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国会会議録

記録「最高裁まで争う覚悟で非公表」 隠ぺい今も メモ入手 検察に官邸介入も

2018年06月18日

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日本共産党の辰巳孝太郎議員は18日の参院決算委員会で、学校法人「森友学園」との国有地取引をめぐって、独自入手した二つの内部文書を暴露しました。そのうち、行政機関の間のやりとりの公表をめぐって財務省と国交省がすり合わせをしたことを記したメモには、財務省理財局と近畿財務局のやりとりの記録を「最高裁まで争う覚悟で非公表とする」と記されていました。公文書の改ざんが発覚した後もなお、財務省が隠ぺいを続けていることになります。辰巳氏は「いったい、本省からどのようなやりとりや指示があったのか。国民の前に真実を明らかにするべきだ」と迫りました。

辰巳氏が示したメモには、近畿財務局と大阪航空局のやりとりの記録については「国交省として、出すのが得策かどうか検討してほしい」とする一方で、近畿財務局と理財局のやりとりの記録については「最高裁まで争う覚悟で非公表とする」と、生々しいやりとりが記されています。

辰巳氏は「不都合なものは出さないというのか」と追及。麻生太郎財務相は「私どもは第三者機関から質問をもらう立場なので、それに対して(どの資料を出すか)いろいろ検討するのは当然だ」と開き直りました。

辰巳氏は「本件がまさに『安倍案件』だからこそ、公表を拒んでいるとしか考えられない」と指摘。さらに、メモには、財務省の佐川宣寿前理財局長らの刑事処分について「官邸も早くということで、法務省に何度も巻きを入れている」と記されていることをあげ、「法務省を通じて検察に官邸が介入しようとしていたのではないか」とただしました。

共産党の暴露で財務省と国交省が会計検査院の報告の内容に介入していた疑惑が明らかになったのに続き、本来独立であるべき検察にまで政権が介入していた疑惑が浮上しました。

安倍晋三首相は「いま、委員がいっていることが真実かどうかも分からない中で、答えることは不可能だ」と答弁を拒否。辰巳氏は文書の提出と関係者の証人喚問を求めました。

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(写真)辰巳氏が示した、財務省と国交省がすり合わせをしたことを記したメモの一部

 


議事録を読む
○辰巳孝太郎君 日本共産党の辰巳孝太郎でございます。

 大阪を震源地とした震度六弱の地震が起こりました。大阪が震源地というのは観測史上初ということであります。けが人も多数出ておりますし、また、安全なはずの学校でも壁が崩壊をして犠牲者が出ました。亡くなられた方に心からの哀悼の意と、被災された方々に心からのお見舞いを申し上げます。
家屋や外壁への被害、交通機関やインフラにも大きな影響が出ております。これまで答弁がありましたので繰り返しませんが、政府としても人命第一で救援、復旧に取り組んでもらいたい。日本共産党も対策本部を立ち上げました。現地の要望、要求をしっかりつかんで復旧作業に全力を挙げていきます。
さて、六月の十二日に歴史的な米朝会談が実現をいたしました。共同声明では、金委員長が朝鮮半島の完全な非核化への強固で揺るがない決意を表明しました。トランプ大統領は安全の保証を約束しました。両国が朝鮮半島に永続的で安定した平和体制を構築することを宣言をいたしました。非核化と安全の保証を米朝両国首脳の言葉で約束したことは歴史上初めてで、これは簡単に後戻りできないと私は思います。
菅官房長官は、十三日の記者会見で、極めて厳しい安全保障の状況がかつてより緩和された、日本にいつミサイルが向かってくるか分からない状況は明らかになくなったと述べました。
まさに、情勢は劇的に変わりました。これは誰も否定できない。我が党は、絶対に戦争だけはしてはならない、対話が必要だと言ってきたわけであります。
総理、この流れを非核化と平和構築につなげていくことが求められます。そのためには、日本政府が日朝平壌宣言に基づいて、核、ミサイル、拉致、過去の清算など両国間の諸懸案を包括的に解決をして国交正常化への努力を図るなど、開始された平和体制プロセスを促進する役割を果たすことが重要ではないでしょうか。拉致の問題の解決も、そうした位置付けで日本が主体的に動くことで道が開けるんじゃないでしょうか。いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 菅官房長官の会見での発言を引用していただきましたが、私も、また政府としても同じ考えであることは当然でございます。
核実験や弾道ミサイル発射が頻繁に行われ敵対的な空気が充満した状況から、トランプ大統領と金正恩国務委員長による共同声明により、まずはお互いの信頼を醸成していくための話合いがスタートする。これにより、北朝鮮の拉致、核、ミサイルの問題を解決した先に待っている未来像を描いていくための土台ができたと考えています。
先般の米朝首脳会談において、我が国にとって何よりも重要な拉致問題について、トランプ大統領が私の考え方を直接、金正恩国務委員長に伝えてくれたことは大きな成果であったと思いますし、トランプ大統領に感謝したいと考えています。
また、先日、拉致被害者御家族の皆様と面会し、米朝首脳会談の結果について私から説明をしました。御家族の切なる思いを改めて伺ったところでありますが、御家族の積年の思いを胸に、何としても安倍内閣で拉致問題を解決をしたいと新たに決意をしているところでございます。
拉致問題の解決には、大きな決断が必要となります。金正恩国務委員長には、米朝首脳会談を実現した指導力があると思います。日朝でも新たなスタートを切り、拉致問題について、互いの相互不信という殻を破って一歩踏み出したいと思います。そして、解決したいと決意をしております。
最後は、私自身が金正恩国務委員長と向き合い、日朝首脳会談を行わなければなりません。そして、これを行う以上は、北朝鮮の核、ミサイル、そして何よりも重要な拉致問題の解決に資する会談としなければならないと考えております。
○辰巳孝太郎君 対話による平和的解決の動きがこれ成功すれば、世界史の一大転換となります。そうなれば、日本の情勢にも大きな変化となります。北朝鮮の脅威を口実に進めてきた安保法制、辺野古の新基地建設、憲法九条改定の根拠が全て崩壊する。日本共産党は、日本が北東アジアの平和構築を進め、九条を生かした平和外交へとイニシアチブを発揮するよう強く求めてまいります。
森友事件についてお伺いします。
政府は公文書の改ざんを認めました。国権の最高機関である国会と国民を一年以上も欺く暴挙であります。改ざん、隠蔽、虚偽答弁を政府が認めて謝罪をした、これは文字どおり戦後政治史で初めての不祥事であります。
総理、世論調査が出ておりますが、どの世論調査でも、八割の国民が、今回財務省が出した調査の報告書でも森友問題解決していない、はっきりしていない、納得していない。これ、何で八割の方がこれだけそういうふうに思っているとお思いですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 決裁文書改ざんの問題については、国民の皆様の信頼を揺るがす事態となっていることに対して、行政府の長としてその責任を痛感をしております。国民の皆様に深くおわびを申し上げます。
真摯な反省の上に、二度とこうしたことが起こらないよう、全力を挙げて、公文書の管理のルールの見直しも含め、再発の防止に向け、総理大臣としての責任を果たしていく覚悟であります。国民の皆様に御理解いただけるよう、財務省等において今後とも丁寧に説明していく、そのように徹底したいと思っております。
一朝一夕にとはいかないではありましょうが、しっかりと対応することで信頼を取り戻してまいりたいと思います。
○辰巳孝太郎君 なぜ八割の国民が納得していないのかという質問には明確な答えはなかったと思います。これ、立法府に改ざん文書を提出するということは、憲法六十二条に規定された国政調査権をじゅうりんするものですから、政府や権力者の都合の悪い公文書が改ざん、隠蔽をされるということでは、議会制民主主義は絶対に成り立ちません。
今日お示ししたパネルは、政府のこれまでの答弁、そしてこれまでの議論で、結果判明をしたものを幾つか載せております。(資料提示)
私や妻が関係し、関与していればの総理の答弁の後に昭恵氏の名前が入った書類の存否の確認が行われ、昭恵氏の名前の入った文書は改ざんをされるか隠蔽がされました。
また、財務省は、事前に貸付料の価格を通知していたことをついに認めて、謝罪をしました。これ、言わば予定価格の漏えいという不正行為が行われたわけであります。
売払いの際には、森友学園から、森友学園が支払える金額は一億六千万円までですという上限金額を聞いていたことも財務省は認めました。航空局はごみの見積りを当初六・七億円で近畿財務局に提示をしたわけでありますが、それでは森友側の予算オーバーとなります。そこで、近畿財務局は、八億円までごみがあったことにして、ごみの増量を航空局に依頼をして積算をさせた、その結果、一億三千四百万円の売却価格に収まった。まさに、森友学園が支払える金額まで下げるためにごみが捏造されたということにほかなりません。
ところが、本調査報告書にはですよ、財務省が出した報告書、この不当に値下げをされた経緯というのは調査の対象にすらなっていない。なぜ森友学園に不当廉売されたのか、これ全く明らかにされていないわけであります。
五月の二十三日に財務省は、九百五十七ページもの森友学園との応接録、これですけれども、これを提出いたしました。しかし、二〇一四年四月二十八日の応接録は、これ欠落をしております。この日というのは、昭恵氏が籠池氏に、いい土地ですから前に進めてくださいと伝えて、この夫妻と昭恵氏が学校予定地の前でスリーショットの写真、これを撮った、その写真を示した日であり、そのことを知った近畿財務局職員が、契約の交渉を、それまで打ち切る、三くだり半を下そうとしていたにもかかわらず、本省と相談しますということになって、約一か月後には協力するというふうに百八十度対応が変わった、まさにターニングポイントに、この応接録が欠落している。財務省、この日の応接録は作ったと、こう認めているんですが、行方は分からないと。これは、応接録がないのは余りにも不自然です。
国交省はどうか。これ、ないないと言い続けてきた国交省からも、森友学園との応接録が六月四日になって提出をされました。ところが、三月三十日あるいは四月五日、二〇一六年、口裏合わせのやり取り、これは欠落をしておりまして、近畿財務局と大阪航空局とのやり取りもありません。
石井大臣、大阪航空局と近畿財務局との省庁間のやり取り、これは存在するということを認めておられると思うんですね。これ、出していただきたい。なぜ出せないんですか。
○国務大臣(石井啓一君) 今般、財務省において書換え前の決裁文書や協議メモが職員個人が保有する手控えといったところから発見されたことを踏まえまして、国土交通省にも改めて確認を行った結果、職員の手控えとして残っておりました森友学園側との協議メモについて提出をさせていただいたところであります。
今委員から、二〇一六年三月三十日あるいは四月五日の日付のメモがないじゃないかという御指摘ですが、私ども、今般、確認できました森友学園側との協議メモについては全て提出をさせていただいたところでありまして、隠蔽をしたり、あるいは廃棄をしたりといった事実は承知をしておりません。
なお、御指摘の行政機関との間のやり取りにつきましては、本件に限らず、日常的に様々なやり取りを行っているところでありますが、行政の組織相互間や組織内部での検討途中過程の情報を逐一お示しをいたしますと、今後の率直な意見交換や議論が妨げられる可能性もあることから、提出は差し控えさせていただきたいと思っています。
一方で、例えば見積りの増量依頼についていろいろ御指摘をいただきました。これについては、繰り返し職員に聞き取りした結果を御説明申し上げますとともに、その際のたたき台である六・七億円の見積りも、資料も提出させていただいておりますので、具体的にお尋ねをいただければ、そういったやり取りにつきましても丁寧に説明をさせていただきたいと考えております。
○辰巳孝太郎君 これ、航空局と近畿財務局とのやり取りの交渉録あるんですよ。これ出さないのは、結局、都合が悪いからですよ。
ここに我々が独自に入手をした航空局作成の応接録があります。二〇一五年の十一月十二日、安倍総理夫人付きの谷氏から問合せが財務本省にあり、それを近畿財務局が航空局に情報提供をして航空局が残したこれは応接録、記録であります。この中身を見ますと、新聞報道であった介護施設に対する賃料引下げの優遇措置を小学校にも適用できないのか、あるいは貸付料の減免、土壌汚染対策中の免除等はできないのか、こう記されているんですね。
谷さんからのやり取りというのは、これはあくまで制度の照会なんだと、制度の説明を聞いただけなんだという答弁がるるあったわけですけれども、これ単なる制度の照会じゃないわけですね。これ、谷さんの方から森友学園の賃料値下げの要望をしているんじゃないですか。国土交通大臣、これ、メモありますでしょう。
○国務大臣(石井啓一君) ちょっと御通告いただいていなかったものですから、その点については今手元に資料がございません。
○辰巳孝太郎君 麻生大臣、近畿財務局から大阪航空局の方にこういう情報提供をしたという事実はありますね。
○国務大臣(麻生太郎君) 運輸省と、運輸省じゃない、国交省か、国交省と同様、財務省にも同様の御質問を事前にいただいていないと記憶していますが。
○辰巳孝太郎君 これ、是非出していただきたいですよ。これ、真相解明のために必要ですね。
これ、本省のやり取りがその日のうちに大阪航空局まで情報が共有されたわけですね。私の手元にあるこの文書では、近畿財務局の情報として、総理夫人は森友学園が開校を計画している瑞穂の国記念小学院の名誉校長とわざわざ書き入れているわけであります。
さらに、私たちは、応接録の公表について財務省と国交省がすり合わせをする別のメモも入手をいたしました。
これは五月の下旬に、この改ざん文書、十三の文書ですね、これと応接録の国会提出を省内で決めた同時期のものであります。この文書には、財務省からの発言としてこう書かれております。近畿財務局と大阪航空局のやり取りを公表するかどうかは中身にもよるだろう、国交省として出すのが得策かどうか検討してほしい。これ、財務省からの発言なんですね。
財務大臣、省庁にとって得策かどうかで行政文書の提出の是非が決まるんですか。これ、不都合なものは出さないということなんじゃないですか。
○国務大臣(麻生太郎君) これも多分、事前に質問をいただいて、通告をいただいていないんだと記憶しますけれども、今一般論で申し上げれば、いわゆる何ですか、我々は、近畿、何だ、近畿財務局じゃなかった、済みませんが、今質問をいただいていないのであれだったんですが、私、私どもとしては、少なくとも、通常申し上げれば、我々としては、いわゆる第三者機関からいわゆる質問をいただいている立場なので、それに対していろいろな検討をするというのは当然のことだと存じますが。
○辰巳孝太郎君 検討したということを認めるんですか。
公表するかどうかは中身にもよると書いてあるんですよ。得策かどうかを検討して出すかどうかを決めると言っているんですよ。そういうことをやったということですかね。
これ、先ほど申し上げました二〇一四年四月二十八日の森友側とのいわゆるターニングポイントになった日の応接録も隠しているんじゃないかと、こう思わざるを得ないわけですね。
さらに驚くべきことは、近畿財務局と理財局とのやり取りの記録についてのメモの部分なんですね、こうあるんです。近畿財務局と理財局とのやり取りについては最高裁まで争う覚悟で非公表とする。これ非常に生々しいやり取りですよ。これ、最高裁まで争ってまで隠したいものは一体何なのか。
総理、改ざんを指示されていた近畿財務局の職員が追い詰められて自ら命を絶ちました。一体、本省からどのようなやり取りや指示が近畿財務局にあったのか、これ国民の前に真実を明らかにするべきです。近畿財務局と理財局とのやり取りを公表することこそ、うみを出すことになるんじゃないですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今るる説明しておられるものについては事前に通告をしていただいておりませんので、これはお答えのしようが、それが実際どういうものなのか分かりませんし、もし生産的な質疑をするのであれば、前もって通告をしていただければ、実際にもう一度、それが果たしてあるのかないのかということを調べられますが、真偽のほども分からない中において、麻生大臣も石井大臣も私もお答えのしようがないと。架空の、言わば今の段階では全く架空の状況でありますから、お答えのしようがないということでございます。
○辰巳孝太郎君 これ、本件がまさに安倍案件だからこそ公表を拒んでいるのかと、こう疑われても仕方がないと思います。
さらに、文書は続きます。
五月二十三日の後、調査報告書をいつ出すかは刑事処分がいつなるかに依存している。官邸も早くということで法務省に何度も巻きを入れているが、刑事処分が五月二十五日夜という話はなくなりそうで、翌週と思われる。
総理、官邸が法務省に何度も巻きを入れるというのはどういうことなんですか。法務省を通じて検察に官邸が介入しようとしていたということではないんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これはまさに全く架空の、今の段階では何もないわけでございますし、果たして、それ、今委員がおっしゃっていることが真実かどうかも分からない中でお答えすることは不可能だということは御理解いただいている上で恐らく質問しておられるんだろうと。テレビ入りの中でまるで事実であるかのごとくの質問かもしれませんが、当然これはお答えのしようがないのは、これは辰巳議員もよく御承知のとおりなのではないのかなと思います。
○辰巳孝太郎君 総理も調べていただけるということですから、今日、我々、メディアにもこの文書を公表しますので、是非調べていただきたいと思うんですね。
これ、結局、内部調査では私はもう駄目だと思います。文書の提出と関係者の証人喚問を強く求めます。国民は、うそまみれの政治の終結を求めております。
我々は、昨年の九月に会計検査院の介入を模索する財務省と国交省のやり取りも既に暴露しましたけれども、安倍政権は検察にまで介入していた、この疑いが濃厚となりました。引き続き徹底究明をしてまいります。
ありがとうございました。