コータローの国会レポート㉙ドイツから学ぶべきこと(大阪民主新報から転載)
2014年10月12日
参議院の重要事項調査(9月)の4日目。2022年までに原発をすべて廃炉にすると政治決断したドイツへ。郊外の道路から無数のプロペラ風車を見ながら、フェルトハイムという電力のすべてを自然エネルギーでまかなっている村を訪れました。
主力は風力発電で、不足した電力は村で飼っている牛・豚などの糞尿からのバイオガス、バイオマスで補います。各家庭約50万円程度の初期投資が必要ですが、数年で元が取れる仕組みです。
そんなエコエネルギー先進国ドイツでも電気料金の値上がりは頭痛の種になっており、固定価格買取制度などに批判の矛先が向けられているようです。しかしドイツ人誰に聞いても「原発回帰はあり得ない」という答えが返ってきます。
あるエコエネルギーファンド経営者は「ドイツ人はベルトとサスペンダーを同時に付けるくらい心配性。チェルノブイリからも放射性物質がドイツに降ったし、あの日本でも事故があったしね。もうドイツでは原発はあり得ない」「これはドイツ人の『非合理性』かな。いくら電気料金が高くなっても恐いものは恐い」
原発は危険で恐い、それは経済合理性に優先すると。しかし原発拒絶の理由はそれだけではありません。豊かな自然を守ることを何よりも優先しているのです。翌日訪れた欧州第二の巨大港湾ハンブルグ港でも、政府はより深く航路を浚渫したいが、河川の生態保護に反すると環境保護団体がそれを許していません。日本がドイツから学ぶべきことはたくさんあります。
(日本共産党参院議員 辰巳孝太郎 大阪民主新報にて隔週で掲載)