コータローの国会レポート㊸閉じた幕を開けてはならない(大阪民主新報より転載)
2015年05月31日
住民投票が終わり、国会では他党議員からは「良かったな」と声がかかることもしばしば。一方、維新の議員は民主党への合流を模索しつつ、自民党にお世話になろうとする人も。あれだけ既得権益の打破を掲げ、既成政党を批判していた維新ですが、次の選挙をにらんで右往左往しています。
報道で気になることもあります。確かに「橋下劇場」は幕を閉じました。しかしメディアは7年半の橋下維新政治を真面目に総括した報道をしているでしょうか。「『改革者』が潔く去ったこと」ではなく、「独裁者が残したもの」にこそ、焦点を当てなければなりません。
「子どもが笑う大阪に」これが橋下政治のスタートでした。ところが教育分野での彼の罪はあまりにも大きい。7年間で350万円(40代)もの賃金カットで教職員が流出。加えて正規の教職員をどんどん減らしたため、授業に穴が開く異常事態に。全国学力テストの学校別の結果を内申点にも反映させ、一部のエリート高校には優遇予算。君が代口元チェックに民間校長の不祥事、そしてお友達教育長はパワハラ辞職。学校現場に混乱をもたらしたのが橋下政治であり、子どもを泣かし続けてきたのです。称えられるものは何一つありません。
間違った政治を正しく総括しなければ、将来別の独裁者の登場を許してしまいます。これからが勝負。子どもの成長と発達のための教育を取り戻すたたかいです。どんなことがあっても閉じた幕を再び開けてはなりません。(辰巳孝太郎 日本共産党参院議員 隔週で掲載)
(大阪民主新報、2015年5月31日付より)