が出てきてしまうんですよ。これ、やっぱり委員会、きちんと第三者性、独立性を確保するためにも、これきちんと新たな報告を作って、第三者性が確保できるものを作ってやるべきだと私は言いたいというふうに思います。
二〇一八年の毎月勤労統計が上振れした原因は主に四つあります。東京の大企業についてこっそり三倍の復元処理をした、サンプル企業を全部入替えから部分入替えへ変更し、それに伴い遡り補正をやめた、ベンチマーク更新の遡り補正をやめた、常用雇用者から日雇労働者を外したなどであります。
今日パネルに示しましたけれども、そのうちの一つですね、ローテーションサンプルの導入の経過を示させていただきました。ここに官邸の関与や影響があったのではないか、これが焦点の一つでもあります。
姉崎さんにお聞きいたします。
あなたは、二〇一五年三月三十一日に、中江秘書官、当時の総理秘書官に、その年の一月の中規模事業所のサンプル総入替えによって、過去の賃金伸び率が下振れをしたことを説明し、中江氏から手法の改善について示唆をされたことを当時の厚生労働省の村木事務次官に説明した事実はありますか。
○参考人(姉崎猛君) 初めに、まず最初に、今回の毎月勤労統計をめぐる問題につきまして、統計に対する信頼を失わせるとともに、国民の皆様に御迷惑をお掛けしていることにつきまして、以前統計情報部長をしていた者として心からおわびを申し上げます。
今、議員の御質問ですけれども、三月三十一日の日にサンプル入替えに伴って過去に遡って数値が大幅に変わるということにつきまして総理秘書官のところに御説明に行きましたけれども、それを当時の村木次官に報告をしたかどうかということなんですけれども、直接そのことを村木次官に報告したかどうかというのは覚えていないんですけれども、総理秘書官のコメントですから、どこかの時点では多分、次官にはきっと報告しているのではないかというふうに思います。
○辰巳孝太郎君 報告をしたんですか、していないんですか、どっちなんですか。
○参考人(姉崎猛君) 次官とは日頃から接しておりますので、どのタイミングかというのはよく分かりませんけれども、多分、報告をしたかもしれません。
○辰巳孝太郎君 さっきはしたと言ったんじゃないんですか。どちらですか。したんですか、していないんですか。
○参考人(姉崎猛君) 記憶が定かではないのですけれども、多分したんだというふうに思います。
○辰巳孝太郎君 あなたは、中江元総理秘書官のこのいわゆる問題意識を単なるコメントだと受け止めたということを国会でも答弁していますね。つまり、それは官邸の影響はなかったんだ、六月に検討会が発足され、それで第六回の検討会の報告書が第五回の素案とは全く違ったものになった、だけど、それは九月の十四日に、まさに第六回の二日前に中江氏と会ったこととは影響が全くなかったんだと、単に、言われたことはコメントなんだと、こういう話をされていますよね。自分の意思でやったんだと。そうですよね。
これは、総理秘書官の単なるコメントというのは、これ事務次官にやっぱり報告をしていくものなんですか。
○参考人(姉崎猛君) お答えをいたします。
私自身は総理秘書官のところにそんな頻繁に行くようなということはありませんけれども、次官は恐らく総理秘書官と会うような機会もあるでしょうから、一応こういうコメントがあったということは多分どこかの時点でお伝えをしたのではないかというふうに思います。
○辰巳孝太郎君 つまり、総理秘書官の言葉というのはそれだけ重大だという認識があった、伝えなければならないという認識があったということでよろしいですか。
○参考人(姉崎猛君) 重大というか、重大というかですね、やはり総理秘書官と多分次官はそれなりに会う機会が多いでしょうから、そういうコメントがあったということは伝えておいた方が多分いいんだろうなというふうに思って、どこかの時点で伝えたんだろうというふうに思います。
○辰巳孝太郎君 やっぱり重いということなんですよ。それは当然伝えると私も思いますよ。だけど、あなたはそれを、衆議院の審議でもそれを否定するような、検討会の結論もあるいは中江氏の言葉というのもそれは結局自分は影響なかったんだと言いたいがためにいろんなストーリーを言うものですから、こういうことが出てくるわけですね。
三月十日付けのしんぶん赤旗日曜版で、毎月勤労統計の改善に関する検討会座長を務めた阿部正浩さんがインタビューに答えておられます。阿部座長は、厚労省の担当部長が、つまり姉崎さん、あなたですね、首相秘書官から意見を聞いていたとするなら大きな影響を受けた可能性があったと述べておられます。
総理、これ当然の疑念だと思うんですよ、座長にとっては。これ、検討会の座長がこう述べているのは重大だと思いませんか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) また、阿部座長は、日経新聞のインタビューにおいて、正確性を上げていく上においてこのサンプルを入れ替えていく方法の方が優れているという趣旨の発言もされていると、こう了解をしているところでございまして、要は、まず、この問題はですね、混同される方がおられるといけないと思いますが、この十五年間にわたって不正な調査が行われてきた問題とは全く無関係な問題であるということは申し上げておきたいと、こう思う次第でございますが、サンプルを入れ替えていくこの方法については、これは統計委員会におきましても、言わば正確性を上げていくということについてはおおむねそれはそのとおりだろうということではシェアされていたのではないかということも言われているわけでございまして、一方、コストにおいてはどうだろうかという議論があったということでございまして、それは阿部座長もそういう趣旨の話をされているというふうに理解をしているわけでございまして、その点において、当時の中江秘書官がそういう問題意識を述べるのは、伝えるのは私はむしろ当然のことなんだろうと、こう思う次第でございますし、ユーザーにおいては、むしろ毎年毎年これは入れ替えていった方がタイムリーに正しい統計が分かる、ぶれが大きくならないというこのコメントがあるということも承知をしているところでございます。
○辰巳孝太郎君 総理、私の問いに答えておられないんですね。私は統計の正確性を聞いているわけではないんです。今私が問うているのは、適正な手続がされていたのかということを聞いているわけですよ。そこに官邸の影響があったのかどうかというのを聞いているんですね。これ、私の問いに答えてないんです。
樋口さん、樋口委員長、これ、今回、追加報告書でも、官邸の影響があったのかどうかということについては全く調査もされていないんです。調査されていないんですよ。今、阿部座長自身が官邸の影響があった可能性はあると述べておられるわけですから、これについて調査すべきじゃないですか。
○参考人(樋口美雄君) お答えいたします。
我々の委員会におきましては、今般の毎月勤労統計事案に関しまして設置されたものでございます。
今般の事案の事実関係及び責任の所在を解明することを目的としておりまして、対外的な説明が実態と相違している疑義があるケース、統計法上の手続についての疑義があるケース、統計の専門的な視点から合理性を欠いている疑義があるケースなど、統計法違反等を含む不適切な取扱いが疑われるケースを調査の対象としております。
本委員会におきましては、こうした考え方に基づき、ローテーションサンプリング方式の導入に関しまして、委員がおっしゃった点でございますが、きちんとした手続を踏んだ上で採用されており、また、サンプル入替えに伴うギャップをできるだけ少なくし、国民を始めとする統計の利用者にとっての分かりにくさを解消するための措置であり、統計学的にも十分な合理性が認められると判断したことから、調査の対象とする必要がないというふうに判断いたしました。
○辰巳孝太郎君 結局、身内の調査だからなんですよ。
私は、野党も含めた真の第三者による調査と阿部座長の国会招致を求めたいと思います。
○委員長(金子原二郎君) 後刻理事会で協議をします。
○辰巳孝太郎君 森友について聞きます。
二〇一六年三月、森友学園が八か所の試掘を行い、三・八メートルまでごみが発見されたとして、八億二千万円の値引きの根拠と国交省はいたしました。これがこの試掘調査報告書であります。私は、このデジタル解析も行いました。写真の使い回しを指摘をしてきましたが、四日の質疑で国交大臣はとうとうそれをお認めになりました。
八億の値引きの根拠は崩れたということで、石井大臣、よろしいでしょうか。
○委員長(金子原二郎君) 今質問中ですが、樋口さんはもう退室していただいて結構ですか。
○辰巳孝太郎君 はい、結構です。
○委員長(金子原二郎君) じゃ、樋口参考人、退室していただいて結構です。御苦労さまでした。
○国務大臣(石井啓一君) 平成二十八年当時、地下埋設物の撤去処分費用の見積りに用いるために設計業者から入手した資料の一部に誤りがあったことが、本年一月三十日付けの設計業者からの回答書で分かりました。このことは大変遺憾であると考えております。
ただ、御指摘いただいております三枚の写真、今パネルにもあるかと思いますが、ナンバー七、ナンバー十、ナンバー十一が写した試掘穴であります試掘穴3番と試掘穴4番については、写真の選定は間違えたものの、掘削深度やごみの層を記載した説明内容については誤りはないとされております。
また、約八・二億円の地下埋設物の見積りの参考資料の一つとして用いられましたのは、深さ三・八メートルまでごみが確認されたとされております試掘穴1番でありますが、これにつきましては、今般の回答書におきましても、この試掘穴についてはミスはありませんなどとされておりますので、この試掘報告書を見積りの材料の一つとしたことについては問題があるとは言えないと考えております。
○辰巳孝太郎君 大臣、ごみの層は間違いないんだと、こういう話ですね。
ちょっと聞きたいんですけど、三枚の写真がこれ一緒の穴の写真だと。ナンバー七は、実はこれ工事事業者によりますと試掘ナンバー3ではなくて試掘ナンバー4、試掘ナンバー4の穴の写真であるということが一点ですね。じゃ、試掘ナンバー3は、これ何メートルなんですか。どの写真なんですか。ここに記されていませんけど、どうなるんですか。これ何メートルって書いていますかね。これ、ごみの層は八十センチから二メーター七十センチの間ですが、この写真はこの穴じゃないんです。こっちのナンバー4の方なんです。どうするんですか。
○国務大臣(石井啓一君) 設計業者からの回答書によりますと、今委員御指摘いただいたように、ナンバー七の写真については、本来の試掘穴3番の写真を選定すべきところを試掘穴4番の写真を選定してしまったと。ただし、この試掘穴3番、4番の写真の右側にある説明書き、これについては誤りはないというふうにされておりますので、試掘穴3番のごみの層というのは、ここに、説明書きにございます地表面から八十センチから二メーター七十センチの間にあるというものと考えております。
○辰巳孝太郎君 いや、ですから、八十センチから二メーター七十センチを示しているメジャーの写っている写真はここにはないでしょうと聞いているんです。どうやって検証するんですか。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) ちょっと速記を止めてください。
〔速記中止〕
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(石井啓一君) 当時、大阪航空局の職員も四月五日に現地確認をいたしまして、試掘穴にごみがあるということを確認をしております。
また、今回、設計業者から回答書をいただいておりますけれども、この中では再調査はしっかりと行われ、再調査というのは、元々二十か所、業者の方が試掘をしたと、その後、半分ぐらい埋めて八か所残しておいて、それは当初はごみの深さ等は測っていなかったんだけれども、四月五日の打合せを受けて再調査をしたということでありますが、再調査はしっかりと行われ、調査報告書の本文の説明書きは実際に試掘を現認した者によって書かれたものであるというふうにされているところであります。
○辰巳孝太郎君 大臣、国交省の職員が確認したのはメジャーを見たんですか。
○国務大臣(石井啓一君) 当時、メジャーは見ていなかったようですが、どの程度の深さまであるかということは見ていたようであります。
○辰巳孝太郎君 ええかげんですね、すごいですね。まだ疑惑はあるんですよ。
次に示すのは、国交省が国会に提出した八か所の試掘位置を示すものであります。これ、校舎側に三か所、グラウンド側に五か所なんですね。これ、ほんまですかね。
実は、財務省が廃棄したと隠蔽をしてきた近畿財務局と森友学園側との二〇一六年四月五日付けの応接録、これまあ廃棄して、出てきたわけなんですけどね、こうあるんです。グラウンド側の掘削状況については、西側の一か所しか掘削していない、グラウンド側は一か所しかしていないと言っているんです、西側は。試掘位置、この図では二か所あるんじゃないですか。何でこれ違うんですか。
○国務大臣(石井啓一君) 御指摘の応接録は近畿財務局において作成されたものでありますから、私ども国土交通省でその詳細の内容について説明をするのは難しい部分もあることを御理解をいただきたいと思いますけれども、そこの今図面見ていただいて、西側というのは、グラウンドの西側というのが試掘穴4番、5番に相当するかと思いますが、当時、大阪航空局の職員が平成二十八年四月五日に現地確認をしております。その際には、試掘の穴の横に積み上げられたごみを含む土砂だけでなく、穴そのものを奥深くのぞき込み、ごみの状況を確認したが、その時点で職員が見た穴の数は五か所程度だったのではないかというふうに言っております。これは、当時の状況について改めて当時の職員に確認をしたところ、このように言っております。
その後、五か所程度だというふうに言っていますが、その後、工事業者から、試掘された試掘結果報告書に穴の数が八か所とされておりますが、これは、四月五日の現地確認の際には見ていなかったグラウンド南側の三か所、すなわちそこでいうところの6番、7番、8番の穴が含まれていたものの、これら三か所の位置は見積り対象面積の範囲外と考えていたため、特段の追加の現地確認はしなかったということでございます。
そういったことから、当時、西側には二か所あったものというふうに考えております。
○辰巳孝太郎君 四月五日以降に掘ったということですね。それ、業者に確認したんですか。
○国務大臣(石井啓一君) 今回の設計業者からの回答書によりますと、二十八年三月時点で現地から大量のごみが出てきたので、二十か所ぐらい試掘穴を掘ったと。そのうち半分ほど埋めておいて、八か所残っていたと。その八か所に、当初試掘をしたときは、ごみの量はマニフェスト等で確認すればいいということで、ごみの深さはチェックはしていなかったんだけれども、二十八年四月の五日の打合せにおいて確認をせよというふうに言われたため、これは建設業者ですけれども、建設業者の方は改めて残っていた八か所の試掘穴をきちんとごみの深さを確認して写真を撮ったというふうに回答書に述べられているところであります。
○辰巳孝太郎君 当初は二十か所やっているんですよ。だけど、その後埋めているんです。埋めた結果、四月五日は西側には一か所しかしていないということになっているんですよ。大臣、これでたらめなんですよ。この資料も穴もごみの層も全部でたらめですよ。
大臣、三・八メートルのごみがある、これだけは正しいんだと、そういう根拠、示してください。
○国務大臣(石井啓一君) 委員は西側の穴が一か所しかなかったというふうにおっしゃっていますが、それは近畿財務局の方の応接記録で森友側の弁護士が言っていることでありますが、その真贋について私どもの方で説明することは難しいところであります。
○辰巳孝太郎君 四月五日は航空局の職員はいなかったんですか。応接録、出してください。
○国務大臣(石井啓一君) その応接録は、あくまでも近畿財務局の方です。それで、同じ四月五日に大阪航空局の職員は、現地を確認して、その南側の三か所を除いて五か所は、五か所ぐらい確認をしているということであります。
○辰巳孝太郎君 四月五日の応接録、出してください。あるんですか、航空局。
○委員長(金子原二郎君) 止めてください、速記を。
〔速記中止〕
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(石井啓一君) 平成二十八年四月五日の会合に大阪航空局の職員も参加をしておりますが、工事関係者に求める資料の説明をする場としか認識していなかったということでありまして、そもそも協議メモを作成していなかったということであります。
○辰巳孝太郎君 出してくださいよ。これ、この六日前のやり取りでは、ごみはそんなに深くから出ていないと言いながら、地中深くから出てきたストーリーで値引きをするという口裏合わせが行われているんですよ。だから、それを前提に適当な資料を工事事業者は作ってきているんですよ。もう国交省はいいかげんに、これが三・八メートル、八億二千万円の値引きの根拠にはならないって、このことを認めるべきですよ。
公文書は改ざんする。必要な書類は出さない。腹心の友には異例の優遇する。統計のうそも隠蔽と認めない。そして、でたらめな報告書で八億の値引きをしても認めない。
近畿財務局の職員は、公文書の改ざんに関わって、一人命を落としました。
財務大臣、財務大臣、近畿財務局と本省理財局との公文書の改ざんの経緯を記した公文書、行政文書、残していますね。これ、提出してください。
○国務大臣(麻生太郎君) これは、森友学園との交渉記録について、押収されていた文書の写しを入手するなど捜査当局の協力も得まして、存在が判明したものについては全て公表させていただいたところであると思っております。
今御指摘の話は、これまでも答弁しておりますが、事務方において徹底して調べたものの限りでこれまで出したもの以上のものを発見するということはできておりません。
○委員長(金子原二郎君) 時間が来ております。
○辰巳孝太郎君 いや、これまでの答弁と違いますよ。
近畿財務局と本省の文書はあるでしょう、あるでしょう。もう一回答弁してください。出してください。ちょっと。
○政府参考人(可部哲生君) お答えいたします。
ただいま委員が御指摘になっておりますのは、近畿財務局と理財局の間の行政機関内部のやり取りについての資料のお話であろうかと思います。その森友学園の国有地売却につきましては、これまでに約四千ページの決裁文書並びに交渉記録、それから四百ページの法律相談文書、さらにその他の千九百ページの決裁文書を出させていただいておりまして、更にお尋ねをいただいたときは、必要に応じて担当職員に確認を行って、考え方を御説明させていただいております。
行政機関内部における意思決定過程の中で日常的に行われる職員の間での様々なやり取りについては、率直な意見交換や議論が妨げられるおそれがありますことから、提出を差し控えさせていただいているところでございます。
○辰巳孝太郎君 引き続き徹底究明する姿勢を見せ、私の質問を終わります。